屋内の土足スペースである土間は、使い勝手がよくフレキシブルな空間として、最近の新築や住宅リノベーション(リフォーム)で注目が集まっています。ちょっとした収納スペースとしても子供の遊び場としても土間は利便性の高い空間です。特に玄関土間は、外から見れば家の中が広く感じられるといったメリットがあり、来客の第一印象を上げるのにも効果的な間取りと考えられています。
そんな日常的に接する土間空間ですから、壁に塗る塗料はデザイン性もさることながら、健康にも環境にも良いものを選びたいものです。自然塗料やエマルジョンペイントを使うと、家族で安心してDIYを楽しむこともできます。ここではこれらの健康・環境に優しいペイントを中心とした土間塗装についてご紹介します。
土間空間の塗装には、体に優しい「自然塗料」を取り入れよう!
自然塗料は身体に優しいだけでなく、消臭や湿気の調整、抗菌、VOC(揮発性有機化合物)の除去といった効能を持っているものがあります。自然塗料の中では珪藻土を原料とした珪藻土塗料がよく使われています。ローラーで塗ることができる簡単なものから、左官で塗る本格的なものまで、様々なバリエーションが用意されています。
珪藻土が含まれている塗料で、塗装後の質感も土壁に似た高級感を醸し出します。また、珪藻土効果によりシックハウス症候群の元凶であるホルムアルデヒドやトルエン、キシレンといった有害有機化合物が吸着され、無害化されるという働きもあります。さらに、室内の湿度を快適な状態に調整してくれるので、夏場でも蒸し暑いということはなく、防菌・防カビ効果も高いと言われています。
また、ミルクカゼインタンパク質を用いたミルクペイントも、自然塗料ならではの身体に優しいペイントです。ミルクペイントの由来は、アメリカ開拓時代に遡ると言われているほど、昔から使われている自然塗料になります。森永乳業のミルク原料を使用した天然由来のペイントなので、お子様でも安心して使用することができます。さらに、ミルクペイント用のUVカットなども塗り重ねると、効果的な紫外線対策も期待できますね!
環境に優しい「エマルジョンペイント」で塗装する!
ちょっと特別な質感が欲しい場合には、エマルジョンペイントがおススメです。エマルジョンとは乳液のことで、エマルジョンペイントは水に溶ける塗料のことです。従来の有機溶剤とは異なり、水に溶けるエマルジョンペイントは健康や環境への影響が少ない塗料として最近注目されています。
いろいろな質感の壁面が演出でき、メタリック仕様やコンクリート様のインダストリアルな表現のできるエマルジョンペイントもあります。
例えば、Haymes PAINT ARTISAN COLLECTION(ヘイムスペイント アルチザンコレクション)の「サーフェス」シリーズは、ペイント後の壁をいつまでも眺めていたくなるような仕上がりが期待できます。
こちらのコレクションには、金属のようなざらっとした表情で仕上げられる「メタリックス」シリーズ、表面を砂や岩のような感触に仕上げる「テクスチャー」シリーズもあります。
エマルジョンペイントは、有機溶剤を一切使わないため、あの独特の臭いがなく、どなたでも安心して使用できる塗料です。水性であるため水で薄めることもでき、ローラーを使えばペイント初心者でも簡単に壁塗りを楽しむことができます。さらに、見た目や質感も様々なバリエーションが取り揃えられているため、本格的なペイントまで楽しめる画期的な塗料です。
土間の床面を塗装するコンクリート塗料
土間塗装は壁だけでなく、床面にも適用することができます。コンクリート床の土間であれば、コンクリート床用の水性塗料を用いることができます。
要領はシンプルで、3つの工程で床塗装を仕上げることができます。
1.塗装前に汚れや埃を掃除する
2.塗料を定着させるためのシーラーを塗る
3.乾燥後にコンクリート塗料を塗る
より塗料を定着させるために、コンクリート塗料を二度塗りするといいようです。土間コンクリートにひび割れがある場合は、塗装する前に補修しておきます。補修用のセメントスプレーを使えば簡単に補修できます。少し大きいひび割れに対しては、水を混ぜれば簡単にできてしまうインスタントモルタルなどを使って補修する方法もあります。
土間コンクリートの塗装は、外構の駐車スペースなどにも適用できます。例えば、駐車スペースの土間コンクリートにタイヤ痕などが付着してしまい、掃除しても取れない場合は、コンクリート塗料で塗装することで土間コンクリートを蘇らせることができます。
まとめ
塗装はDIY初心者にとっても入門として取り組みやすく、そんな中でも土間塗装は、リビングやダイニングよりもチャレンジしやすい空間かもしれません。塗装をするなら、できるだけ健康や環境に配慮した自然塗料やエマルジョンペイントといった水性塗料を選びたいですね。