Column

低い天井か高い天井か。リノベーションで低い天井を高くできる?

住まいを検討する際に、天井高で悩むことも多いでしょう。天井の高さによって、視覚的な印象や住宅性能、建築コストなどが変わってきます。低い天井と高い天井は、どちらを選ぶと良いのでしょうか。それぞれのメリットとデメリットを比較します。低い天井が気になる場合は、リノベーションで解消する方法もご紹介します。詳しくみていきましょう。

天井が低いことのメリット・デメリット

こちらでは、天井を低くすることのメリット、デメリットを比較します。

低い天井のメリット

天井を低くすることによって生じるメリットを5つにまとめました。

冷暖房効率がアップする
天井が低いということは、空間が小さくなるということです。冷暖房をつけた際に、部屋が適温になるまでの時間が短縮できるでしょう。

天井裏の空間を活用できる
二重天井にする場合、配管やダクトを隠せます。さらに、天井裏に断熱材や防音材を足すことで、断熱性能や遮音性能も高められるでしょう。

建築コストを削減できる
天井を低くすると、壁の面積が減ります。壁に入れる断熱材や壁の仕上げに使う建材が減ることで、建築コストの削減につながります。建物全体の高さも低くなり、外壁にかけるコストも減らせるでしょう。

落ち着きのある空間がつくりやすい
狭い空間に入ると落ち着くという人も、多いのではないでしょうか。天井が低いと空間が狭くなります。寝室や和室などのほっとしたい空間では、あえて天井を低くするのも良いでしょう。

メンテナンスしやすい

天井が低いと、照明器具やエアコンに手が届きやすくなります。電球交換や照明の清掃、エアコンのフィルター清掃などのメンテナンスがしやすいでしょう。

低い天井のデメリット

低い天井にはメリットが多い反面、知っておきたい注意点もありますのでご紹介します。

圧迫感を感じることがある
狭い空間は落ち着くと感じる人もいれば、圧迫感を感じる人もいます。天井が低い部分と高い部分を使い分けると、窮屈さを感じにくくなるでしょう。部分的に、吹き抜け天井や勾配天井をつくるのも良いです。空間に変化が生まれて、おしゃれな雰囲気も演出できます。

照明器具に接触しやすい
例えば、ダイニングテーブル上に設置したペンダントライトが頭に当たりやすいなど、照明器具のタイプによっては人に接触しやすくなります。天井の高さと照明のバランスを考慮しましょう。

家具や水回り設備によっては使いにくい
背の高い家具は使いにくい場合があります。標準的な天井高の部屋で使うことを見越してつくられたキッチン設備なども、使いにくい、もしくは使えないケースがあるため、注意が必要です。

天井が高いことのメリット・デメリット

高い天井に憧れるという人も多いでしょう。こちらでは、天井を高くすることのメリットとデメリットをご紹介します。

高い天井のメリット

天井が高いことで、さまざまなメリットを得られます。詳しくみていきましょう。

開放感がアップする
視界に天井が入らなくなると、開放感を得られます。部屋が広々と感じられるでしょう。

壁の高い位置に窓を設置できる
高い位置に窓を設けられます。採光が良くなって部屋が明るくなるでしょう。また、上に流れていく性質のある暖かい空気を逃がしやすいといった面もあります。

自分好みにアレンジできる
高い天井を生かして、シャンデリアやシーリングファンなどを設置し、ゴージャスな雰囲気を演出することも可能です。天井高を上げる手段の1つに、スケルトン天井にする方法があります。梁を出したりコンクリート部分をむき出しにしたりすることで、大胆に部屋の雰囲気を変えられるでしょう。

収納力が上がる
高さのある家具を置いたり、壁一面を壁面収納にしたりと、天井高があることで収納スペースを確保できます。手が届きにくい上部はあまり使わないものを、出し入れしやすい部分には頻繁に使うものを収納しておくと使いやすいでしょう。

高い天井のデメリット

知っておきたいデメリットもあります。詳しくみていきましょう。

冷暖房効率が悪い
天井が高いと空間が大きくなるため、冷暖房のスイッチを入れてから快適な室温になるまでに、時間を要します。住まいの断熱性や気密性を高めることで、冷暖房効率は上がるでしょう。

建築コストがかかる
室内壁や外壁の面積が広くなると、その分建材が必要になります。2階建て以上の住居の場合は、階段の段数も増えるため、必要な建材が増えてコストの増加につながるでしょう。

落ち着かないと感じることも
広い空間は開放感がありますが、なんとなく落ち着かないと感じることもあります。家族で過ごすリビングは天井を高く、ゆっくりと休む寝室は天井を低くするなど、メリハリをつけるのもおすすめです。

メンテナンスが困難なことも
天井が高いと電球交換や照明の清掃がしにくいといった、デメリットがあります。高いところでの作業は危険を伴うため、注意が必要です。寿命が長いLED電球にする、壁掛けタイプの照明にするなどの対策をすると、メンテナンスの負担を減らせるでしょう。

リノベーションで低い天井を高くできる?

マンションも戸建ても、天井を高くするリノベーションができます。

マンションで二重天井の場合、基本的には天井を高くできます。二重天井は、天井スラブとボードの間に空間を設けており、この空間に断熱材や防音材、配管などが隠されています。この空間を狭くする、もしくは無くすことで高くすることができます。ただし、マンションの管理規約で制限されているなどの場合は、工事ができないため、事前に確認しておきましょう。

戸建ての場合は、1階の天井を取り払って吹き抜けにしたり、勾配天井にしたりすることも可能です。吹き抜けは、音が響きやすいなどの面もありますが、開放感が抜群な上、家族がお互いの気配を感じられるなどのメリットがあります。勾配天井は、斜めになった天井で、部屋に立体感が生まれます。

まとめ

天井を低くするか、高くするかはそれぞれのメリットとデメリットを考慮して決めましょう。リビングは高い天井に、寝室は低い天井にするなど、住まいの中でメリハリをつけるのもおすすめです。低い天井の部屋から高い天井の部屋に移動したときに、より一層開放感を得られるでしょう。低い天井が気になる場合はリノベーションで高くすることも可能です。

writing:ハナミ