「リノベーションをして自分好みの空間に仕上げたい!」と張り切る前に、ぜひ決めておきたいのが「テイスト」です。テイストが決まっていれば、統一感がない空間になるのを防ぐことができますし、アイテム選びで迷うこともないでしょう。
テイストにはモダン、和、北欧、アーリーアメリカンなど色々ありますが、今回ご紹介したいのが「アジアンテイスト」。「リラックスできて、高級感があって、ナチュラルで」こんな空間を理想とする方にピッタリです。
アジアといっても広いのですが?
世界をいくつかの地域に分けた場合「アジア圏」とはヨーロッパを除くユーラシア大陸全般を指します。日本はもちろん中国、インド、遠くはアラビアまでアジア圏に含まれるのです。しかしインテリアの世界でアジアンテイストと呼ぶ場合は、特に東南アジアのエッセンスを取り入れたものを指します。
アジアンテイストに欠かせないもの
日本に木造建築が多いのは、国土が山がちで樹木が豊富だからといった具合に、建築やインテリアは地域ごとの気候や植生、文化などと深い関係を持っています。それでは東南アジア(ひとまとめにしてしまうのは少々乱暴ではありますが)の風土が生み出したアジアンテイストならではの特徴を見ていきましょう。
床と天井が高い住居
東南アジアの伝統的な住居の多くが高い床と天井を備えています。高床は風通しを良くするため、高い天井は熱気を上部に逃がすため。いずれも年中高温な東南アジアで涼しく過ごすための工夫になっています。梁など屋根の構造が丸見えになった高さのある天井には、空間を広く感じさせる効果もありますね。ゆっくりとシーリングファンが回っているならムードは最高でしょう。
板の間で靴を脱ぐ暮らし
住居の上部には熱い空気が溜まりますから姿勢を低くしたほうが快適ですし、東南アジアの気候は靴を脱いだほうが過ごしやすいものです。これらのことは床に直接座って裸足で過ごすライフスタイルを生みました。床を造るのはチークやマホガニーなど、東南アジアに豊富な広葉樹です。
ウッドやバンブー、ラタンの家具
東南アジアに豊富にあるのは広葉樹だけではありません。バンブーやラタンにも恵まれており、これらを用いた家具をよく見かけます。アジアンテイストのイスや机に共通するのは、背が低いこと。床に直に座るスタイルが元になっていますから、ローチェアやローテーブルがピッタリ来るのです。
民族色豊かな額や小物
タイは熱心な仏教国ですしインドネシアは世界最大のイスラム教の国、ベトナムは大戦中にフランスの影響下にありました。このように東南アジアは国ごと・地域ごとに様々な文化が入り混じっています。地域の伝統工芸など文化的なエッセンスを加えることで「○○風」アジアンテイストになり深みを加えることができるでしょう。
アジアンテイストに忘れてはいけないもの
ウッドを多用したインテリアに囲まれて、靴を脱ぎ低いスタイルで生活するという東南アジアのスタイルは日本の生活様式と似ています。そこで感じるのはリラックスしたムード。アジアンテイストが日本で人気なのがうなずけるのではないでしょうか。
これに加えたいのがリゾート感。ホテルのコテージをイメージしてインテリアをまとめると、アジアンテイストの完成です。
観葉植物
ウッドやラタンの家具とも好相性。目にも優しくリラックスムードを与えてくれるのが観葉植物です。モンステラやバキラ、オーガスタなど大ぶりのものも良いですが、テーブルヤシなど小ぶりなものもアクセントとしては充分な効果を発揮してくれるでしょう。
間接照明
リラックス感のある照明といえば間接照明。色はもちろん白熱灯色です。またペンダントライトやスタンドライトもラタンで作られたランプシェードを選ぶことで、リゾート感がアップするでしょう。
天然素材
アジアンテイストで好まれるのは自然素材、麻やコットンのファブリックを選びましょう。ここで気をつけたいのが色目の選び方。エスニック系の柄物を選ぶと空間がにぎやかになりすぎますから、使うなら飽くまでもアクセントとして。白や生成りなどをメインに選びましょう。
アクセントカラー
濃い茶色の家具類と白系のファブリックだけでは、どうしても殺風景になりがちです。ここで選びたいのがビビッドな指し色。エスニック系のラグやタペストリーなどをアクセントカラーで使いましょう。
まとめ
以上がアジアンテイストで空間をまとめるポイントです。リラックス感はもちろん重要なのですが、特に大切にしたいのが、リゾートホテルのコテージをイメージするようなラグジュアリー感。これを忘れてしまうと空間のムードが、一気にチープになってしまうのがアジアンテイストの危険なところでしょう。
それだけにフローリングや家具、観葉植物などは全て本物を使いたいものです。手入れが面倒というデメリットはありますが、本物にしかない高い満足感がそれを上回るメリットとなるはずです。