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施主支給はここに気をつけよう!施主支給でよくあるトラブルと注意点

施主自ら好きなアイテムを調達する施主支給は、こだわりリノベーションを実現したいという人におすすめの方法です。施主支給を取り入れると、自由度の高いリノベーションができる一方で、デメリットや施主支給を原因とするトラブルが発生する場合もあります。

そこで今回は、リノベーションで施主支給を行うにあたって、事前に押さえておきたい、3つのデメリットとよくあるトラブルを紹介していきます。

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施主支給とはどんなもの?

施主支給とは、施主自ら好きなアイテムを探して、発注〜荷受け〜配達までを行い、施工・取り付けは施工会社に依頼する方法のこと。

通常の住宅工事では、施工会社が指定するメーカーやアイテムの中から、施主が好みに合うものをチョイスするというのが一般的です。これでは選択肢が狭まってしまい、必ずしも、好みを十分に反映できるわけではありません。

施主支給は、アイテムを施主自ら好きに選べるため、細かな部分までこだわったリノベーションを実現できる方法として人気です。調達手段も自由なので、上手く探すことができれば、コストを削減できる可能性があるという点も魅力です。

参考:施主支給とは?メリット・デメリットや向いているものを徹底解説!
参考:施主支給でこだわりリノベーション!気になる進め方・やり方まとめ

施主支給の3つのデメリット

こだわりリノベーションを実現する方法として人気の施主支給ですが、当然ながらデメリットもあります。施主支給を検討する前に知っておきたい、代表的な3つのデメリットを見ていきましょう。

アイテム選定は自己責任

施主支給では、施主自ら好きなアイテムを選定するため、選定にあたって生じるトラブルは、基本的に施主の自己責任となります。

施主支給を検討している箇所について、事前に取り付けられるアイテムのサイズや、規格をチェックし、施工会社にも確認してもらいながら、慎重にアイテムを選ばなければなりません。アイテムが届いた後、施工会社に対する、製品仕様や取り付け方法などの説明も施主責任で行うのが基本です。

一般的な施工会社による製品調達であれば、何かトラブルがあっても施工会社の責任となりますが、施主支給の施主の責任範囲が広い点は、デメリットと言えるでしょう。

アイテム調達に手間がかかる

施主支給では、通常であれば施工会社が行う製品の発注や荷受けを施主側で行うことになるため、単純に施主が行う作業量が増えるというのもデメリット。アイテムを選ぶ時間は楽しめるかもしれませんが、実際に発注〜納期調整〜荷受け〜現場への配達といった一連の段取りを行うのは、それなりの労力を必要とします。

特に、納期の調整は工期に影響を与える可能性があり、しっかりとスケジューリングしなければなりません。こだわりリノベーションを実現したいけれど、こうした手間はできる限り減らしたいという人は、「施主指定」を検討するのもよいでしょう。

参考:施主支給と施主指定の違いとは?流れや注意点をまとめてみた

必ずしもコストが安くなるとは限らない

自己調達により、コストを削減できる可能性があることを施主支給の特徴として紹介しましたが、必ずしもコストが下がるわけではない点は要注意です。

そもそも、工事費全体に占めるアイテム購入費の割合は限定的であり、施工にかかる人件費がかなりのウェイトを占めます。施主支給によってアイテムの調達費用を削減できたとしても、全体としては、それほど大きなコストダウンにつながらないかもしれません。

また、施主支給では、施工会社にアイテムを取り付けてもらうのが基本ですから、それにかかる人件費はコストオンされることになります。契約金額に追加で費用請求された場合には、コストダウンにならない可能性もあるのです。

施主支給でよくあるトラブル

メリット・デメリット両面のある施主支給。通常のやり方と異なる分、「ならでは」のトラブルも起こり得ます。施主支給でよくあるトラブルを3つ紹介していきましょう。

届いた商品のサイズや規格が合わずに取り付けられない

アイテムの選定で事前確認に漏れがあると、せっかく届いた商品を取り付けられないケースがあります。繰り返しになりますが、アイテム選定の際には、取り付け箇所のサイズや規格をあらかじめ確認しておくことが大切です。

納期が間に合わず工事が遅れてしまう

施主支給においては、納期の調整が重要という話をしました。納期調整が上手くいかず、納期が大幅に遅れるような事態になると、アイテムの到着を待つために工事自体の遅れにつながる可能性もあります。

アイテムの取り付け後に上手く動作しない

引き渡しの際に、施主支給によるアイテムの動作確認をしたところ、上手く動作しないというのもありがちなトラブルです。完成後に不具合があったとしても、どこに動作不良の原因があるのかわかりません。アイテムが到着したらすぐに検品するとともに、トラブル時の対応について、あらかじめ取り決めておくことが大切です。

トラブルを防ぐために意識したいポイント

施主支給でありがちな3つのトラブルを紹介しましたが、こうしたトラブルを未然に防ぐために、次のようなポイントを意識するようにしましょう。

  • アイテムの手配に関する疑問や不安は、全て解消するつもりで、アイテムを入念にチェックする
  • 全体の工期、アイテムの納期といったスケジュールをしっかりと把握しておく
  • 施工会社と事前に詳細打ち合わせを行い、必要に応じて責任区分を契約等で定めておく

上の3つのポイントを通じて言えるのは、施主支給は自由度が高いゆえ、自己責任の範囲が広く、全て「自分ごと」として行動する必要があるということです。段取りや調整が苦手で、なるべく施工会社の責任で進めてほしいのであれば、通常の施工で進めたほうがいいでしょう。

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まとめ

施主自らアイテムを調達する施主支給は自由度の高いリノベーションを可能にする一方、施主の責任範囲が大きく、慎重に進めないとトラブルを招く可能性があります。施主支給するのであれば、自らもリノベーション工事を進める一員であるという意識を持ち、積極的に参加するスタンスで臨むことが大切です。