この記事を書いたのは
はせがわ あかね|整理収納アドバイザー
作業療法士として働きながら、整理収納・子育て・インテリアなど暮らしに役立つアイデアを発信。
あなたらしく「暮らしやすい」空間づくりを提案します
こんにちは!片づけクリエイターのはせがわあかねです。
リノベーションで収納計画を立てる場合、「お気に入りの雑貨を飾れるニッチを造りたい!」「自転車を置くための土間スペースが欲しい!」など、壁や床に面する収納はすぐに思い浮かべることができますよね。ところが、天井に関しては多くの人が『収納』とは切り離して考えてしまいがち。それって、すごく勿体ないんです。
今回は、天井を上手に活用したリノベ物件の収納例と、収納のワンポイントをお伝えします!
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天井×収納でもっと暮らしやすい住まいへ
部屋を構成する三大要素、壁・床・天井。これらは部屋の面積を大きく占めているため、手を加えることで部屋の雰囲気や暮らしやすさに大きな影響を与える重要なパーツです。
中でも天井は吹き抜けや勾配をつけることによって開放的な空間を演出できます。それだけではなく、ほんの少し工夫することで実用的な収納を叶えることが可能です。
では、具体的にどのようなものがあるのか『天井』を上手に活用したリノベーション物件の収納例をみていきましょう!
1)天井高を活かした吊り戸棚収納
こちらは天井の高いリビングに吊り戸棚を設けた例。収納を上の方へと集約することでデスクやシェルフの設置スペースを確保しつつ収納量もUP。クロスと同じ色でまとめれば見た目もスッキリと感じられます。こどもの手の届かない場所なので、使用頻度は低いけれど保管しておきたい重要な書類などの収納にも。
2)ロフト兼大容量収納
リノベーションでは、壁を取り壊し複数の部屋から解放感のある一間へと施工するケースも多く見られます。しかし、そうすると出てくるのが“収納が足りない”という問題です。こちらの例は天井の高さを利用し、ロフトを設けることで広々空間と大容量収納、どちらも実現しています。ロフト下の空間は、あえて棚等は設置せずにざっくりと大きなモノ(シーズンオフの加湿器やスノーボード、羽毛の布団など)を収納するのに向いています。
3)空間をゆるく間仕切る天井高の本棚
床から天井の高さいっぱいに造られた大きな造作本棚。置き型の大型家具と違い、天井と一体になっていることで棚が倒れる心配がありません。空間をゆるく間仕切る壁のような役割を果たしつつ、上から下までたくさんの本を収納することができます。本を出し入れしにくい最上部には、万が一落下しても安全性に問題のない比較的軽いモノを飾ったり、蓋付きのボックスを使用して小物を収納するのも良いでしょう。
4)躯体現しのユニークな見せる収納
“躯体(くたい)”とは、建物の構造部分(天井スラブや梁など)のことを言います。この躯体をクロスやボードで覆わずむき出しにした状態が“躯体現し”です。こちらのケースは躯体現しに+αでおしゃれな収納を取り入れています。天井にはしごのような配線ラックを這わせることで、インダストリアルな雰囲気漂う『見せる収納』となっています。ハンギングポットにエアプランツなどを入れて『吊るす収納』にしても。
5)あえての『掘り下げ』天井
こちらは先程のケースとは反対に、梁を覆うようにウッドパネルを張り、天井の一部分が下がるようなデザインを採用しています。掘り下げ天井にすることで空間にメリハリがつくだけでなく、意外と生活感の出やすいエアコンを目立たず収納することに成功しています。
6)遊び心のある洗濯物干し
リビング天井の真ん中に大胆に設けられたおしゃれなパイプは、なんと室内用の物干しです。使っていない時はオブジェのように部屋のアクセントとなり、来客時にはゲストのコート掛けとしても使用できます。遊び心がありつつもしっかりと『収納』としての機能を果たしています。
まとめ
どれもこだわりを感じられる秀逸なアイデアでしたね。天井は、毎日自然と視界に入る場所です。毎日見る景色にこそこだわりを持って設計することで、その後の暮らしの質が変わります。
構造上、出来ること・出来ないことがありますが、それも含めて建物の個性。その個性をどう活かすかを考えるのもリノベーションの楽しみ方のひとつです。
どんな場所にも収納は作れます。頭を柔らかく、イメージを膨らませながら収納計画を立ててくださいね。
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