外に面した場所に設置する一般的な窓と異なり、部屋と部屋の仕切りなどに設置する室内窓。おしゃれな雰囲気を演出できるだけでなく、部屋を広く見せたり採光を確保したりといった実用性も兼ね備えています。
今回は、そんな室内窓の特徴やメリット、費用相場などについて詳しく解説。室内窓を効果的に取り入れたリノベーション事例も紹介していきます。
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室内窓の特徴と3つのメリット
室内窓とは、部屋間の仕切り壁や部屋と廊下の間の壁などに設けられた窓のこと。間仕切り壁によって独立した空間を確保しつつ、窓による緩やかなつながりを確保できるのが特徴です。室内窓には、大きく分けて次の2種類があります。
- 開閉窓
開け閉めできるタイプの室内窓。開閉方法によって引き戸、押し出し戸、両開き戸といったさまざまなタイプがあります。 - FIX窓
開閉できないタイプの室内窓。転落の危険性がある高所への設置にも適しています。
リノベーションでは、こうした室内窓を取り入れるケースが多くあります。室内窓が人気なのは3つのメリットがあるからなのです。
採光や風通しを確保できる
北向きの部屋や奥にある部屋はどうしても日光が届きにくく、一日中暗くなりがちです。室内窓を設置することで、手前の明るい部屋から自然光を取り入れることができ、暗くなりがちな位置にある部屋でも採光を確保できます。また、開閉窓であれば室内の空気を循環させることも可能。空調効率アップにもつながって一石二鳥です。
室内の見通しが広がる
視覚的な広がりを感じられるのも室内窓の大きなメリット。リビングに面した部屋に室内窓を設ければ、リビングやキッチンから広い範囲を見渡せるようになり、小さな子どもやペットがいる家でも安心です。
部屋のデザイン性を高められる
室内窓があるだけで、家でありながらカフェのような雰囲気を演出できます。単調になりがちな白い壁でも室内窓があればメリハリが生まれ、一段上のおしゃれな部屋にグレードアップできるでしょう。
室内窓を設ける際の注意点とは?
室内に設置すればさまざまなメリットを得られる室内窓ですが、設置にあたっては次のような注意点があります。
構造的に室内窓が取り付けられない場合もある
既存の壁に室内窓を取り付ける場合、建物構造的に問題ないかどうかを確認しなければなりません。マンションには「壁式構造」と「ラーメン構造」という2つの構造がありますが、このうち壁式構造は壁によって建物を支える作り。室内窓を設けて壁の強度が下がってしまうと、最悪の場合建物の倒壊につながりかねません。木造戸建て住宅などの筋交いが入っている壁についても同様で、筋交いにかからない大きさの室内窓しか設置できないでしょう。
部屋のレイアウトが制限される
室内窓を設置した壁は、家具・家電を置いたり絵やポスターを飾ったりすることが難しくなることも考えられます。室内窓は大きな壁面に設置するケースが多いため、貴重な壁面スペースが無くなるのです。どうしても置きたい大きなインテリアがある場合、どこに設置するかを検討したうえで室内窓の設置を判断するのがおすすめです。
プライバシー確保や音漏れに注意する
室内窓を設置すると、壁で仕切られているとは言え、窓を通して隣室や廊下から部屋の中が見える状態になります。ワークスペースや居室の採光を確保するために室内窓を設置する事例も多いですが、プライバシーを確保できるよう窓の位置やガラスの種類などを工夫したいところです。寝室に設置すると、他の家族が起きていて睡眠に支障が出る場合もあるため、カーテンやブラインドをつけるのもいいでしょう。
視線だけでなく、室内窓を通した音漏れにも要注意。リビングの一角に集中するためのワークスペースを設けるなど、静かな環境を確保する必要があるなら、防音性・遮音性に配慮した工夫も要検討です。
室内窓の費用相場
おしゃれで快適な部屋づくりにおすすめの室内窓ですが、設置にかかる費用はどれくらいなのでしょうか。室内窓は設置してみたいけれどコストが気になるという方に向け、既存の壁を一部解体・撤去して室内窓を設置する場合の費用相場を紹介します。
- 小さな室内窓:10万円程度
- 大きめの室内窓:30万円〜
- 人が通れるほどの大きな室内窓:60万円〜
(参考:リショップナビ)
室内窓を取り入れたリノベーション事例3選
最後に、実際に室内窓を取り入れたおしゃれなリノベーション事例を3つ紹介していきます。どのような場所に、どのようなタイプの室内窓を設置しているのか、注目しながらご覧ください。
事例1:水色の壁と室内窓がリビングのアクセント
明るく開放的なリビングと緩やかに仕切られた小さな個室スペース。リビングとの間に大きめの室内窓を設けることにより、空間を分けつつも開放感や採光をしっかりと確保しています。水色の壁と黒枠の横長室内窓が、ナチュラルな内装のいいアクセントになっていますね。
事例:【三郷市】モルタル仕上げのキッチン腰壁
事例2:チェッカーガラスで採光とプライバシーを両立
リビングにいる家族とのつながりやベランダから差し込む光を感じつつ、ワークスペースでは集中して作業したいという願いを叶えてくれるのが、見た目もおしゃれなチェッカーガラス。上部のみ開閉窓にすれば、プライベート感を確保しながら風通しもバッチリです。
事例:【草加市・S様】
事例3:室内窓が生み出す一体感
最後に紹介するのは、室内窓によって個室スペースとリビングの一体感を生み出しているこちらの部屋です。ベランダから続くサンルームの明るい日差しを届けるべく、小上がりになった和室スペースとの間に大きめの室内窓を設置。その先にある寝室はプライベート感を大切にしながら、二方に室内窓を設けて採光を確保しています。
事例:Mid-Century & Oriental
まとめ
リノベーションで室内窓を設けるメリットは多くあります。最近人気のワークスペースを検討する際にも、篭り感と採光を両立できる室内窓がおすすめ。設置する目的、場所、デザイン、費用などのバランスを考えながら、自宅に合った室内窓を検討してみてはいかがでしょうか。
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