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どれくらいの広さが必要?ウォークインクローゼット兼書斎

自宅で仕事をおこなうリモートワークが広まるにつれて、書斎の需要が高まっています。とはいえ、書斎に一部屋を割り当てるのは、スペース的に難しいというのが現実でしょう。

ひとつアイデアとして浮かぶのが、ウォークインクローゼット兼書斎です。小部屋のような形状のウォークインクローゼットの中に、書斎を造るというものです。

そこで気になるのが、どれくらいの広さが必要なのかです。今回は、ウォークインクローゼット兼書斎について考えていきましょう。

 

 

ウォークインクローゼットに必要な広さは1人1帖?

ウォークインクローゼットの広さは、一般的に1人1帖が適当とされています。しかし、実際に夫婦で2帖のウォークインクローゼットを使ってみると、少々の狭さを感じるものです。特に入り口以外の3面にハンガーパイプや収納棚を設置(コの字型レイアウト)してしまうと、中で着替える余裕もありません。2人暮らしなら、3帖のウォークインクローゼットが理想といえます。

 

 

書斎に必要な広さは1帖?

1人用の書斎に必要な広さは、縦・横にかかわらず最低でも1帖です。理由は、机を置いてイスを引いて座るという一連の動作には1帖は必要になります。他に本棚なども置きたいなら、2帖は欲しいところです。

 

 

ウォークインクローゼット兼書斎に必要な広さは3帖!

以上のことから考えると、ウォークインクローゼット兼書斎には、最低でも3帖は必要という計算になります。しかし実際には3帖ではギリギリの広さになりますから、少々の余裕を考えると4帖は欲しいところです。

 

 

限られたスペースでウォークインクローゼット兼書斎を造る

「ウォークインクローゼット兼書斎には、4帖は欲しいところです」と書いてしまいましたが、居住スペースは無限にはありませんから、ウォークインクローゼットに4帖を割り振るのは難しいものです。「無理をしても3帖、実際は2帖を割り振るのが精一杯」なんて声が聞こえてきそうです。

それでは限られたスペースで、ウォークインクローゼット兼書斎を実現する方法を考えてみましょう。

 

ウォークインクローゼット内のレイアウトを工夫する

何を優先させてウォークインクローゼットを造るかにもよりますが、書斎を設けるなど中での作業を考えているなら、コの字型レイアウトは避けましょう。レイアウトには、ハンガーパイプや収納棚を片側にだけ配置する「I型」や、両側に配置して付き当たりは開けておく「II型」、片側と突き当たりに配置する「L型」がありますが、書斎兼用を考えているならI型やII型レイアウトがよいでしょう。

 

収納するものを絞る

上に掲げた写真は書斎の例ですが、多くの方は「ずいぶん広々としているな」と感じるかも知れません。しかし、写真のスペースの広さは実際には2畳とちょっと(2550×1400mm)しかありません。しかし幅2m以上の机が造作されていますから、2人並んでの作業も十分可能です。

広さを感じる理由には写真の撮り方や、室内窓が与えてくれる開放感があるのですが、最も大きいものは収納を頭上に固めているからです。2帖程度でも、収納するものを絞ることで、ウォークインクローゼット兼書斎が実現できるという好例です。

 

机を収納式にする

HAGSアイテム:ブラケット フォールディング

折りたたみができるブラケット(棚受け)を利用することで、収納式の机を造ることができます。机を使わないときは、壁にたためるのでジャマにはなりません。机の上にモノがあふれている状態にせず、必要なときにノートPCを広げるなど、少々のマメさが必要になりますが、ウォークインクローゼット兼書斎に限られたスペースしか割けない場合に、強い味方になってくれます。

 

可動式の棚にする

パイプハンガーや収納棚を可動式にするというのも、ウォークインクローゼット兼書斎を実現するのに良いアイデアです。可動式ブラケットと棚柱を利用すれば、高さが自由になるだけでなく、外すこともできますから、ウォークインクローゼットを他の目的に使うことも可能です。家族が増えるまではウォークインクローゼットの一部を書斎に使い、家族が増えたらすべてをクローゼットにするといった使い方ができます。

書斎用の机を購入するのではなく、長さに余裕があるブラケットを用いて棚板を置くことで、非常に安価に机を用意することもできます。

 

 

まとめ

ウォークインクローゼット兼書斎を実現するには、4帖ほどの広さが欲しいところですが、限られた住環境では2〜3帖を割くのが精一杯かもしれません。さらに、ウォークインクローゼット内のレイアウトをI型にしたり、収納するものを絞ったり、机を収納式にするなどの工夫が必要なのですが、中でもおすすめは「可動式の棚にすること」です。理由は、空間の目的が固定されず、ウォークインクローゼットを多目的な空間としていかすことができるからです。「書斎が必要なのは、ひょっとして今だけかも?」と考えている方にも、可動棚の導入はおすすめです。

 

 

(参考:リショップナビ「使いやすいウォークインクローゼット(WIC)の間取りは2畳・3畳・4畳?収納のポイントまとめ」)

(参考:重量木骨の家 理想の家づくりのためのコラム「【こんな書斎が欲しかった!】1畳からできるお洒落な書斎レイアウト」)