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住宅収納スペシャリストの知恵袋vol.1|リノベーションで欲しい「収納量の決め方」って?〜キッチン編〜

こんにちは!住宅収納スペシャリストのゆりんごです。

リノベーションをする理由は様々かと思いますが、その際に重要なポイントの一つとして、「収納をどうするか」という問題があります。今回より、整理収納アドバイザー / 住宅収納スペシャリストとしての知識を活かしながら、リノベーションの際に必要となる「住宅収納」について考えるシリーズをはじめます。

家は無限に広げられるものではなく、「箱」の大きさはすでに決まっています。その中で、ベストなリノベーションをするためにも、収納にはこだわりたいところですよね。

さっそく今回はキッチンの「収納量の決め方」について考えてみましょう!

キッチンリノベーションの目的とは

1日のうち、よく使う場所「キッチン」。朝起きてから、朝ごはんの支度やお弁当作りにはじまり、その後もごはん支度や片づけで大忙しの場所です。よく使う場所ほど、考えられた動線や収納であることが、日頃の効率をよくします。

きちんと収納されていることにより、モノの管理がしやすくなり、管理が行き届いて入れば、探しモノをしなくて済むので時間の節約につながります。また、家にある食材を把握しておくことができれば、無駄買いやダブり買いを防げるので、食費の節約にもつながるのです。

キッチンリノベーションと合わせて、きちんと収納も見直すことで、より良いおうちに生まれ変わらせたいですよね。

キッチンの「基本の収納量」を考えてみよう

キッチンで使うモノといったら、どんなモノがあるでしょうか。

  • 食器、カトラリー
  • お鍋やフライパン
  • キッチンツール
  • 調味料
  • 食材
  • ペーパー類
  • 洗剤類

など、実に様々な種類のモノがあります。収納は、ただ単にそれぞれのモノに収納を作ればいいというわけではありません。住む人全員の使うモノの量をきちんと洗い出し、使う場所・動線にかなった配置でないといけないのです。

本来なら、1人につき1アイテムあれば足りるモノもありますが、食器が好きで集めている方もいるでしょうし、使い勝手によってお鍋のサイズを分けている方もいるかもしれません。どの種類のモノをどのくらい持つのか、その配分はお好みでOKです。

その時に一緒に考えたいのが、お家の大きさとモノの量とのバランスです。それによって、収納量を決めていくことになります。

モノを全て見直す

収納量を考えていく前に、実は押さえておかなくてはいけない大切なことがあります。それは、「使っているモノだけに厳選する」ということです。

モノを分別する理由は、使わないモノを新しい家に持ち込んでしまうと、せっかく適正な収納を作ったとしても、本当に使うモノたちの邪魔になり、結局使い勝手が悪いまま…の繰り返しになってしまうからです。せっかくリノベーションをするのであれば、気持ちも新たに、必要なモノとそうでないモノを分ける良い機会と捉えましょう。好きだからといって、何でも持っていていいものではないのです。

例えば、毎日使う食器と、これまでに1度しか使ったことのない食器が同じ場所に収納されていては、取り出すときもしまうときも、いちいち避けなくてはいけなくなり、その動作自体が時間と労力の無駄になってしまいますね。なので、使っているモノだけに厳選してから、逆算して収納量を決めていくほうが、スムーズにうまくいくというわけです。

ここちよいバランスを見つける

人によって、使いたいモノの量やとっておきたいモノは違いますね。家族であっても、ひとりひとりにとっての「必要さ」も違うので、家族みんなの気持ちを尊重することも忘れないようにしたいものです。他の人が「それはいらないだろう」と思うモノであっても、本人が使っている大切なモノは残していいのです。みんなが気持ちよく住めるように、心地良いバランスを見つけることが大切です。

単なる収納であっても、必要な「収納量」を考えてみることで、暮らし自体の見直しにもつながっていきます。

収納量の決め方

では実際に収納量を決めるにはどうしたらよいかを考えていきましょう。リノベーションの際は、はじめから多くのモノを持っていくのではなく、まずは最低限の量からのスタートをおすすめします。

上でもお伝えしましたが、1人であれば、本来キッチン用品などは全て1つずつあれば足りるかもしれません。ただ、食器を洗って乾かしているうちに次の食器を使いたいという方や、うつわ集めが好きでコレクションしているという方は、数が増えていきますね。もちろん、そこはお好みで決めていただいてOKです。

そうしてまずは自分にとっての心地の良いモノの量を見つけていき、次にキッチンにおける収納量(収納スペース)を決めていくという方向で考えていきます。

一人暮らしの方やモノの量が少ないという方は、キッチン本体の引き出し・シンク下・コンロ下の収納だけでも足りることが多いです。「キッチン本体にしまえるだけ」というルールを決めるのもよいかもしれません。キッチン本体以外にも収納が必要な場合は、引き出し式の収納付きのキッチンカウンターを取り付けるのがおすすめです。

  • カトラリー類は取り出しやすいように全て上から見てどこに何があるかわかるくらいの量
  • コップ類は重ねないで1つずつ並べられる量
  • お皿は重ねても2種類までの量
  • 大きなお皿は中にファイルボックス等で仕切りを入れてしまえる量

このように、実際にしまいたい量を並べた時に、どのくらいの面積、容積を占めるかということを先に計算してから、キッチンカウンターを選んだり、お好みのサイズのキッチンカウンターを造作するようにすると、モノの出し入れのしやすい効率的なキッチンになりますよ。

まとめ

リノベーションをする際は決めることがあって大変かもしれません。ただ、先にやるべきことをやっておくと、リノベーションした後の暮らしがぐっとラクになります。

特にキッチンはみんながよく使う場所であり、整えておくことでたくさんのメリットが生まれます。まずは住む人みんなで「基本の収納量」を考えてみてはいかがでしょうか?

ライタープロフィール|ゆりんご

Smirule代表 ゆりんご
山口 友里 / Yamaguchi Yuri

フリーランスの不動産屋
不動産賃貸売買仲介の傍ら、住まいコーディネーターとしてセミナー講師や収納コーディネート等を行なっています。
デジタルサイネージセールスやフリーで企画・広報ブランディング・マーケティングも請負。
1987年生まれ。札幌市在住。2児の母。
女性目線で住まいに関することをサポートします。

【所有資格】
宅地建物取引士 / 整理収納アドバイザー / 住宅収納スペシャリスト / 企業内整理収納マネージャー

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