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湿気に強い壁紙とは?壁紙の種類を知ってジメジメを乗り切ろう

湿気に強い壁紙とは?壁紙の種類を知ってジメジメを乗り切ろう


こんにちは。不動産ライターのchimonです。今回は湿気と壁紙についてのお話です。

高温多湿で不快指数の高い、日本の夏。せめて家の中は、ジメジメしていない快適な空間にしたいですよね。そんな時、壁紙を見直せば、湿気をコントロールできるというのをご存じでしょうか。

そこで今回は、湿気に強い壁紙の種類をご紹介します。この記事の内容を参考に壁紙を見直して、ジメジメと暑苦しい日本の夏を乗り切りましょう。

壁紙で湿気は調節できる

湿気に強い壁紙とは?壁紙の種類を知ってジメジメを乗り切ろう


日本の住宅において、湿気を調節できることは重要なポイントです。特に、梅雨から夏にかけては高温多湿な状態が続くため、放置しているとカビが生えてしまいます。このような状態から部屋を守る壁紙としては、次の3種類がおすすめです。

 ●通気性壁紙
 ●吸放湿壁紙
 ●珪藻土壁紙

これらはそれぞれ異なる仕組みによって、湿気を調節する機能を兼ね備えています。湿気がこもりやすい水回りやクローゼット、和室、外気の入りやすい玄関や廊下などをこうした壁紙に変えることで、ジメジメする季節でもより快適に過ごすことができるのです。

続いては、3種類の壁紙について詳しくご紹介していきましょう。
 

空気の通り道を作る「通気性壁紙」

1つ目にご紹介するのが「通気性壁紙」です。広く壁紙として用いられるビニールクロスは、湿気や空気を通さない密閉型の構造になっていますが、通気性壁紙の表面には細かな空気の通り道が設けられています。これによって、室内の空気や湿気がこもるのを防ぐことができるのです。

通気性壁紙そのものに吸湿性があるわけではないため、壁紙の下地に調湿性(湿度を調節する性能)のある石膏ボードを合わせて使用するのがおすすめ。通気性壁紙を通して放出された湿度の高い空気が石膏ボードによって吸湿され、部屋全体がカラッと過ごしやすい空間になるとされています。

また、空気を通す壁紙なので、湿度だけでなく臭いも逃すことができるのが特徴。そのため、トイレ・クローゼット・玄関などの湿気、臭いどちらもこもりやすい場所にピッタリな壁紙です。
 

湿気をコントロールする「吸放湿壁紙」

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2つ目にご紹介するのは「吸放湿壁紙」です。吸放湿壁紙とは、部屋の湿度が高い時には湿気を吸収し、湿度が低い時には湿度を放出するという調湿性を備えた壁紙のこと。わかりやすく言い換えるならば、壁紙自体が呼吸していると考えればいいでしょう。

なぜこのような機能を持っているかと言うと、表面に吸水性ポリマーという素材が使われているから。吸水性ポリマーは水分を多量に吸収できる性質を持っており、紙おむつや結露防止材などにも使用されています。

吸湿性壁紙は調湿性に優れている一方、通気性はありません。こうしたことから、普段窓をあまり開けない寝室やウォークインクローゼット、換気性の低いサービスルームなどでの使用に向いています。さらに、窓のない洗面所などに使っても効果的と言われています。

なお、吸放湿性壁紙は表面で空気をブロックしてしまうため、下地まで空気を通すことはありません。下地に調湿石膏ボードを使用している場合には、吸放湿性壁紙ではなく通気性壁紙を採用したほうがいいでしょう。
 

自然の力「珪藻土壁紙」

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3つ目にご紹介するのは「珪藻土壁紙」です。

珪藻土は、お風呂マットとして人気の「珪藻土マット」でおなじみの素材であることからもわかる通り、高い吸水性を誇ります。ここでは珪藻土とはどのようなものなのか解説した上で、珪藻土壁紙についてご紹介しましょう。


自然素材の珪藻土

珪藻土とは、珪藻という藻類の化石が堆積してできた土のこと。乾燥剤「シリカゲル」の原料としても知られる「シリカ」(二酸化ケイ素)が主成分であり、高い調湿性を持っています。湿気だけでなく、臭いや化学物質なども吸収してくれるため、建物の壁材として広く用いられてきました。

本来の珪藻土は塗り壁材であり、漆喰と同じように左官職人に依頼して塗ってもらいます。最近ではDIYで塗るための商品や道具なども販売されていますが、気軽さやコストパフォーマンスの面で壁紙クロスには及びません。


珪藻土壁紙は機能性に要注意?

珪藻土の難点である「施工の大変さ」「コストの高さ」をクリアする素材として注目なのが、「珪藻土壁紙(珪藻土クロス)」です。

珪藻土壁紙とは、珪藻土の粉末を練り混ぜたものを表面に塗り込んだ壁紙のこと。一般的な壁紙クロスと同じように施工することができる点が魅力です。また、価格も珪藻土の塗り壁に比べて安く、コストパフォーマンスにも優れています。

これだけ聞くと珪藻土と壁紙クロスのいいところを併せ持った、夢のような素材であるように感じますが、もちろん欠点もあります。

それは、あくまでも珪藻土粉末を塗っただけの素材なので、どうしても珪藻土そのものに比べると調湿性は劣るということです。お風呂で使う珪藻土マットのようなイメージで考えてしまうと、調湿性に不満が残るかもしれません。

加えて、取り扱うメーカーによって、「珪藻土の機能性を重視した壁紙」と「珪藻土の自然な質感を重視した壁紙」に大別できます。湿度の調節を重視するのであれば、商品説明をしっかりと読んだ上で、前者の「機能性を重視した壁紙」を選ぶようにしましょう。
 

まとめ

梅雨から夏にかけての時期を筆頭に、比較的多湿な日本では、快適な住まい作りのために湿気対策が欠かせません。もしジメジメした空気で悩んでいるのであれば、今回の記事を参考に壁紙から見直してみてはいかがでしょうか。

以上、今回は湿気に強い壁紙の種類についてご紹介しました。