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リノベーション前に覚えておきたい中古マンションの選び方

理想の部屋を手に入れる方法のひとつとしてリノベーションがあります。中古マンションを購入してからリノベーションをすれば、費用を抑えながら快適な住まいを構築できるでしょう。一方で、リノベーションを前提に物件を検討している方の中には、中古マンションの選び方がわからないという方もいるのではないでしょうか。

中古マンションを選ぶときには建物や周囲の状況の確認も大切です。そこで本記事では、リノベーション前に覚えておきたい中古マンションの選び方をご紹介します。

中古マンションを選ぶ際に押さえておきたい5つのポイント

中古マンションを選ぶ際に押さえておきたい代表的なポイントは5つです。ここでは、ポイントごとに詳しく解説します。

リフォームをしていない物件を選ぶ

1つ目のポイントはリフォームをしていないマンションを選ぶことです。リフォーム前のマンションがおすすめな理由のひとつに、価格があげられます。リフォームをした中古マンションにはリフォームの費用が含まれているので、通常のマンションよりも価格が高く設定されている傾向にあります。

また、希望しているリノベーション内容によっては、リフォームされている部分を壊さなければならないことも。内装や間取りを変えるリノベーションを検討しているのならば、リフォームを施していないマンションを選ぶ方がよいでしょう。

構造壁を確認する

2つ目のポイントは構造壁の確認です。構造壁とは建物を支える役割を持った壁のことで、柱や梁の代わりとして使用されています。

構造壁は通常の壁とは異なり、撤去ができません。構造壁で支えられた中古マンションを購入すると、間取り変更の自由度が下がるので注意しましょう。一般的には6階建て以上のマンションには柱や梁が使われ、5階建て以下のマンションでは構造壁が使われる場合が多いようです。

水回りの配管位置を確認する

3つ目のポイントは水回りや配管の位置です。マンションの配管は床スラブと呼ばれるコンクリートの上を通って共有の配管につなげるのが一般的ですが、築年数の古いマンションの中には床スラブの下を通って共有の配管につなげる構造もあります。

床スラブの下に配管が設置されているマンションでは、水回りの移動が難しいと言われるので注意しましょう。キッチン、浴室、トイレなどの位置を変更したい方は、配管位置の確認をおすすめします。

耐震性能や周囲の環境を調べておく

4つ目のポイントは耐震性能です。日本の各地で大地震が発生しているのはご存知の通りです。この環境下でより安心を得るために、耐震性能の高いマンションを選びたいと思われる方も多いでしょう。

最近では地震の他に、豪雨による水害や土砂災害も心配です。自治体のハザードマップを使って、水害や土砂災害のリスクを予め確かめておくことをおすすめします。

マンションの管理規約を確認する

5つ目のポイントはマンションの管理規約です。マンションの中には、リフォームやリノベーションに関する細かいルールを定めているところもあります。リノベーションの工事は認められているものの、使用する建材の色や種類にも制限を設けているケースも見受けられます。トラブルを未然に防ぐためにも、マンションの管理規約は購入前に確かめておきましょう。

規約内容を確認する際には、共用部分や建物の修繕に関する管理状況を確かめておくことも重要です。建物にヒビが発生していたり、修繕計画が作成されていないマンションについては慎重な検討が必要と心得ておきましょう。

中古マンション探しで避けたい2つのポイント

中古マンションの中にはリノベーションに適さない建物もあります。ここでは、中古マンションを探す際に避けておきたい2つのポイントについて見ていきましょう。

資産価値の乏しい物件

1つ目のポイントは資産価値の乏しい物件を選ぶことです。築年数が同じマンションでも、立地や住み心地などで資産価値も異なります。

例えば、人気のあるエリアは継続的に人口の流入が期待できるため、資産価値は下がりにくいでしょう。一方で、人気のないエリアは将来的に地価が下がりやすく、売却を希望しても買い手が付きにくいことも考えられます。

他にも最寄り駅からの距離が遠いマンション、災害リスクの高いマンション、学校や病院などから遠いマンションなどは資産価値が下がりやすい傾向にあります。

旧耐震基準の中古マンション

2つ目のポイントは耐震基準です。耐震基準には旧耐震基準と新耐震基準があります。1981年5月31日までの建築確認で適用されていた旧耐震基準のマンションは避けた方がよいでしょう。

旧耐震基準は震度5強の揺れでも建物が倒壊しないという設定です。しかし、日本では大地震が発生しやすく、地震の規模によっては倒壊や半壊の恐れもあり得ます。より安全安心な住み心地を考えるならば、新耐震基準に適したマンションかどうかの確認は、大切なポイントのひとつです。

(参考:三菱UFJ不動産販売「旧耐震基準」)

まとめ

中古マンションは全国にありますが、購入後のリノベーションを検討している方は慎重なマンション選びを心掛けましょう。リノベーション自由度の高いマンションかどうかを見極めるには、構造壁や水回りの確認も重要です。さらに、マンション管理規約を前もって確認しておけば、工事における近隣住民や管理組合とのトラブルも未然に防げます。リノベーション前提の住み替えをお考えならば、今回紹介したポイントを念頭において、中古マンション探しをしましょう。