分譲マンションに入居するときに、その建物は安心して暮らせる造りになっていることは当然のこととして考えられていることでしょう。それでも、念のため、本当に安心できるのかどうかを知りたいなら、検査済証を確認しましょう。
今回は、分譲マンション選びにおいて、検査済証があると何が分かるのか、お話していきます。
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分譲マンションにも検査済証はある
検査済証は建物が違法建築ではないことを証明する
住宅を含めてすべての建築物には、人々が安心・安全・快適に利用できるように、建築基準法やその関連する法規に則って守らなければならないルールが定められています。そのルールに従って建てられたことを証明するのが検査済証です。
建物の新築や増改築の工事が完了すると、専門家によって検査(完了検査)が行われます。これに合格すると検査済証が交付されるのです。検査済証が交付されて初めて、その建物を使用することができるとされています。
建築基準法では、すべての建築物で完了検査を受けて検査済証を取得することが定められてきたのですが、例外もあります。戸建て住宅では、ある程度築古の建物になると検査済証が交付されていない場合も少なくないことが知られています。
工事を始める前の建築確認さえ審査に通れば、工事は着工できるので、完成後の完了検査があまり重要視されていない時期があったようです。法律を守らない建物によって、暮らしの安全性や地域の環境が脅かされる懸念が強まったこともあり、検査済証が交付されていない建物が不利になるような制度に改定された経緯があるとのことです。現在では戸建て住宅を含め建築される建物のほとんどが検査済証を取得しているとされています。
分譲マンションの検査済証
マンションなどの大型の建物では、築年が古いものでも検査済証が交付されていると言われています。よほどの例外でなければ、マンションには検査済証があるはずです。
一方で、小さい規模のアパートなどでは、築年が古いと検査済証がないこともあるそうです。そのような場合、物件の説明の中で検査済証がないことについて触れられていることが一般的とのことです。
なお、マンションの検査済証は、建物全体に対して交付されるものです。分譲マンションでは、建物の一部を専有する区分所有になりますが、部屋ごとに検査済証があるわけではありません。
参考記事:検査済証がないことによる問題点とは?マンションの場合も解説
分譲マンションの購入前に検査済証を確認しよう
中古の分譲マンションを購入してリノベーションする、という住まい取得の手段に人気が集まる傾向にあることはご存知の通りです。物件を選ぶときには、立地や間取りなど検討すべきポイントがたくさんありますが、これぞと思った物件では、検査済証があるかどうか、忘れずに確認しておきたいものです。
分譲マンションで検査済証を確認する意味は、第一に、そのマンションが建築基準法に合わせて建てられている、つまり、違法建築ではないという確認ができることでしょう。このことは、保険への加入、マンションの売却など、様々な契約の中で基本事項として証明が必要になるポイントの一つです。
また、検査済証があると、そのマンションが新耐震基準で建てられているのかどうかも分かります。新耐震基準であることは、住宅ローンの借り入れや、減税制度を利用するうえで必要になることがある情報です。確認済証(建築確認が通ったことの証明書)の発行日が1981年6月1日以降で、なおかつ検査済証が発行されていれば、その建物は新耐震基準で建築されたと言えると覚えておきましょう。
分譲マンションの検査済証を確認する方法
分譲マンションの検査済証は建物に対して交付されているので、共同住宅である分譲マンションでは管理組合や管理会社で保管されていることが多いようです。検査済証を確認できるか問い合わせてみましょう。管理主体によって、貸出制だったり、閲覧のみだったり、手数料を払えば写しをもらえることもあります。
もし、マンションの検査済証を確認することが難しい場合には、検査済証が交付されたという記録を確認しましょう。確認の方法は大きく2つ、どちらも管轄の自治体で申請すれば書類が発行されます。
書類の一つは「台帳記載事項証明書」です。建築物の検査済証が交付されていれば、自治体で管理されている建築確認台帳にその情報が記載されているはずです。「台帳記載事項証明書」が取得できれば、調べたい建物に検査済証があるのかどうか、いつ交付されたのか、といった情報が確認できます。
二つ目に「建築計画概要書」も、検査済証の代わりになることがあります。「建築計画概要書」は、建築工事を始める前の建築確認で提出される書類ですが、検査済証が交付されていれば、検査済証の発行日や番号が記入されていますので、確認ができます。
まとめ
分譲マンションの購入を検討しているなら、希望物件の検査済証を確認しましょう。検査済証があれば、そのマンションは法律を守って建てられたと言えます。新耐震基準かどうかも分かります。
マンションの確認済証は、管理組合や管理会社で保管している場合も多いですが、もし閲覧ができないことがあれば、管轄の自治体で代わりとなる証明書を申請しましょう。
参考記事:マンションリノベーションの場合、検査済証や確認申請は必要?」
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