「階段が急で昇りづらい」「間取り変更といっしょに階段の位置を変えたい」。階段をリフォームする目的は人それぞれ。リフォームするなら良いものをと思う一方で、費用は大きな関心事の一つではないでしょうか。できることなら安く抑えたいという方は、DIYも視野に入れているかもしれませんね。
今回は、目的別の階段リフォームの方法や費用、そしてDIYでもできる事をご紹介します。
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階段のリフォーム、実は大切な寸法
階段をリフォームする前に、気を付けなくてはいけないことがあります。それは、階段の寸法。実は階段は、自宅の物であっても全く自由な設計をすることは出来ないのです。建築基準法によって、最低限守るべき寸法が示されていますので、確認しましょう。
・階段および踊り場の幅：75cm以上
階段～踊り場にかけて、横幅は75cm以上確保する必要があります。
・蹴上：23cm以下
階段の高さのこと。「けあげ」と読みます。
・踏面：15cm以上
足を置く場所の奥行。「ふみづら」と読みます。
・踊り場位置：高さ4m以内ごと
ここで示した数値は、住宅における最低限守るべき数値です。あくまで最低値であり、実際にこのとおりの寸法で作った階段では「昇りづらい」と感じることが多いと言われています。
もうひとつの例として、同じ建築基準法における公会堂や集会場のための階段寸法も見てみましょう。
・階段および踊り場の幅：140cm以上
・蹴上：18cm以下
・踏面：26cm以上
一般住宅でこの数値に沿うことは難しいかもしれません。ただ、公共の施設ではより昇りやすい寸法を設定していることがおわかりいただけたかと思います。
バリアフリーな階段へリフォーム
使いづらい階段には、転倒のリスクが付きまといます。階段での転倒は、そのまま骨折などのケガに繋がり得る危険な事故。バリアフリーで快適な階段へのリフォームは、身の安全を守るとともに長く使える階段づくりを目指すことができます。
とはいえ、どのような階段が「バリアフリーで使いやすい」のでしょうか？迷ってしまうかもしれませんが、使いやすさのための基準があります。
「バリアフリー基準」では、昇りやすい階段が好ましいとして、以下の寸法を示しています。
・蹴上げ寸法×2 ＋ 踏面寸法 ＝ 55cm～65cm以内
先に示した公共施設の場合の基準を当てはめてみましょう。18cm×2＋26cm＝62cmと、基準範囲内となります。
・踏面寸法：19.5cm以上
踏面は足をおくスペースです。基準最低値では15cmで狭く感じやすいところを、より広いスペースを確保するようにと定めています。
階段の形状は直線が最も望ましいとされていますが、途中で曲がる階段も候補に挙がっています。螺旋階段は推奨されていません。
バリアフリー基準ではないのですが、足元を明るくする、滑り止めを付ける、両側に手すりを付けるといった工夫もすると良いでしょう。
バリアフリーな階段へのリフォーム費用
手すりを付けるには、工賃と手すり本体の費用を合わせて一般的に4万7000円～10万が相場と言われています。
今ある階段を作り変える場合の一般的な相場は、以下の通りです。
新たに階段を作る場合 ：約47万円
踊り場付きの階段を作る場合：約95万円～約115万円
DIYでできる、バリアフリーな階段へのリフォーム
比較的カンタンに出来るものの一つに、滑り止めマットの設置があります。段差のフチ部分に貼ることで、滑り止めと段の存在をわかりやすくする効果も期待できます。
また、暗くなりやすい場所に足元照明を取り付ける事もDIYで可能です。夜中に階段を使う時にも安全度が増すでしょう。電池式のものであれば、配線工事は必要ありません。中にはセンサー式の物も販売されています。
階段の位置を変えるリフォーム
使いづらい間取りをリフォームする時に、階段の位置を変えることもあるでしょう。逆に、階段の位置を変えたいという時に間取り変更が必要になることも。
全面的な間取り変更が伴う場合の相場は、150万円～300万円と言われています。
ただし、間取りの大きな変更がなければこの額よりも安くなる可能性があります。
階段の床材を替えるリフォーム
「階段のみリフォームしなかったことで古く見える」「階段の安全性を高めたい」そんな時には、階段の床材を替えるリフォームも候補の一つです。
安全性が高まると言われる床材は、毛の短いカーペットやコルク。
床材の重ね張りのリフォームの相場は、一般的に15万円〜30万円と言われています。
床材を重ね張りする場合、素材によってはDIYも選択肢に入れることができます。カーペットやクッションフロアなど、自分で加工可能なものであればサイズに合わせてカットし、両面テープなどでしっかり貼りつけることでリフォーム可能です。
まとめ
階段をリフォームする時には、守らなければいけない基準もあります。使いやすく、安全な階段にするためにはそれらを念頭におきつつ、業者と相談するとよいでしょう。目的によって価格は様々。家の間取りや階段の面積によっても変わってくるため、一概には決められませんが一般的な参考価格を紹介しました。
リフォームの方法や価格の概要をつかんだ上で、具体的なリフォームへ進むと良いでしょう。
