Column

こんなはずでは!壁面収納の「落とし穴」

収納場所に困った場合の強い味方は壁面です。壁一面を覆う大型の家具を取り付けたり、棚を取り付けたり、突っ張り棒を使ったりすることで、単なる壁が収納スペースに早変わりしてくれますから、散らかったお部屋がスッキリすることでしょう。

とはいえ壁面収納も万能ではありません。

ここでは壁面収納のバリエーションごとに、おちいりがちな落とし穴を見ていきましょう。

壁面収納「大型家具」の落とし穴

壁一面を覆う大型家具は壁面収納を代表するものです。市販されているものもありますし、リノベーションや新築の機会に造ってもらうのもよいでしょう。しかし大型家具ならではの落とし穴も忘れてはいけません。

決まった使い方以外に使えないケース

テレビやAV機器を壁面収納に納めた場合にありがちなのが、その目的以外に使えないというものです。

たとえば上のタイプの壁面収納は、最大で46インチのテレビまで。つまり、買い替えの時にも、それ以上のサイズにはできないというわけです。

またテレビの下の棚はAV機器を納めるように設計されていますが、厚みのあるAVアンプなどを納めることはできないでしょう。

このように、耐用年数が10年ほどのテレビやAV機器と違い、壁面収納はより長い期間使う物であるということを忘れないようにしましょう。

模様替えができません

リビングのレイアウトが一定ならば全く問題はないのですが、一旦しつらえてしまうと模様替えができなくなるのが大型の壁面収納です。

部屋のレイアウトは壁面収納が壊れるまで不変!という場合以外には、あまりおすすめできません。

高い場所は手が届かない

天井まで届く棚が持つ高い収納力は、壁面に据え付ける大型家具の魅力ですが、もちろん高いところには手が届きません。普段使わないものを収納すれば良いと考えることもできますが、体調や加齢によって高い場所というのは嫌煙したくなる場所でもあります。長い目で見て検討すると良いでしょう。

壁面収納「見せる収納」の落とし穴

壁面に棚を造るなど見せる収納が人気です。ブラケットと棚板さえあればできますから、DIYで挑戦しよう!という方も多いことでしょう。しかし、こちらの収納にも落とし穴には十分に注意してください。

意外とお金がかかります

DIY=安価というイメージがあるかもしれませんが、部材や部品トータルでみると案外お金がかかるもの。素人であれば設計にも作業にも時間もかかり、仕上がりも保証されるものではありません。想像した以上にお金がかかることも少なくありません。

それも含めて楽しめるのがDIYでもあるので、バランスを見ることが大切です。

もう一つ、収納を作った後にも思った以上にお金がかかるケースも見逃せません。見せる収納を造ってしまうと、収納するものに気をつかうようになります。最初は100円ショップの小物などを控えめに飾っていても、徐々に、せっかく飾るのだから…ここだけは特別だから…と、グレードアップしてしまうなんてこともあるのです。例えば、フライパンを壁面収納するなら、バーミキュラのアイアン製など、凝り出すと際限がありません。

もちろん、良いもの、永く使えるもの、愛すべきものを飾ることのメリットもあります。こちらも費用対効果をよく考えることが大切です。

掃除が大変

高い位置に見せる収納を造ってしまうと掃除が大変です。加えて、見せる収納の設置場所でも人気なのが、油が飛びやすいキッチンなんですね。となると、ホコリ汚れが貼り付いてしまったりで大変でもあります。飾っているものをよけながらの掃除は、最初は頑張れても徐々に掃除の間隔があいていき、いつの間にかホコリ&油…なんてことになりかねません。

見せる収納は、良くも悪くも目に入るので、掃除はマメにしなくてはならないことを覚えておきましょう。

地震対策は大丈夫?

見せる収納にブランド物の食器が飾ってると、地震の時は大丈夫?と心配になってしまいます。ちょっとの揺れでは落ちないように、粘着剤を使っている方もいらっしゃいますが、大きな地震が来た時に、商品やメーカーの情報通りの効果があるのかはわかりません。落下防止の点も気を付けたいポイントです。

DIYには要注意!

好みのブラケットと棚板の壁面収納はカンタンに造ることができますが、耐荷重に不安があると思う方もいるでしょう。注意点は石膏ボードにブラケットを固定しないこと。専用のアンカーや下地探しを利用して、しっかりした土台にブラケットを固定してください。正しく設置しないと、棚の重みで壁がはがれる可能性があります。

壁面収納「突っ張り収納棚」の落とし穴

「ラブリコ」「ディアウォール」など、2×4材の上下に挟むだけで柱を立てられるアイテムは、壁にキズを付けないで壁面収納を造ることができます。賃貸住宅のお住まいの方やDIY派の皆さんに大好評となっており、近年ではアイアン製で見栄えが良いものも登場しています。

しかし、突っ張り収納棚にもやっぱりあるのが落とし穴なのです。

耐荷重を過信してはいけない!

上下に突っ張って柱を支える仕組みになっていますから、耐荷重がそれほどでもないのが突っ張り収納棚です。たとえば写真のラブリコ「アジャスター・アイアン」は柱一本当たり2×4で20kg、1×4で10kgとなっています。書籍など重量があるものを収納するならば、柱を多く立てるなどの対策が必要になります。

参考:HAGS アジャスター アイアン LABRICO 2×4/1×4

トップヘビーは危険です

耐荷重と同様に気を付けるべきはトップヘビー、つまり、天井近くの棚が重くなる状態を避けることです。突っ張っているとはいうことは摩擦で止まっていますから、トップヘビーな壁面収納を造ってしまうと棚ごと倒れてきてしまいます。

まとめ

壁面収納は幅を取らないのに強力な収納力を持っていますが、その分落とし穴もあります。中でもDIYで作る壁面収納で注意したいのが、重量に関するもの。棚ごと崩壊する可能性も考え、重くなりがちなコレクションの収納は慎重に行いましょう。「落とし穴」がわかれば、壁面収納を造る際にも落とされませんね。