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ワンランク上のインダストリアルへ!おすすめチェア紹介

様々な側面を持つインダストリアル調インテリアですが、その特徴の一つに「無骨さ」があります。この武骨さを活かす使い方のおすすめは「優れた工業デザイン」を持つアイテムを加えて、空間のアクセントとすることです。

ここでは、アクセントに向いた「ミッドセンチュリー」期のチェアを紹介。無骨なだけにとどまらないインダストリアルからワンランク上のデザインがポイントです。

インダストリアルデザインの粋、デザイナー別チェア紹介

ミッドセンチュリー期(1940~1960年代)と呼ばれる時代、優れた工業デザインを持つチェアが数多く登場しました。その理由の一つは名デザイナーの存在です。この後、彼・彼女たちの代表作であるチェアを紹介していきますが、紹介できないチェアの中にも歴史的名品と呼ばれるアイテムが多いので、興味を持ったらあわせてチェックしてみましょう。

参考:Interior freak online「ミッドセンチュリー家具とは」

インダストリアルと好相性「チャールズ&レイ・イームズ」のチェア

「イームズ夫妻」ことチャールズ&レイ・イームズはアメリカを代表するデザイナー。今回紹介する「シェル・チェア」以外にも、ミッドセンチュリーを代表する数々の名作チェアを手掛けたことで知られています。

シェル・チェア

イームズ夫妻の代表作といえば、背もたれと座面が一体となったデザインが特徴的な「シェル・チェア」。肘掛けの有無や脚部のデザインにバリエーションがありますが、中でも写真の「エッフェルベース」と呼ばれる脚を持つものが、インダストリアル調インテリアにマッチします。カラーバリエーションも豊富ですから、あえて明るめを選択して差し色に使うのも良さそうです。

シェルの部分がメタルに変更された「ワイヤーチェア」もマッチしますが、冬には冷たいといった評判も耳にしますから、実物に触れてからのご購入をおすすめします。

参考:Herman Miller Japan「イームズシェルチェア」

インダストリアルと好相性「エーロ・サーリネン」のチェア

イームズ夫妻と親交が深かったエーロ・サーリネンは、アーチが特徴的な建築を数多く手掛けているのですが、デザインがチェアにも反映されたものが「チューリップ・チェア」です。

チューリップ・チェア

チューリップの花びらのような外観から名付けられたチェアも、ミッドセンチュリーを代表するもの。スッキリした一本脚と曲線からなる座面が独特のムードを持っており、ハードになりがちなインダストリアル系インテリアを和らげる効果を持っています。

リラックスしたムードを加えたいなら「カンファレンス・チェア」を選択するのも良いでしょう。

参考:Knoll「Saarinen Collection Tulip Chairs – Arm chair」
参考:Knoll「Saarinen Collection Conference Chairs – Armless chair-」

インダストリアルと好相性「ジョージ・ネルソン」のチェア

ミッドセンチュリー期に数々の名品を生み出した家具メーカー「ハーマンミラー」社のデザインの責任者。先述のイームズ夫妻を見出したことで知られていますが、自身もデザイナーとして活躍しています。

チェアに限らずユーモアを感じさせてくれるのが、ジョージ・ネルソンの特徴となっていますから、彼の作品はインダストリアルの無骨さを和らげるのに、大きな役割を果たしてくれるでしょう。

ココナッツ・チェア

単純な曲線と直線からなるデザインは見るものに強烈な印象を残しますが、単に奇抜なだけで終わらないのが名品の理由です。体を包み込むような絶妙なフォルムは、くつろぎを与えてくれます。

参考:Herman Miller「Nelson Coconut Lounge Chair」

ネルソン・プラットフォームベンチ

木製の座面に金属製の脚が付いているだけというシンプルなフォルム!ミッドセンチュリー期を代表するベンチです。ちょうどよい高さとなっていますから、座卓として使用されているケースも見かけます。

参考:Herman Miller「Nelson Platform Bench」

インダストリアルと好相性「ハリー・ベルトイア」のチェア


イームズ夫妻にも大きな影響を与えたとされるのが、イタリア生まれのハリー・ベルトイア。金属加工を得意としていた彼らしく、ワイヤーを用いたチェアを数多く発表しています。

ダイアモンド・チェア

CG黎明期のワイヤーフレームを連想させる一品。見た目に反して、座り心地の良さでも定評があります。レトロフューチャーなデザインは、インダストリアルとの相性も良さそうです。

寒い時期の冷たさが気になるという方に、全体が張地で覆われたフルカバータイプも用意されています。

参考:Knoll「Harry Bertoia」

まとめ

ご紹介したチェアはいずれも発表から半世紀以上も過ぎているにもかかわらず、依然として高い人気を持つものばかりです。優れたデザインは古びないことを教えてくれています。

一方で、ハーマンミラー社やノル社のオリジナルには価格が高いという難点もあります。そんな場合に検討したいのが、オリジナルのメーカー以外が手がけた「リプロダクト」や「ジェネリック」と呼ばれるものです。名作デザインチェアの意匠権が切れてからそっくりに再現されたもので、違法性は無いとされています。

オリジナルの数分の1という手ごろな価格で購入することができるのですが、リプロダクトと呼ばれるものの中には作りが残念なものがあるのも事実です。実際に座り心地を確かめてからの購入をおすすめします。