天井からバリエーション豊かな照らし方ができるダクトレール。便利でデザイン性の高いアイテムですが、レール部分の出っ張りが気になる方もいらっしゃることでしょう。そんな時は、ダクトレールを埋め込んでしまう方法もあります。
ダクトレールの埋め込みには様々なメリットがあります。天井の数センチの違いが、お部屋の印象を変えることさえあるでしょう。反面、設置や取り扱い上の「やっかいさ」を感じてしまう場合も。
それでも一定の需要があるダクトレールの埋め込み。一体どのような魅力があるのでしょうか?メリットやデメリットからご紹介します。
ダクトレールを埋め込むメリット
埋め込み型のダクトレールのメリットとして、まず挙げられるのはそのデザイン性。天井をフラットにできるということは、お部屋の印象に少なからず影響を与えます。
一般に、ダクトレールの厚みは2cm程度と言われています。お部屋に後付け可能な簡易型のダクトレールでは、天井照明との接続部分を合わせると8cm近くの出っ張りができることも。8cmの出っ張りをイメージするには、握りこぶし1つ分程度の厚みが天井にプラスされると考えると良いでしょう。
このレールの存在感によって、天井に違和感が生じたり圧迫感を感じたりしてしまうこともあるかもしれません。
特に、もともと天井が低い場合にはわかりやすいでしょう。ダクトレールの埋め込みは、「部屋をスッキリ広く見せたい!」という場合に効果的な方法と言えます。
埋め込み型ダクトレールの活用法
埋め込み型のダクトレールを設置した場合、アイデア次第で様々な使い方も可能です。ここでは、3つの主な活用法についてご紹介します。
【照明として使う】
ダクトレールでは、ノーマルな天井照明では難しい使い方が可能です。
・スポットライトやペンダントライトを一緒に使える
・照らす位置をレール上で調整できる
・お部屋の明るさを照明の数で調整できる
レールへの取り付けや取り外しは基本的にワンタッチ。そしてプラグをスライドさせて位置を変えることも可能です。手軽に照明の数や位置を変更できることで、お部屋の模様替えにも対応しやすいでしょう。
ただし、照明の数には限度があります。合計のワット数に上限があるだけでなく、レールが耐えられる重さの限界を超えるとレールの破損や落下の危険も伴います。
この点において、埋め込みタイプは簡易取り付けタイプよりたくさんの照明を取り付けられるメリットもあると覚えておきましょう。
【コンセントとして使う】
ダクトレールに照明ではなく、コンセントを取り付けるアイテムもあります。スマホの充電や家電への電源供給が、ダクトレール経由でも可能となるものです。
ダクトレールには電気が流れているため、コンセント付きプラグをセットすることでそのまま電源として利用することが可能です。壁のコンセントから遠い場所でも、天井から伸びているコンセントにサッとつないで充電。こんな柔軟な使い方ができるのもメリットでしょう。
【インテリアとしての活用】
ダクトレール用の照明には凝ったデザインのものも多数ありますが、照明以外にも様々なインテリアを吊るす活用術があります。ドライフラワーやハンギングプランターなどを吊るして、お部屋に彩りを加えるのも◎。
レールに取り付ける、吊り下げ用のフックも販売されています。
ダクトレールを埋め込むデメリット
埋め込み型ダクトレールのメリットや活用法をご紹介しました。デザインから性能まで、様々な魅力があることをお分かりいただけたと思います。
次に、埋め込み型ダクトレールのデメリットについてお伝えします。埋め込み型は、必ずしも良い面だけではありません。
【工賃が高くなりやすい】
ダクトレールを埋め込む工賃は、埋め込まないタイプのものよりも高くなりがちです。天井板に埋め込むためのスペースが必要となるのが、工賃がかさむ理由の1つです。
一般的な天井板の厚みは、0.9cm~1.5cmと言われています。そのため、厚さ約2cmのダクトレールを完全に埋め込むためには、天井板が2枚必要となることもあります。
【移動させられない】
ダクトレールを埋め込んだ場合、もし場所を変えたくなっても基本的には移動させられません。レール上での照明の移動はできますが、レール自体を移動させるには再び工事が必要となるでしょう。
自分でも後付け可能な簡易取り付けタイプには、レールを回転、スライドさせて位置を変えることができるものもあります。しかし埋め込んだ場合には自分で位置を変えることは困難です。
【賃貸では難しい】
天井の工事が必要となる分、基本的に賃貸でダクトレールを埋め込むことは難しいでしょう。賃貸の場合、シーリングという天井の照明用配線器具に取り付ける、簡易取り付けタイプが推奨されています。
特にネジが不要のものであれば原状回復のリスクは低くなるでしょう。
ダクトレールをDIYで埋め込むことは可能?
埋め込み型のダクトレールの場合、天井裏の配線を扱うため電気工事士の資格が必要です。無資格では配線工事は行えません。
また、工程も大がかりです。前述しましたが、レールの厚みよりも天井板が薄い事が一般的であるため、基本的に天井板を重ねる必要があります。強度も考慮して、建築構造材にしっかりネジ止めする必要も。
安全な取り付け、かつキレイな仕上がりのためにはかなりの技術と知識が必要であるため、DIYは推奨されない傾向にあります。
まとめ
埋め込み型ダクトレールは、天井がフラットになるというデザイン上の強みや、多機能なダクトレールを強固に取り付けられるなどの魅力がたくさんあります。まさに「理想のおしゃれ部屋」の実現に役立つアイテムと言えるでしょう。
ただし取り付け方が複雑でDIYは難しく、工賃も高くなりがち。気軽に導入できるものとは言いづらいところがあります。工事を決めてしまう前に、じっくり考える時間があっても良いかもしれません。