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クロスで思いのまま!インダストリアル調壁紙を選ぼう

内装をインダストリアル調にするのに活躍するのがクロス(壁紙)。インダストリアルの流行を受けて、各メーカーもコンクリートやレンガなどのクロスをラインナップしています。しかし心配になるのが、クロスならではのフェイク感が出てしまわない?ということ。インテリアをバッチリそろえても、明らかにニセモノとわかるクロスでは興ざめしてしまいますね。

ここでは大手メーカーのインダストリアル調クロスの実際を見ながら、本物を選ぶという選択についても考えていきます。

「コンクリート」インダストリアル調クロス

写真はリリカラ「ライト・ウッド&ストーン」シリーズの「LL5226」、独特のPコン穴も再現されており、モダンなコンクリート打ちっぱなしの空間となっています。キレイな施工が難しく、ひび割れ(クラック)に悩まされ続ける本物より、クロスの方が気軽に楽しめると人気があります。

クロスをはがすという選択

それでも本物の質感が欲しい!という方に、コンクリート躯体のマンション限定で使える技があります。それは既存のクロスを全てはがして、下地のコンクリートをむき出しにする「躯体現し」です。壁のクロスだけでなく、通常は天井材も取り除いてしまいますから、ダクトやライトレールもむき出しになります。

ただ「躯体現し」は剥がしてみたら「そのまま使えないほどに状態が悪かった」など、開けてみないとわからないといったリスクもあります。それも含めて何ともインダストリアルな空間が完成するでしょう。

「レンガ」インダストリアル調クロス

写真はリリカラ「ライト・ウッド&ストーン」シリーズの「LL5220」、遠目で見る分には色目・質感ともに上々ですが、本物の配線管をクロスの上から取り付けることで、リアル感とインダストリアル感をアップさせています。

加えて写真では、壁の一面だけをレンガ調にするアクセントクロスにすることで、空間全体が暗くなりすぎることを防いでいます。

本物のレンガを使う選択

最近のクロスは陰影までも表現されていたり、もによっては凹凸までデザインされるなど精巧なつくりになっています。それでもやはり本物の質感にこだわりたいというケースもあるでしょう。比較参考としてはたとえばセラコア「アンテウォール」は、実際のアンティークレンガを内装でも使えるように薄くスライスしたもので、重厚なレンガならではの質感が楽しめます。

しかし価格がネックになっており、クロスが約1平方mで1,000円ほどに対して、アンテウォールは1万7,980円!施工費も加えると、クロスとはとんでもない価格差になりそうです。全体の予算バランスを見て、決めていく算段が必要ですね。

参考:ミライエ「平米単価に要注意?クロス・壁紙の張替えの正しい費用相場」
参考:セラコア「レンガ ケース販売 オシャレな壁用のアンティークレンガ」

「塗り壁」インダストリアル調クロス

写真はサンゲツ「ファイン・FE6134」、照明を上手く使うことでクロスの凸凹が強調されています。この壁紙も本物さながらのデザインで、表面のざらつき具合など遠目では本物かどうか区別がつかない程。それでも、塗り壁風クロスを使うなら近くで見るときや日中の表情にまでこだわりたい、という場合には、人によっては物足りなさも感じるかもしれません。

実際に壁を塗るという選択

手作業や経年の味を求めるなら、珪藻土の塗り壁をDIYするという選択肢もあります。室内のすべてを塗るのが難しそうならば、アクセントクロス風に一面だけ塗り壁にするのも良い方法です。

ヘラや小手といった道具の扱いに自身がないならば、近年はHAGS「KEISOUDO」シリーズなど、ローラーで塗れる珪藻土塗料がオススメ。少々のムラは気にせずに、楽しんで塗ってしまいましょう。

参考:HAGS「珪藻土塗料(ペイント)壁材」

「古材」インダストリアル調クロス

写真はサンゲツ「リザーブ1000」シリーズの「RE51314」、古材の荒れた表面もエンボスで再現しており、なかなかのムードです。躯体現しの壁面をあえて残してクロスを貼ることで、古材のパネルを立てかけたかのような効果となっています。

古材を貼るという選択

古材の人気の高まりとともに、フローリング材だけでなく壁に貼るパネルタイプのものも販売されるようになりました。一枚として同じ表情がないのは本物ならではの魅力。気になる価格は、クロスが約1平方mで1,000円ほどに対して、1平方m当たり1万円ほどです。

価格差はありますが本物を使うということは価格が全てではなく、全体の印象や毎日の充足感に繋がるものでもあります。全体の予算と今後のライフスタイルなども加味して検討していくと良いでしょう。

参考:ミライエ「平米単価に要注意?クロス・壁紙の張替えの正しい費用相場」
参考:HAGS「古材パネル リクパネ シャビー」

「メタル」インダストリアル調クロス

写真は東リ「パワー1000」シリーズ「WVP2009」、古びた金箔を一面に貼り付けたような独特のムードが楽しめるクロスです。これ以外にもパワー1000シリーズには個性的なデザインがそろっていますから、チェックしてみるだけでも楽しめます。

メタル調パネルを貼る

本物の金属を張り付けたような見た目を求めるなら、サンワカンパニーなどから販売されているキッチンパネルを選ぶのも手。汚れもカンタンにふき取ることができるなど、メンテナンス性も高くなっています。
またサビやスレなどメタルならではのシャビーなムードを求めるなら、実際にトタンやガルバリウム、波板を室内に貼ってしまうのも良いでしょう。

まとめ

クロスは施工の手軽さとコストだけでなく、インテリアを変えたいという時にも比較的容易に対処できるというメリットがあります。

また、クロスは昔とは違って年々つくりが精巧になり、ぱっと見では本物かクロスかわからないものが多くなっています。それでも、近くで触ってみたり斜めからみると、本物ほどの質感を感じないものもあります。クロスを検討したいけど、質感が気になるという場合にはサンプルやショールームなどで実際にその質感を確認することが納得への第一歩と言えるでしょう。