リノベーションを検討していると、リフォームとの違いが気になることはありませんか?
何となく「リフォームは昔から言われていて、リノベーションは後から出てきた言葉」とか、「リノベーションの方がお洒落な感じ」とか、曖昧に捉えている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、それぞれの言葉の意味を踏まえた上で、日本における両者の違いについて徹底解説していきます。
英語の定義は?
リノベーションとリフォームの具体的な違いを見ていく前に、まずは元となる英語の意味について見ていくことにしましょう。一般的な英和辞典から抜粋すると、以下のように定義されています。
renovation:修復、刷新
reform:改正する、改革する、改善する、改心させる、是正する、改める、改心する
出典:Weblio英和辞典
英語の意味で比べてみると、renovationは古いものを新しくするという意味が強く、reformはどちらかというと、より良いものに改めるという意味が込められた言葉と言えるでしょう。
もともとreformは、家の改修という意味ではありません。辞書の和訳にもある通り、改心するなど心を入れ替えたり改めたりという場合に使われる言葉とされています。
英語圏では、renovationこそが家の改修の意味で用いられるのです。
つまり、リフォームという言葉を家の改修という意味で使うのは日本オリジナルであり、一種の和製英語とも言えるでしょう
日本におけるリノベーションとは?
対して、リフォームという言葉はどのような意味で用いられるのでしょうか。同じように辞書での定義を見ていくことにしましょう。
1)改正。改革。改良。改善。
2)作り直すこと。洋服の仕立て直し。また、建物の改築。
出典:大辞林第三版
日本においてリフォームと言う場合、建物を改築すること全般を指す場合が多いです。2)の意味を見ると分かる通り、洋服の仕立て直しのように、建物を元の状態に修復するというニュアンスが強いと言えるでしょう。
新しい価値を与えるリノベーションと修復のリフォーム
リノベーションとリフォームという言葉について、英語および日本語の定義を見てきましたが、一つお話ししておかなければならないことがあります。
それは、この二つの言葉における明確な違いは定義されていないということです。業者や使われる場面によって、両者が明確に定義されている場合もあれば、一緒くたに使用されている場合もあります。
これからご紹介する違いは、法律などのルールで定められているものではなく、あくまでも解釈の違いとしてご理解いただければ幸いです。
一般的に「リフォーム」と言った場合、古くなった設備や建物を修復するという意味で使われることが多く、「機能的に不十分になっているものを修復して、満足な機能水準まで戻す」という意味合いが強くなります。
経年変化で色あせた外壁を塗り直す、古くなったキッチンを最新設備に交換する、といった例です。
一方で「リノベーション」は、プラスαを生み出す改修を指すことが多く、「既存のものを改修して、新たな使い方や価値を創造する」という意味合いが強くなります。
ファミリー向け物件の間取りを変更しリタイア後の夫婦向け物件に改修する、室内に作業スペースを設けて住宅兼事務所に作り変える、などといった例です。
このような違いがあることから、一般的にリノベーションの方がリフォームに比べて、大規模な改修になります。期間やコストもより多くかかると認識しておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。あらためて、二つの言葉の意味を簡単にまとめると以下の通りです。
リノベーション
既存の建物を改修して、新たな使い方や機能を付け加えることで、プラスαの価値を創出すること。
リフォーム
老朽化などで機能的に不十分になった部分を改修することで、本来の機能水準を取り戻すこと。
住宅を改修する時には、まずは何が目的なのかハッキリさせる必要があります。古くなったものを更新したいのであればリフォーム、ライフスタイルに合わせて家の機能自体を変えていきたいのであればリノベーションといった具合に、目的に応じて検討してみてはいかがでしょうか。