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リフォームで照明の位置を変えるなら知っておきたいこと

部屋のリフォームや模様替えをした際に、照明の位置が不自然になってしまうことがあります。部屋の中で照明を設置できる場所は限られていることが多いですが、設置場所を移動させることはできるのでしょうか。
照明の位置は変えられるのか、さらに照明の位置を移動させるのに便利なライティングレールや、知っておきたい照明設置の考え方などをご紹介します。

 

リフォームで照明の位置は変えられる?

一般的に、家庭において照明を設置するための器具として、引っ掛けシーリングやローゼットなどが取り付けられています。照明の位置を変えるためには、これらの器具を移動させる必要があります。
天井の一部を解体して移動させますが、その際に、天井裏にスペースがあることが条件です。古いマンションなどで、天井裏にスペースがないようなつくりの場合は、照明設置用の器具を移動させるのは難しいでしょう。

また、引っ掛けシーリングなどに簡単に取り付けられるライティングレールを活用することで、照明の位置を変える方法もあります。ライティングレールについては、次の項目で詳しく解説します。

 

照明の位置を変えるのに便利なライティングレール

ライティングレールとは、細長いバー状の部品で、照明器具を取り付けるためのものです。1つのレールに複数のライトを設置できます。スポットライトやペンダントライトなど、照らしたい場所に合わせた種類の異なるライトでも取り付けが可能です。照明による演出で、カフェや美容院のようなおしゃれな雰囲気になるでしょう。広い部屋でも明かりが届かないということになりにくく、照明の数を調整することで、必要な場所に合わせた明かりを届けられます。

先ほど述べたように、引っ掛けシーリングやローゼットに簡易取り付けできるタイプであれば、電気工事などが必要なく簡単に使えます。工事ができない賃貸物件などにもおすすめです。

簡易取り付けでないライティングレールを設置したい場合は、電気工事のできる業者に相談しましょう。部屋中にライティングレールを張り巡らせることで、部屋の模様替えに合わせて照明器具を移動したり、照明の数を増減したりできます。
例えば、ダイニングにペンダントライトを設置する場合、テーブルの真上にあるとバランスが良くなります。模様替えでテーブルの位置が少し変わったとしても、ライティングレールがあれば、同時に照明の移動も簡単にできるのです。
また、寝室であれば、仰向けに寝転んだときに顔の真上に照明がくるのは避けたいものです。模様替えでベッドの位置が変わった場合でも、ライティングレールがあれば照明の位置を変えやすいでしょう。

ただ、レール1本あたりの最大ワット数や、耐荷重量などには注意が必要です。レールの上であればいくらでも照明器具を設置できるわけではありません。照明器具を設置する際は、ワット数や重量を確認しましょう。
また、ライティングレール自体は丸見えになるため、その見た目が気になることもあります。天井の色やインテリアの雰囲気に合わせて、レールの色を選びましょう。レールの色には、白や黒、シルバーなどがあります。天井に馴染む色にしたり、あえて目立つ色にしてアクセントにしたりできます。

 

「多灯分散照明」と「一室一灯照明」

照明の位置を変えるなら知っておきたいのが、「多灯分散照明」という手法です。
一般社団法人日本照明工業会の「適時適照」の多灯分散照明方式によると、従来は1つの部屋に1つの明かりという「一室一灯照明」が主流でしたが、「多灯分散照明」へと変わり始めています。

「多灯分散照明」とは、1つの部屋に複数の照明を設置するという手法です。ペンダントライトやダウンライト、フロアスタンド、ブラケットなどの異なる種類の照明を組み合わせられます。光のコントラストが生まれ、雰囲気の良いインテリアになるでしょう。

また、「多灯分散照明」にはエコな面もあります。「一室一灯照明」の場合はいつも同じ明るさで、無駄な明るさが生じやすいです。無駄な明るさがあるということは、電気代もその分かかってしまいます。
一方で「多灯分散照明」の場合は、点灯する照明の数を調整できるため、生活シーンに合わせて明るさを変えられます。食事や在宅ワーク、勉強、読書、くつろぎの時間など、それぞれのシーンで必要な明るさ、快適な明るさは違います。必要な場所に必要なだけの明かりを届けることで、消費電力の無駄をなくせます。

参考:一般社団法人日本照明工業会「『適時適照』の多灯分散照明方式」

 

まとめ

リフォームで天井の一部を解体することで、照明の位置を変えることは可能です。ただ、古いマンションなどで、天井の裏にスペースがない場合は難しいでしょう。簡易取り付けのライティングレールの設置など、他の方法もあります。
ライティングレールを取り入れると、部屋の模様替えなどに応じて照明を移動させやすくなります。1つの部屋に複数の照明を設置して、光のコントラストを楽しみましょう。