ウォーターハンマーと聞いて「ピン！」とくる方はどれくらいいらっしゃるでしょうか？
ではキッチンやトイレ、バスルームでの「ドン！」「コン！」といった異音はどうでしょう。水栓を閉めた後に聞こえるなら、それがウォーターハンマー。水撃作用と訳されています。「するけれど、気にならないからいいや」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、そのままにしておくのは一軒家はもちろん、マンションなどの集合住宅では特に良くないと言われます。
これらのウォーターハンマーの原因は何でしょうか。どうすれば音を抑えることができるのでしょうか。
ウォーターハンマーの原因は？
水道水には一定の圧力（水圧）がかけられており、配管の中をスムーズに流れるようになっています。流れっぱなしならば何も問題はないのですが、困ってしまうのが急に水栓を閉めたとき。圧力の逃げ場がなくなってしまい配管の中で大きな圧力が発生し、衝撃波となってしまうのです。
これで起きるがウォーターハンマー。発生する音が耳障りなだけでなく、衝撃は配管やつながれている給湯器、水道メーターなどにもダメージを与えかねません。最悪のケースでは漏水にもつながってしまうとも言われます。
起こりがちな水道機器
昔ながらの手でひねるタイプの水栓なら水流は急に止まりませんし、水圧が急に高まることもなかったのです。ウォーターハンマーが問題になり始めたのは、水の流れを急に止めるような機器が普及するようになってからのようです。
レバー式やタッチ式の水栓、全自動洗濯機、食器洗浄機はウォーターハンマーが起こりやすい機器です。またタンク式の水洗トイレも、水がたまったら急に栓を閉じる仕組みになっていますので注意が必要でしょう。
起こりがちな住居
ウォーターハンマーの原因は急に水の勢いを止めることですから、水圧が高い環境でより発生しやすくなります。高層マンションや高台の住宅地では、通常より高い水圧になっていますからウォーターハンマーも発生しやすいでしょう。
また今まで何もなかったのに、急にウォーターハンマーが発生したというケースで多いのは新興住宅地。居住世帯が増えるにしたがって、水圧を高めたことが原因かもしれません。
ウォーターハンマーの直し方
「音は発生しているけれど、気にならないからいいや」と放置しがちなウォーターハンマーですが、ご近所の大きな迷惑となっているケースも多々あります。特に気を付けなくてはいけないのがマンションなどの集合住宅。水を使ったご当人なら音が発生することは予測できますから、それほど驚くことではありません。
しかし、たまらないのがご近所です。予測しないときにドン！とかゴン！という音が響き、就寝中なら余計でしょう。
また一軒家でも安心していてはいけません。ウォーターハンマーが隣の家まで響いている可能性もありますし、水道機器に良くない影響を与えて知らない間に漏水することも。とんでもない額の水道料金を請求されてしまうかもしれないのです。
水道の元栓をしぼる
最もカンタンなウォーターハンマーの防止方法は「水道の元栓をしぼる」ことです。原因は高い水圧にありますから低くしてやれば良いのです。元栓は水道メーターのそば、マンションならメーターボックス（MB）やパイプスペース（PS）にありますから、少し絞って音が発生するかどうかを確かめることを繰り返してください。
水撃防止器を取り付ける
元栓の調整でも改善しない場合は、水圧による衝撃を受け止めてくれる装置「水撃防止器」を取り付けましょう。ウォーターハンマーの原因となっている水栓のそばに取り付けるのですが、タイプも複数あってなかなか厄介。自信がない場合は専門の業者さんにお任せしたほうが良いかもしれません。
全自動洗濯機が原因の場合
ウォーターハンマーの原因が全自動洗濯機の場合は給水元の蛇口をチェックです。全開になっているならば、まずはこちらを締めて水圧を低くしてやりましょう。
あわせて意外と知られていないのですが、全自動洗濯機につながっている水道の蛇口は、本来ならば使用時に開けて使用後に締めてやるものです。開けっ放しでは高い水圧がホースにかかり続けることになりますから、何かの拍子に外れてしまい周囲が水浸しになりかねません。マンションの上層階にお住まいならば、下の階にお住まいの方まで大惨事になってしまうでしょう。
上の項目で取り付けが難しいと書いた水撃防止器なのですが、全自動洗濯機で使うのは蛇口に取り付けるタイプで、これならば十分DIYで対処が可能です。蛇口に付いている水栓の開け閉めでどうしようもなければ、一度挑戦してみてください。
まとめ
ドン！とかコン！という音がするウォーターハンマーですが、いったん意識し出すと起こっていることに気が付いたりするものです。特に起こりがちなのが全自動洗濯機。こちらはカンタンに対処できますから、すぐに取り掛かることをおすすめします。
また、ご自身のお家ではあまり気にならなくても、ご近所には大きな音が響いているということはよくあります。小さな音だからと安心せずに、対策をすべきなのがウォーターハンマーと心得ましょう。
