日本の住宅において、床がフローリングという家庭は多いです。新築やリフォームの際にどのようなフローリング材にするか、手入れ方法やその機能の違いなどで悩むこともあるでしょう。さらに、フローリングは張り方の種類も豊富です。
同じフローリング材を使っても、張り方次第で見え方や印象は変わります。こちらでは、フローリングの張り方にはどのようなものがあるのか、さらにその施工方法の違いについてもご紹介します。
フローリングの張り方とそれぞれの特徴
フローリングの張り方のバリエーションは豊富です。張り方の種類についてみていきましょう。
乱尺張り
一般的な張り方の1つです。長さがバラバラのフローリング材を使うため、そろった木材を集める必要がなく、比較的安く仕上げられます。それぞれの木材の切れ目がそろっておらず、1枚1枚の木目の個性が引き立ちます。木目の表情がより活かせるでしょう。
りゃんこ張り
同じ長さのフローリング材を一定にずらした位置で張っていきます。シンプルで整然とした印象を与え、床がすっきりとした雰囲気になります。床の存在感が強すぎず、他のインテリアを引き立てるでしょう。こちらも、一般的な張り方の1つです。
ヘリンボーン張り
見た目がおしゃれだと人気が高まっている張り方です。長方形のフローリング材2枚をくの字に合わせて並べていきます。そうすると、山型と谷型が組み合わさったような見た目になります。高級感があり、上品な印象を与えるでしょう。複雑な絵柄に見え、デザイン性が高いです。
ただ、視覚的に部屋が狭く見えることもあります。施工に時間がかかり、さらに壁に対して斜めに張るため捨てる木材も多く、施工費は比較的高めです。
斜め張り
壁に対して斜めにそろえて張る方法です。壁に対して斜めということは、その分捨てる木材も増えることになり、材料費が上がることもあります。
フローリング材自体はそろえて張りますが、向きが斜めになるだけで動きのある空間に見えるでしょう。デザイン性が高いため、少し変わった印象にしたい場合にもおすすめです。
市松張り
同じ長さのフローリング材を同じ方向にまとめて張り、それを縦横の向きに組み合わせて張っていく方法です。施工に比較的手間がかかります。
すだれ張り
同じ長さのフローリング材をそろえて張ります。シンプルで、整然とした印象を与えるでしょう。床だけでなく、天井によく見られる張り方です。
朝鮮張り
韓国張りともいわれ、朝鮮半島の古い民家や寺院でよく見られる張り方です。短いフローリング材を縦向きにそろえて張っていき、長いフローリング材を横向きに組み合わせて張ります。長さがそろっているため整然とした印象を与えるでしょう。
フローリングの施工方法
フローリング材を張る際、接着剤や釘を使用する方法や、それらを使用しない方法があります。施工方法は主に3つありますが、それぞれどのようにして施工するのかみていきましょう。
直張り工法
鉄骨造や鉄筋コンクリート造の住宅の場合に採用される代表的な方法です。フローリングの裏面にゴムやフェルトなどの緩衝材が付けられており、専用の接着剤を使ってコンクリートの床に直接張ります。下地がないため床の厚みを抑えられ、天井は比較的高く感じられるでしょう。下地がない分、施工も早く、トータルの施工費は抑えられる傾向にあります。
特にマンションなどで気になるのは下の階への足音や物音ですが、緩衝材のおかげでそのような音を防いでくれます。また、コンクリートの床は冷たく硬いですが、それらをやわらげる効果も期待できます。
ただ、直張りしたフローリング材をはがすのは大変な作業です。直張り工法で施工したフローリングの床をリフォームする際などは、施工費が高額になることもあるでしょう。
捨て張り工法
木造住宅、戸建て住宅で多く採用される施工方法です。捨て張り合板の上に、フローリング材を張ります。その際、接着剤と併用して釘も使うため、接着剤の使用量が抑えられます。強度が高く、耐久性も上がります。また、床鳴りが軽減するというメリットもあります。
置き敷き工法
接着剤や釘を使用しない施工方法です。置き敷き工法専用のフローリング材を使用します。施工が早く、撤去もしやすいというメリットがあります。
まとめ
フローリングの張り方には多くのバリエーションがあります。同じフローリング材を使っても、張り方を変えるだけで部屋の印象は大きく変わります。
どのようなインテリアにしたいかを考え、施工費なども考慮して決めましょう。床にどのようなフローリング材を使うかを決める際に、あわせて張り方についても検討してみてください。