フローリングや畳など、床材には数々のバリエーションがありますが、DIYに向いていると言われる建材のひとつが塩ビタイルです。理由は加工が容易で価格も安いから。塩ビタイルをカッターで切り、専用の接着剤で張ってしまえば古いフローリングも見違えます。価格も手ごろですから、塩ビタイルで個性的な空間造りに挑戦するのもよいでしょう。しかし、購入しようと思うと迷ってしまうのが、聞きなれないメーカーが多いこと。自分好みの製品を製造しているメーカーを見つけるのに一苦労するかもしれません。
ここでは塩ビタイルの有名メーカーと、個性的な商品をご紹介します。
塩ビタイルの代表的メーカー「サンゲツ」
カーテンや壁紙を手掛ける、大手インテリア商社が「サンゲツ」。創業は1849年で、名古屋に本社を置く東証一部上場企業です。塩ビタイルだけで400種以上という驚くほどのラインナップを誇るだけに、個性的なものも充実していると言われます。
ゼクス
塩ビタイルは四角形というイメージを打ち砕く斬新な製品が「ゼクス」。六角形というユニークな形をしています。写真のように同色系のものをランダムで張っていくのが一般的ですが、グラデーションをかけたり同じ色のものを敷き詰めるのも面白いでしょう。
ラスティメタル
金属を模したシリーズが「ラスティメタル」。ギラギラしたメタルの雰囲気を抑えて、古びてサビてしまったような落ち着いた雰囲気を持たせています。ブティックなどの床にもピッタリですが、シャビーシックなインテリアにもマッチしそうです。
塩ビタイルの代表的メーカー「東リ」
サンゲツと並ぶインテリアの総合大手が「東リ」。床材の専門メーカーとして1919年に創業し、その後、インテリア全般へと事業を拡大し現在に至っています。
テトラ
東リの変形塩ビタイルのシリーズが「テトラ」。並べ方によって個性的なパターンを作ることができる特殊な四角形をしています。モダンアートやパッチワークなど、フロアの仕上がりパターンは様々。パズル気分で自分だけの床に仕上げましょう。
チェッカーメタル
「チェッカーメタル」は工場などで見かける縞鋼板を模した塩ビタイルです。インダストリアル系などハードなイメージのインテリアにピッタリでしょう。塩ビタイルの耐久性は靴を履いたままでも全く問題ありませんから、インナーガレージの内装などにも活かせそうです。
塩ビタイルの代表的メーカー「タジマ」
1919年に創業し屋根の防水材で成功し、成長してきたメーカーが「タジマ」。少し前まで「田島ルーフィング」という名称で知られていました。1953年から塩ビタイルなどの床材も手掛けるようになりましたから、こちらも長い歴史があります。近年ではドラマのインテリアも担当しています。
デニムフロア
インディゴ染めしたデニム地を塩ビタイルに仕上げたのが「デニムフロアKT」。履きこんだジーンズのように、使うほどに味が出てくるのが最大の特徴です。コーディネートの幅が広いデニム同様、様々なインテリアと好相性を見せてくれるでしょう。木の風合いをプラスした「デニムフロアFT」も好評です。
モノシュタイン
ドラマ・半沢直樹で重厚な社長室セットに使われていたのが「モノシュタイン」です。特徴は天然石をリアルに再現したところで、何とも言えない高級感を漂わせます。それでいて塩ビタイルですからメンテナンスもカンタン、安価なのもうれしいところです。
塩ビタイルの代表的メーカー「リリカラ」
1907年に創業した、老舗インテリアメーカーが「リリカラ」。襖(ふすま)紙を主に手掛けていましたが生活の西洋化とともに壁紙へと進出。現在では塩ビタイルなど床材も手掛けています。他にはカーテンでも高いシェアを持ち、資本金は33億円超の大企業です。
ラスティックペイント
リリカラの塩ビタイルはリアルな木質を再現することで高い評価を得ていますが、それをもう一段すすめたのが「ラスティックペイント」。いったん塗られたペンキが経年ではがれたような、絶妙な味わいを作り出しています。アンティークでまとめたインテリアにマッチしそうですね。
ユニゾンマテリアル
木質と天然石をモザイク状に組み合わせた様を、リアルに再現しているのが「ユニゾンマテリアル」です。本物の建材であればトラブルが続出しそうな組み合わせですが、塩ビタイルなら気軽に試すことができるというもの。個性的な空間づくりに役立ってくれるでしょう。
まとめ
大胆な模様を作り出すことができたり、鋼鉄や天然石といった質感を再現していたり。各メーカーが工夫を凝らしているだけに、奥深い世界が広がっているのが塩ビタイルと言われます。塩ビタイルの質感に対しては、ホンモノと比較してチープな印象を持つ方も多いようです。しかし、そんなチープさを逆手に取って楽しむことができるのも塩ビタイルならでは。ホンモノなら手が出せないようなことでも、気軽に楽しむことができるのが塩ビタイルのメリットと考えましょう。