キッチンは毎日の食事作りのための大切な空間ですが、収納不足や片づけにくさ、掃除のし辛さなど、キッチンにまつわる悩みは数多くあります。最新式のキッチンは便利で種類も多く魅力的なのですが、どこかほっとするようななつかしさを持つレトロな雰囲気の台所も、とても居心地がよくおしゃれな空間が実現します。最新式の機器に囲まれた空間とは違う優しい雰囲気が魅力です。
“優しい光を放つペンダントライト”
キッチンの照明を選ぶとき、部屋全体を照らす天井に取り付けるタイプのライトと、作業時の手元を照らす小さ目の照明の2種類があれば作業がしやすい空間になります。台所で調理だけをするのか、食事までするのかにもよりますが、機能的で効率の良い照明を選ぶのもいいのですが、あえて昭和レトロな雰囲気を演出するペンダントライトを使用するのも素敵です。 温かみのある優しい光がペンダントライトから放たれ、ともすれば冷たい雰囲気になりがちな照明とは異なる、ソフトで独特の雰囲気を演出できます。かつて家庭でもペンダントライトは良く使用された照明器具の一つだったのですが、現在は高性能な機能の付いた天井に取り付けるタイプのフラットな照明を使ったものが主流です。 機能的には確かに高性能なのですが。明りの持つ雰囲気を楽しむという点ではやや面白みに欠けるという意見もあります。あえてレトロな雰囲気を持つペンダントライトを使用することで、やわらかさと懐かしさを感じさせる個性的な空間が実現します。
“タイルキッチンはレトロの象徴”
キッチンの壁や流し周りなどは現在は掃除が簡単で工事も楽なパネルなどを使用するのが一般的です。かつて水回りやコンロ周りはタイルを使用する例が多かったのですが、現在はデザインも種類も豊富な専用のパネルを採用する家が多く、工期も短くて済むし日常的なお手入れが楽にできるのが特徴です。 でも、手間も時間もかかりますが、タイルを使用したキッチンは一昔前の日本の台所を思い起こさせるレトロな雰囲気を持ちます。目地に汚れがたまる、防水性能が完全ではない、割れてしまう事があるなど様々なデメリットも確かにあるのですが、あえてそうした面倒なメンテナンスをしてでも、流しや壁、カウンターなどをタイル貼りにすることで、レトロな印象の個性あふれる台所が完成します。 効率の良さだけでなく、毎日調理の為に立つのが楽しくなるような、自分だけのオリジナルのデザインを選べるところも大きな魅力です。日本製にはなかなか見かけないような、おしゃれな外国製のタイルを使用してこだわりのキッチンを作るのも素敵ですね。
“見せる収納でレトロを演出”
キッチンの不満の一つに収納が足りないという意見は少なくありません。食材や調味料、食器、調理器具など、キッチンには本当に多くのものを収納しなければならないので、収納はどこの家でも足りなくなって悩んでいるのかもしれません。最近のシステムキッチンは収納も充実していて、しまい易く片づけやすく、そしてしまったものを綺麗に目隠しして雑然とした印象にならないように工夫された収納が増えています。 そうした収納を活用すればキッチンがいつも片付いてすっきりした雰囲気にできますが、あえて見せる収納にするという方法もあります。懐かしくて温かみのある雰囲気の木製の棚などを活用し、収納を隠さずに並べるようにすれば、一昔前の家庭の台所のような雰囲気が楽しめます。鍋もフライパンも、食器類も、仕舞い込まずに見せてインテリアの一部にしてしまえば、レトロな昭和っぽい雰囲気の台所がよみがえります。 食事作りに収納に、そして食事そのものを楽しむ場所としてもキッチンは無くてはならない大切な空間です。効率と機能性を重視した最新式のキッチンももちろん素敵なのですが、あえてレトロな雰囲気を醸し出す、どこかのんびりした印象の空間にするのもとても趣があります。使い易く居心地がよく、個性的でちょっと懐かしい雰囲気の空間を楽しむ生活のゆとりもうまれます。"