土間は縄文時代から日本の家庭で使われてきました。現代では一軒家だけでなく、マンションにも土間を作ろうという人も増えているようです。今回は、マンションに土間を作る際のポイントをいくつか解説します。
土間は縄文時代の竪穴式住居から続く伝統様式
土間は江戸時代に「土間+板+畳敷き」という和風住宅の基本的な床様式の一つとして発達しました。主に工具を収納したり作業場として使ったり、台所としても活躍していました。
江戸時代の土間は、土をニガリで固めた三和土(たたき)という伝統的な工法で作られています。一軒家においては、土間は家の外と内を隔てる役割を持っていました。玄関で靴を脱ぐという文化は土間があるからこそ、とも言われています。
伝統的な工法は土をニガリで固めた三和土(たたき)ですが、現在はモルタルで固めた土間部分にタイルを施工するというスタイルが主流になっているようです。
土間はマンションに作れるか?
昔ながらの一軒家の玄関先にあるという印象の土間ですが、最近はマンションにもリノベーションなどでも取り入れる傾向にあるようです。マンションに土間を作る場合、一般住宅と同様に玄関に設置する、憩いの場や作業場としてリビングに設置するといったケースがあるでしょう。
玄関やリビングなどに土間を設置するとどのような効果が得られるのでしょうか。
内と外を繋ぐ玄関に土間を設置する場合
玄関に土間を設置する場合、ベビーカーや三輪車などの子ども用品のほか、自転車やバイク、アウトドア用品といった屋外で使用するものを気軽に置くことが、まず思い浮かぶでしょう。また靴を脱がずに玄関の中で作業するスペースとして利用したり、土間+シューズクロークのように使うことも。玄関ポーチを作りにくいマンションだからこそ、土間のような内と外との中間のスペースがあることで収納にも幅を持たせることができると言われます。
さらに玄関先に土間があると、プライベート空間とパブリック空間を分ける場所としても使うことができます。マンションの玄関先に土間があると、ちょっとした応対をするときなどにも一役買ってくれまるでしょう。
リビングに土間を作る場合
リビングに土間を設置する場合には、玄関に作るよりもインテリア性の高いものになります。用途としては、家族が思い思いに使える多目的スペースのほか、お子様の遊び場や家族団欒の場所としても土間を活用することができるでしょう。
さらに、薪ストーブを置いたり、絵を描いたり趣味のものをお手入れしたりなどのホビースペースとしても。用途が広がるのもリビング土間の特徴です。
マンション土間ならタイルやモルタルでスタイリッシュに。
タイルやモルタルで作り上げる現代の土間は、シックな男前インテリアやモダンで都会的なインテリア、無機質なインダストリアルなインテリアとも相性が良く、玄関やリビングにアクセントを加えてくれるでしょう。
アウトドアでもインドアでも、趣味のものを土間に飾ったりするだけでも素敵なインテリアになるので、魅せる収納にこだわりたい人にもおススメです。
マンションで土間を作る際の注意点
もとは一軒家に設けられていた土間。マンションに取り入れるときにはいくつか注意点もあります。まずは管理組合の規定を確認し、土間を作ることができるかどうかしっかりと確認することが必要でしょう。
また土間は外気と触れることも多く、夏はひんやりしますが冬は冷え込みも心配されます。調湿効果のある珪藻土をつかうなど、湿気や寒さ対策にも注意が必要でしょう。
まとめ
土間は昔から日本の住宅と相性がよいと言われます。マンションに土間を作ることで、収納に幅を持たせたり家族との憩いの場を設けることも可能でしょう。インテリア性や用途も考慮して、家の中のアクセントになるスペースとして土間をつくり、日本の伝統文化を上手にマンションにも取り入れてみるのもいいですね。