Column

シンクとは?素材の違いを知ってキッチン選び

シンクとは?素材の違いを知ってキッチン選び

海外ブランドのシステムキッチン、カッコいいですよね。キッチンをリノベーションしたら、必ず入れると心に決めている人も多いでしょう。しかしキッチン選びで最も大切にすべきなのはデザインなのか?というと、それは間違いです。

キッチン選びで最重要視すべきは、調理に洗い物にと大活躍するシンクです。そんなシンクの使いやすさを左右するのは素材。何が自分にあっているかの見極めが大切なのです。

ここではシンクに使われている素材別のメリット・デメリット、それぞれを得意にしているメーカーについてお話しします。
 

シンクの素材選びが大切な理由


シンクとはシステムキッチンの中の、流し(水槽)の部分です。主に使われている素材は「人大(じんだい)」「ステンレス」「ホーロー」の3種類、得意にしているメーカーがそれぞれに存在します。

なぜシンクの素材がキッチン選びで重要かというと使い勝手はもちろん、メンテナンスのしやすさとキッチン全体のデザインに大きく影響するからです。
 

「人大」製のシンク

pin
人大(じんだい)は主成分によって人工大理石と人造大理石にわけられ、使われている樹脂によって、さらにポリエステル系とアクリル系にわけられます。細かな性質の違いがありますから一まとめにすべきではないのですが、ここでは同じ樹脂系素材として共通するメリットとデメリットを述べましょう。

メリット
・カラーバリエーションが豊富
・高級感がある

大理石を思わせる高級感は人大の大きなセールスポイントです。キッチンにもコーディネイト性やインテリア性の高さが求められていますから、好みの色目を選べることもメリットといえるでしょう。

デメリット
・汚れ・キズの付きやすさ
・熱に弱い
・食器が割れやすい

人大のデメリットは汚れやキズの付きやすさ。近年はずいぶん強くなったといわれますが、ステンレスやホーローと比べると弱さは否めません。研磨することで汚れやキズは取れるとはいえ、汚れやキズが気になるという方は避けるべき素材です。
他の二つに比べて熱に弱かったり、食器をシンクに落とした場合に割れやすかったりするのも、人大のデメリットといえるでしょう。

得意にしているメーカー
日本で最初に人大をキッチンに用いたのは「トクラス(ヤマハ)」です。アクリル系人造大理石で40年以上の歴史を持っており、デメリットの克服に力を入れてきましたから、他のメーカーよりも高品質な人大のシンク、キッチンが期待できるでしょう。
 

「ステンレス」製のシンク

シンクとは?素材の違いを知ってキッチン選び

ステンレスは鉄の合金で、サビにくさや汚れのつきにくさ、熱に対する強さで定評がある素材です。日本では1950〜60年代から広くキッチン使われてきたという歴史の長さから、ステンレス製シンクは最もポピュラーな存在といえます。

メリット
・キズ・汚れに強い
・熱に強い
・食器が割れにくい

サビにくく汚れが付きにくいステンレスはシンクにピッタリの素材。キズや熱に対する強さは人大を上回ります。またステンレスのシンクはたわみやすいので、皿などを落としても割れにくいというメリットも持っています。

デメリット
・シルバーしかない

ステンレスの大きい弱点はカラーバリエーションのなさでしょう。シンクにもインテリア性が求められる現代において、たいへん気になるデメリットのように感じるのですが、いかがでしょうか。また熱湯を流すとベコン!と大きな音がするのは……ご愛嬌でしょうか?

得意にしているメーカー
目に見えない部分も全てステンレス製のキッチンを出したり、業務用のキッチンで高いシェアを持っていたりと、ステンレス使いに定評があるメーカーは「クリナップ」です。キズが付きにくいようにシンクの底に細かなエンボス加工をほどこしたり、汚れが付きにくいよう特殊なコーティングを施しているところも見逃せません。
 

「ホーロー」製のシンク

pin
ホーローとは金属にガラスの釉薬(ゆうやく)を焼き付けたもの。キズに強いというガラスの特性とカラーバリエーションの豊富さが特徴です。海外ではホーロー製のシンクをよく見かけますから、こちらも長い歴史を持っています。

メリット
・清潔感がある
・キズや熱に強い
・カラーバリエーションが豊富

キズや汚れ、熱に対する強さはステンレスと同等かそれ以上、カラーバリエーションの豊富さでは人大と同等というのがホーローです。シンクにぴったりの素材ということができるでしょう。

デメリット
・食器が割れやすい
・キズを消しにくい
・手がけているメーカーが少ない

一方で食器を落とすと割れやすいというのと、いったん付いたキズが消しにくいというのはホーローのデメリット。ホーロー製のシンクを手がけているメーカーが少ないのも、選択肢の少なさという点でデメリットといえます。

得意にしているメーカー
日本で最初にホーロー製のシステムキッチンを手掛け、現在も造り続けているのは「タカラスタンダード」です。世界的に高い技術で知られているメーカーですから、機能性とデザイン性に期待が持てます。
 

シンク選びで他の注目すべきポイント

掃除のしやすさや、音の小ささもシンク選びのポイントです。排水については衛生陶器でのノウハウを持つTOTOやLIXILがいいとか、排水口の掃除のしやすさではパナソニックがいいといった評判を耳にしますが、各メーカーが様々な工夫をこらしているだけあって大きな差はないように感じます。

またシンクの幅の広さや高さもキッチンが使いやすいかどうかの重要なポイントですが、大手メーカーなら幅や高さもバリエーションを豊富に用意していますから、これもメーカー選びの決定打にはならないでしょう。
 

まとめ

シンクの素材ごとの特性や得意としているメーカーを見てきましたが、最後に強調したいのは必ずショールームに足を運び現物に触れてみてほしいということです。シンクの素材以外でメーカーごとの差は小さいというお話はしたものの、各人との相性はあるものです。

シンクの素材からメーカーを絞って、ショールームで使い心地を確認する。これがシンク、そしてキッチン選びの必勝法なのです。