ペットは家族の一員ですから、室内で一緒に暮らすのは当たり前。ペット共生住宅という言葉も一般的になりましたし、ペットと暮らすことを目的にしたリフォームも増加中です。

ここでは猫仕様の扉や床材、壁など、猫と毎日を過ごすためのリフォームのアイデアを集めました。目指すのは、人と猫が居心地の良さを感じる住まいです。

「扉」を猫仕様にする

向こうに猫がいるのを気付かずにドアを開けたら、お互いにびっくり！猫と一緒に過ごしていると、よくありますよね。住宅を猫仕様にするアイデアは色々ありますが、まずは扉を猫仕様にする方法です。

ドアの下部分をガラスにする

扉にまつわる猫とのトラブルを防ぐには、向こう側にいる猫の気配が伝われば良いのです。写真は扉の下部にガラスを入れた例。猫仕様に全面リノベーションするのに合わせて、オーダーで作ってもらったといいます。

気配が感じられるようにするなら、既製品のドアでもすりガラス入りのものを見つけることができますし、開き戸ならLIXIL「ライトスルースクリーン」などを選ぶとよいでしょう。

猫ドア・猫穴を付ける

猫仕様のお家にあると大変便利なのが「猫ドア」、つまり猫専用の出入り口です。市販されている猫ドアをDIYで取り付けるとなると、既存のドアに穴を開けなくてはなりませんから、ちょっと大変。猫ドア（ペットドア）付きの既製品に入れ替えるか、オーダーで作ってもらうかのどちらかがおすすめです。

上の写真は壁に猫ドアならぬ「猫穴」をリフォームで付けた例。洗面室に置かれた猫のトイレにつながっており、催したときに人の手をわずらわさないようになっています。プロが手掛けただけあって、縁取りもインテリアとマッチしていますね。

「床」を猫仕様にする

ツルツルの床は猫にはストレス、老猫の足腰にも悪影響といわれています。すべりそうになったときに爪を立てることができる、柔らか目の床材を選びましょう。

無垢材を選ぶ

猫にとって優しいフローリングといえば無垢材。オークやナラなど広葉樹より、パインなどの針葉樹は柔らかくて猫も居心地が良さそうです。繊維の密度が低く、空気を含みやすい性質ですから、人が裸足で過ごすのにもぴったり。同じ理由で、コルクもオススメの床材になります。またテラコッタなどの床材も爪を立てることができますから、猫の足腰に良いでしょう。

クッションフロアを選ぶ

クッションフロアなど、滑り止め加工がほどこされた床も猫に優しい素材です。価格が安く汚れが落ちやすいのも魅力といえるでしょう。DIYでリフォームをするなら猫のトイレの周りなど、猫エリアにタイルカーペットを敷いたりするのも良さそうです。

「壁」を猫仕様にする

床を歩くだけの猫はなんだか退屈そう。気がつくと家具の上に乗っていたりしますから、高いところを自由に歩き回るのが、猫の習性なのでしょう。キャットタワーを置くのも良いですが、せっかくの猫仕様のリフォーム。少し大掛かりなものを考えましょう。

キャットウォークを付ける

壁に造作棚状のものを、柱には階段状のものを。猫の通路、キャットウォークをしつらえましょう。大掛かりなリフォームだと、梁を露出させてキャットウォークを兼ねるというものも。高いところにいる猫は、何だか幸せそうなのです。

遊び場・居場所を造作する

登って遊んだり、外の様子をうかがったり。
上の写真は、壁一面を使って猫にはたまらない造作をしつらえた例。月や星、雲といったモチーフが何とも可愛いですね。よく見ると爪とぎ用のポールもセットされており、猫と人両者のストレスがたまらない工夫もされています。

既製品にも、お好みの壁面に猫の足場をDIYで設置できるものがあります。棚やトンネル状のパーツを壁に取り付けることで、キャットウォーク兼居場所にしてしまう、LIXIL「猫壁（にゃんぺき）」です。マグネット式になっており、自由にレイアウトを変えることができますから、飽きっぽい猫ちゃんのお宅にも好評だとか。なお、猫壁を使うには、壁面をマグネットが効くボードへリフォームする必要があります。

・参考：LIXIL「猫壁（にゃんぺき）」
・参考：LIXIL「アクセントボード（マグネット対応）」

腰壁を作る

リフォームしたばかりの壁で猫が爪を研ぐ…。何としても避けたい事態です。そこで、あらかじめ爪研ぎがしにくい材質で腰の高さくらいの腰壁を作り、爪が立たないようにしておきましょう。硬い木質の広葉樹や樹脂製の板を貼っておけば、爪研ぎのキズを気にするストレスから解放されるはずです。

猫仕様はアイデア次第！

三方を壁で囲んで猫が落ち着くスペースを作るとか、窓際に陽だまりスペースを作るとか。アイデア次第で色々できるのが、猫仕様のリフォームです。猫の気質はそれぞれですから、お家の猫ちゃんにピッタリのリフォームは、飼い主さん次第。オーダーで頼めてしまうのも、リフォームの魅力といえるでしょう。

そういえば、最近では猫専用の自動洗浄トイレ「ネコレット」というものも販売されています。猫専用のシャンプー台も兼ねており、お値段は36万3,000円だとか。ご予算に余裕がある方は、いかがでしょうか？

・参考：「猫の自動洗浄トイレ「ネコレット」、大和ハウスが発売　シャンプーに便利なシンク付き」

まとめ

キャットウォークや猫壁など猫主体のものもお話しましたが、猫に優しい床材は人間にとっても居心地が良いもの。とりわけ小さな子どもやお年寄りに向いているといえそうです。腰壁に守られた壁は、人のイライラを軽減するもの。機嫌良く過ごす毎日は、ストレスがなく快適でしょう。このように考えれば、猫仕様リフォームは決して猫だけのものではなさそう。人にも快適なのが、ペット共生住宅・猫仕様リフォームなのかもしれません。