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アーロンチェアをベンチマーク!理想のデスクチェアの選び方

高級デスクチェアといえば、真っ先に思い浮かぶのが「アーロンチェア」です。
その一方で、「新しいデスクチェアを購入したいけれど、アーロンチェアは……」と二の足を踏んでいる方も多いことでしょう。

ここでは、アーロンチェアの長所・短所をあげて、長所ならアーロンチェアに劣ることがないデスクチェアを、短所ならアーロンチェアに勝るデスクチェアをあげることで、理想のチェア選びをサポートしようと考えています。

 

アーロンチェアの長所と、それに負けないデスクチェア選び

衝撃だったアーロンチェアの誕生から20年以上がたち、「アーロンチェア・リマスタード」が発表されました。いくつかの改良が加えられており、性能がアップしたかというと、それほどでもありません。むしろ、長い時間がたって、対抗馬となるデスクチェアが続々登場してきた印象です。

 

長所:腰痛にやさしい?

アーロンチェアの愛好家の声として、「腰痛にやさしい」というものがありますが、他のメーカーも腰に負担をかけにくい姿勢を取り続けられるよう、改良を続けています。
他のメーカーのものに腰かけてみると、新たな選択肢が生まれてくるかもしれません。

長所:カッコいい

アーロンチェアは、数々の名作を生み出してきた「ハーマンミラー」社の製品らしく、高いデザイン性を備えています。1994年の誕生当初は座り心地のすばらしさよりも、デザイン性の高さが話題となり、ニューヨーク近代美術館の永久コレクションに加えられたほどです。
ただ、他にもデザインの優れたデスクチェアは多々あります。

・イームズ「アルミナムグループ・マネジメントチェア」
アーロンチェアの「いかにも」なデザインを好ましく思わない方は、誕生以来50年以上も愛され続けてきた「アルミナムチェア」はいかがでしょうか。ミッドセンチュリー期の名品、本革製の背・座面は、使い続けるにつれて、味わいを増していきます。
ちなみに、メーカーはアーロンチェアと同じハーマンミラー、30万円以上というびっくり価格ですが、1万円前後で手に入るリプロダクト品も出回っています。

 

短所:カラーバリエーションが少ない

黒系のグラファイト、グレー系のカーボン、白系のミネラル、この3色がアーロンチェアのカラーバリエーション、これでは少ないと思いませんか?困ってしまうのが、デスクチェアを指し色として使いたい場合です。

・オカムラ「コンテッサII(セコンダ)」
オフィス家具の老舗メーカー「オカムラ」のデスクチェアが「コンテッサII」、特筆すべきは、ファブリックのカラーが10色から選べることです。書斎スペースの華やぎとして、存在感を発揮してくれます。他にもヘッドレストのタイプが選べたり、背・座面の素材でクッションが選択できたりと、アーロンチェアに勝っている点は多々あります。
カーデザイナーの巨匠・ジウジアーロ率いる「イタルデザイン」が手掛けた外観も見逃せません。

アーロンチェアの短所と、それを補うデスクチェア選び

評価の高いアーロンチェアは、完璧なデスクチェアか? と考えると、少々の疑問が浮かびます。なぜなら、いくつかの短所が明らかになっているからです。ここからは、アーロンチェアをある点で上回るデスクチェアを紹介していきましょう。

短所:リラックスできない


アーロンチェアにもリクライニング機能は付いていますが、背・座面の角度は変わらないままですし、ヘッドレストも付いていませんからリラックスできないのです。デスクチェアは仕事のためのものと考えれば当然かもしれませんが、職場ならともかく自宅で使うならリラックス機能は必須でしょう。

・エルゴヒューマン「プロ・オットマン」
人間工学に基づいたデスクチェアでアーロンチェアに劣らない評価を得ているのが、エルゴヒューマンのシリーズです。中でもフラッグシップモデル「プロ・オットマン」は、ヘッドレストはもちろん、オットマン(足置き)が内蔵されたものです。仕事に疲れたら、リクライニングを倒して仮眠をとることができます。

短所:メッシュのファブリック

アーロンチェアを特徴づけているのがメッシュのファブリック、背・座面に使用することで高い通気性を確保しているだけでなく、部位によってテンションが変えてありますから、座り心地の良さも実現しています。
登場した当時メッシュ使いは画期的でしたから、その後、数多くのメーカーが模倣しています。その一方で、寒いという声もあるのです。

・AKレーシング「PRO-X」
ゲーミングチェアとして出発した「AKレーシング」、近年では東京ヤクルトスワローズ・高津監督が試合中に腰を下ろしており、一般的にも知名度が高まりました。上位モデル「PRO-X」はポリウレタン製合皮「PUレザー」を採用、肌触りはレザーと変わらない上に手入れも楽と好評価、もちろん寒くはありません。
長時間座ることを前提にして開発されたデスクチェアだけに座り心地もよく、リクライニングなどの機能性は一部アーロンチェアを上回っています。

まとめ

ここまで書いてきたのですが「価格」について、何も書いていないことに気が付きました。アーロンチェア最大の欠点といえば高すぎる価格は、対抗馬として紹介してきたデスクチェアは「アルミナムチェア」をのぞいて、全て下回っています。

一番高価な「コンテッサII」ですら15万円前後、高機能の「プロ・オットマン」は11万前後、「PRO-X」にいたっては5万円前後と、アーロンチェアの1/4程度の価格でしかありません。全ての点でアーロンチェアを上回る製品こそありませんが、一部は大きく上回るデスクチェアは登場していることをお伝えしておきます。