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モルタルとタイル。床材にはどちらを使う?

モルタルとタイル。床材にはどちらを使う?


モルタルとタイル。どちらもインテリアにこだわりのある人には気になる建材ではないでしょうか。どちらも甲乙つけがたい魅力ある建材ですが、床材ならばどのような場所で使うのがよいのか、またメリットデメリットはなにかを比べてみました。
 

モルタルとタイルの特徴を知ろう

モルタルとタイル。床材にはどちらを使う?


モルタルとタイル、どちらもインテリアやリノベーションの場面で目にすることも多い建材です。実際どんな素材でどのように使うのでしょうか。


モルタルって一体どんなもの?

インテリアにこだわりのある人なら一度ならず聞いたことがあるかもしれないモルタル。モルタルとは建築材料の一つで、水と砂とセメントを混ぜたものです。生成方法はコンクリートと似ていますが、コンクリートはセメントに砂利を混ぜたもの。材料は似ているのですが、混合するものが砂と砂利という違いがあります。

モルタルは耐火性に非常に優れていると言われていて、特に家の外壁の他、コンクリートで基礎固めをした表面をモルタルで平らにしたり、タイルなどの目地材としても使われています。

内装では玄関の土間、壁、キッチンカウンターなどインテリアの主役として使われることも。いずれも無機質な男前インテリアと相性が良く、インテリアにこだわっている人におススメの建材でしょう。


タイルとはどんなもの?

鉱物、金属、ガラスなどを高温で焼いて生成したものがタイルです。

高温で焼いているのでひび割れなどにも強く、外壁や玄関などにも多く使われています。タイルは高級感や重厚感のある物からナチュラルな物まで、広い範囲の質感も表現できます。それによって一般住宅の外壁、内装に使用されることも多く、ナチュラル系からかっこいい系まで実に様々なデザインのタイルがあります。

タイルは生成時の温度や吸水率によって区分分けされていて、約1250°以上の高温で焼いたI類、1200°前後で焼いたII類、素地を1000°以上で焼いたIII類となっています。I類は吸水性が低く主に外壁や水回りの壁や床などに、II類は吸水率は10%以下で素朴な味わいがあるタイルで、III類は素地に多孔性があり主に内装などに使われているようです。
 

モルタルとタイル。床材としておさえておきたいポイントはこれ!

モルタルとタイル。床材にはどちらを使う?


ではモルタルとタイル、どちらが床材に向いているのでしょか?それぞれのメリットやデメリットを比較してみました。


モルタルを床材に使う場合

かっこいい、シンプル、無骨というイメージの一方、汚れやすくヒビも入りやすいモルタル。

モルタルの弱点のひとつは、乾燥と吸水を繰り返すことによってクラック(ひび割れ)が入ってしまうことです。

酷い場合はクラックから水分が侵入し、内部の腐食を招くことも。

しかしこういったデメリットはこまめな手入れやメンテナンスによって改善させることも可能です。
モルタルと床材として使う場合は、あらかじめ汚れてもよい場所、水のかからない場所などがおススメ。

モルタルは使い方によってはシンプルで個性的、カッコいい印象を作ることができるのですが、全体の統一感がないと途端にチープな印象になってしまうとも言われています。作りたい家や部屋のビジョンを具体的に描き、インテリアの細部まで作り込んでこそモルタルの良さが活きてくると言えるでしょう。

無垢材の床の傷を経年劣化と見なすか、家族と築き上げた思い出の一つと見なすかと同じように、モルタルの床のクラックや汚れも家族の思い出ととらえることができる人には、たまらない建材になるのではないでしょうか。


タイルを床に使う場合

タイルは汚れや傷に強く、汚れたときの掃除も基本は水洗い、傷の補修も目地のコーキングがメインという手軽さがウリでもあります。特に元から汚れにくI類やII類のタイルは日々の手入れも楽だと言われています。

さらにタイルには実に様々な色や柄、質感があるので、高級感や重厚感、ラグジュアリーな雰囲気などもタイルを使った床材で表現することができるでしょう。

その種類の多さから、作りたいイメージに合った物が見つかりやすいのもタイルの特徴の一つ。水にも強いので玄関やトイレの床、キッチンなどにもおススメです。

このように耐久性が高く、衝撃にも強いタイルですが、その硬さによって足腰に負担がかかるという声も聞かれます。立ち仕事が多い家事に負担がないような工夫も必要でしょう。
 

モルタルとタイルの使い分けはどうする?

モルタルとタイル。床材にはどちらを使う?


無骨でシンプルなデザインにしたい場合はモルタル、重厚感や高級感を出したいならタイルを選ぶのが一つのポイントでしょう。

モルタルは初期費用が安い分、メンテナンスに手間やコストがかかってしまうことも。モルタルの雰囲気が好きな人には、水気の少ない場所や汚れても気にならない場所などに使うのというのも、一つの手です。

逆に初期費用が高いがメンテナンスにさほど手間やコストがかからないタイルは、玄関やキッチンなどの家のイメージに合わせて選びたい場所に使うと、思い通りの内装に近づけることができるかもしれません。
 

まとめ

モルタルもタイルもそれぞれの良さがあります。どちらがより優れていると簡単に結論づけることは、難しいとおわかりいただけたかと思います。

それぞれのメリットやデメリットを比べながら、よりイメージに合うアイテムを選ぶことが大切でしょう。