リノペディアとは
リフォームやリノベーションの実際のユーザーの声をもとに、現場からその工事にかかる費用・工期・注意点などのポイントをまとめた工事事典です。
監修:空間プロデューサー 岡野 潤
「引き渡しからが本当のお付き合い」。施工責任者・アフター責任者として、住んでからの小さな改良工事や疑問点・お困りごとの相談など全般を担う
今回のテーマ
既存の照明を外して新たに照明を設置したい
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もくじ
1. この工事で影響する場所は?
・天井
既存の照明を撤去するため、穴や跡を補修する必要があります。
新しい照明の取り付け位置に穴を開けて配線を通し、設置する工事が必要です。
・壁
スイッチがある壁への配線工事が必要です。
ブラケットライトを壁に設置する場合も、配線、設置工事が必要となります。
・配線
照明とスイッチまでの配線・電気工事が必要となります。
2. 費用相場
・費用相場は、約10万円です。
・費用には下記のものが含まれます。
既存照明の撤去
照明器具代
天井・壁の仕上げ材(壁紙・珪藻土など)
配線・電気工事
3. 工期の目安
2日間位
上記が基本の日数となり、必要となる追加工事の種類が増えるに従って、工事の日数も増えます。
4. 工事の流れ
1)照明の設置位置を決め・穴あけ
照明を設置したい場所を確認して配線を通すための穴あけを行います。埋め込み式のダウンライトの場合は、器具のサイズに合わせて穴を開けます。
2)電気・配線工事
照明を設置する位置まで、配線をやり替えます。スイッチへの電気工事も必要です。
3)補修工事
既存の照明が付いていた場所を補修して、内装の仕上げ材を張るために下地を整えます。
4)内装の仕上げ
天井や壁(壁紙や塗り壁)の内装を仕上げます。
5)照明器具の設置
照明器具を取り付けます。露出配線の場合は、線を固定します。
5. 照明を設置する工事のリノベーション・リフォームの事例
事例1:圧迫感が無い壁付けブラケットライト
無垢の腰板と丸い壁付けライトで温かな雰囲気に仕上がっています。梁には照明が設置し辛く、天井付けの場合は圧迫感が出てしまいますが、壁付けブラケットライトにしたことで、スッキリとしたLDKになっています。
事例2:ライティングレールで自由自在に空間を灯す
ライティングレールを設置しているので、キッチンには大きめのシーリングライト、リビングにはスポットライトなど、様々な照明器具が使え、家具の配置や用途に合わせて自由に動かせるようになっています。
事例3:インダストリアルテイストに映えるライティングコーデ
インダストリアルテイストなLDKに合わせて、様々な照明デザインを楽しんでいます。躯体現し仕上げの天井なので、ライティングレールだけではなく、配線を張り巡らした無造作感が、部屋にマッチしています。
6. 業者の選び方チェックポイント
1.工事品質
事前の現場確認の記録を残しているか
当たり前のことですが、寸法などの記録をしっかりとることです。
養生をしっかりしているかどうか
工事の際には特に、通路・エレベーターなどの共有部分に養生の仕方に差が出ます。丁寧さはこういう場所に出るというのは現場でも大切にしています。
現場を裸足で歩けるか
整理整頓ができている現場は釘などの危険な工具が落ちていません。部材の整理整頓はもちろん、ほうきと塵取りでこまめに掃除ができる環境であることも大切です。
リスクの説明があるか
中古リノベーションの場合は、現場の状況により希望していた工事が出来ないケースがあります。契約の前にリスクの説明があるか確認しましょう。
2.デザイン提案力
メーカー品以外の提案ができるか
有名メーカーのアイテムは、どの業者でも比較的見積を取りやすいですが、有名メーカー以外への知見もあるかが一つの基準になります。
ニーズにあった提案ができるか
ヒアリング時に「どのアイテムが良いか」だけでなく、「なぜその窓が良いか」や、「使い方」のヒアリングがあると、ニーズに沿った提案があることが期待できます。アイテムが決まっている場合は個人でインターネットで価格を確認しながら選択できるメリットがあります。デザイン提案を期待するのであれば、使い方を含めたデザイン案を出せる業者が良いでしょう。
7. 工事の際の注意点や意外な落とし穴
照明だけではなく配線の位置も確認する
天井を組んで仕上げる組天井の場合は、天井裏に空間があるので、配線を通すことが出来ますが、躯体表しで仕上げるような、空間が無い直天井の場合は、配線が表に見えてしまいます。壁に設置する場合も、空洞が無い場合は配線が表に出てしまいます。配線の通し方は、インテリアの雰囲気に影響します。組天井の場合も、ライティングレールを設置する場合はバランスが重要です。照明の位置だけではなく、配線の位置も確認しておきましょう。
照明器具のサイズや重さを確認する
部屋の中にいくつかの照明を設置する場合は、サイズを確認しておかなければ、圧迫感のある部屋になってしまうかもしれません。シェードの大きさや明るさを確認して配置のバランスを考えましょう。また、ペンダントライトの中には、重たいデザインのものもあります。組天井の場合は、器具の重さを確認して、天井が重さに耐えられるように、補強をしておく必要があるかもしれません。
8. オススメの照明アイテム
スチールと木を組み合わせた、無機質になりすぎない温かみのあるデザインです。内側のバーや各ライトが可動するので、好きな方向や角度に調整できます。色は、インダストリアルテイストに似合うヴィンテージシルバーと、北欧テイストに似合うホワイト、モダンテイストに似合うマットブラックの3色展開です。
壁付けタイプのレトロなブラケットライトです。ネックがウォールナットで、パーツは真鍮で出来ているので、高級感があります。部屋の間接照明や、壁に飾った絵やパネルを照らすスポットライトにおススメです。
リンゴのようなシルエットと、わずかな表面のでこぼこが特徴的なペンダントライトです。電球を覆う笠タイプではなく、光を通すガラスシェードなので、空間全体を明るく照らすことが出来ます。消灯している昼間も、ガラスが自然光が反射してキラキラ光るのでオブジェのようなアクセントになります。
9. まとめ
この「リノペディア」では、リフォームやリノベーション時のモヤモヤを一つずつ紐解くことで、後になって思いもよらない事態に陥ることがないよう、実用的な注意点をお届けしています。費用は現場の状況や時期により異なる点、工期や状況も現場の状況が優先されますので、ここに記載された情報を参考に、事前に業者にしっかりと確認をするようにしましょう。
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