和室の貴重な収納である押し入れ。サイズによっては大きな収納力を確保できますが、使いづらいと感じている人も多いのではないでしょうか。そんな時に検討したいのが、押し入れからクローゼットに変更するリフォームです。今回は、和室の押し入れをクローゼットにリフォームする場合の費用相場や注意点を詳しく解説していきます。
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押し入れをリフォームすると使いやすくなる?
そもそも、なぜ多くの人が押し入れを使いづらいと感じるのでしょうか。原因として考えられるのが、押し入れの奥行きの深さです。
クローゼットの奥行きは45cm、または60cmというのが一般的なのに対し、押し入れの奥行きは一部を除いて80〜85cmが標準。両者を比較すると押し入れの奥行きは深めに作られていることがわかります。押し入れはもともと布団をしまうための場所であり、布団が収まるサイズで考えられているため奥行きが深いのです。ライフスタイルの変化により収納に必要とされるサイズ感も変わってきているので、押し入れは使いづらいと感じるのかもしれません。
実際押し入れを収納として使おうとすると、奥行きをフルで使えずにスペースが無駄になってしまうことも。押し入れをクローゼットにリフォームすれば、現代のライフスタイルに合った使い方ができるようになるでしょう。
押し入れからクローゼットへのリフォーム費用相場
押し入れからクローゼットにリフォームすれば使い勝手が向上するというお話をしましたが、リフォームにどれくらいの費用がかかるのかは気になるところですよね。
標準的なふすま2枚分の押し入れをクローゼットにリフォームする場合の費用相場は20万円程度。費用の中には押し入れの解体・撤去費用、棚板やハンガーパイプの設置費用、壁や床の補強費用、扉本体の費用や設置費用、その他諸費用などが含まれます。特にコストがかかるのは扉の本体費用・設置費用で、20万円のうちの6〜10万円程度を占めます。
そのため、よりリーズナブルにリフォームしたいのであればふすまをそのまま残すというのが効果的。扉分の費用がかからずに済むため、10万円以下でのリフォームも可能です。費用相場はリフォームを施す押し入れの大きさによっても変動するので、ふすま2枚分よりも大きな押し入れをリフォームする際は相場も高くなる点に注意しておきましょう。
費用を抑えたいならDIYも検討しよう
ふすまをそのまま残せばリフォーム費用を抑えられますが、それでも数万円〜10万円程度はかかってしまう可能性が高いと考えられます。もっと費用を抑えたいならDIYでリフォームするのがおすすめ。扉を設置したり壁を補強したりといった大規模なリフォームは難しいですが、次に挙げるような簡易的なものであればDIYでも十分に対応可能です。
ふすまをカーテンに変更する
ふすまを扉に変更するのはまとまった費用が必要ですが、ふすまを外してカーテンにする程度であれば安価なDIYでも実現できます。壁や天井に手を加えられるのであれば、カーテンレールを設置すればOK。賃貸で壁や天井に穴を開けられない場合は、突っ張り棒を使って簡易的にカーテンを設置することもできます。
ハンガーラックやハンガーパイプを設置する
押し入れの中にハンガーをかけるスペースを設ければ、押し入れの収納力を生かしつつ、クローゼットと同じような使いやすさを実現できます。市販されている幅を調節できるタイプのハンガーラックを押し入れの幅に合わせて設置するだけで、押し入れの弱点である奥行きの深さをカバーする使い勝手のいい収納を作れます。
ハンガーラックだと足元が使いづらくなってしまうので、下の空間も有効に使いたいのであればハンガーパイプを押し入れに直接取り付けるのがいいでしょう。ただし、ハンガーパイプを取り付けるにはネジで天井に固定する必要があります。賃貸の場合には取り付けが難しいため、バネの力で固定できるディアウォールを使用するのがおすすめ。ディアウォールのハンガーパイプは天井に固定したパイプほど耐荷重がないため、重い物を掛けないよう使い方には注意しましょう。
押し入れをクローゼットにリフォームする際の注意点
押し入れをクローゼットにリフォームする際には、次の3点に注意が必要です。
1. 賃貸では本格的なリフォームは難しい
押し入れをクローゼットにリフォームするには、押し入れ内の壁や床の補強、ハンガーパイプの設置など賃貸では難しい工事を行わなければなりません。賃貸で押し入れをリフォームしたいのであれば、DIYの項で紹介した方法を参考にプチリフォームを検討するといいでしょう。
2. 床の補強が必要な場合がある
先ほど触れた通り、押し入れのリフォームでは床の補強が必要になる場合があります。他の部屋と異なり、押し入れの床はベニヤなどで簡易的に作られていることがあるためです。クローゼットに変更した結果、重さに耐えきれず床が抜けてしまうなどという事態も考えられるので、工事業者にあらかじめ床の状態を確認してもらうようにしましょう。
3. 断熱材や調湿材で湿度・温度管理を
通常押し入れは部屋の奥まった部分に設置されており、日当たりや風通しがあまり良くありません。築古物件だと押し入れ内にカビが生えていたり、湿度が原因で板や壁が腐っていたりというケースも見られます。リフォームの際には外壁との間に断熱材を入れる、調湿材や調湿性のある壁紙クロスなどを使って湿度調節ができるようにしておく、といった対策を施すのがおすすめです。
まとめ
現代のライフスタイルに当てはめると、奥行きが深くて使いづらい印象の押し入れ。そんな押し入れをクローゼットにリフォームすれば、豊富な収納力を生かした使い勝手の良い収納スペースを実現できます。今回紹介した費用相場や注意点を参考に、自宅の使いづらい押し入れのリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。
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