家づくりでフローリングを選ぶときは、とても慎重になるもの。
フローリングは、壁紙や家具と違って簡単には交換できません。北欧スタイルにするか、インダストリアルを取り入れるか、インテリアの方針によって、フローリングの選び方は大きく異なります。オークやバーチといったフローリングが流行していますが、本当にそれでよいのか、しっかり迷った上で自分に合ったフローリングを選びたいところです。
日本で古くから使われてきた木材に、ケヤキがあります。流れるような美しい木目と、赤身のある色合いを持つケヤキは、古くから神社や仏閣に用いられてきました。
その重厚感と、木目の美しさは、今でも日本家屋を作るのに欠かせない材料の一つです。
今回は、ケヤキのフローリングの魅力についてお伝えします。
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ケヤキのフローリングの特徴、日本の高級木材の一つ
ケヤキは、日本の山里に自生しており、古くから親しまれた木です。ドングリの木と言ったほうが分かりやすいかも知れません。
ケヤキの色合いは、重厚感のある赤身と、流れるような美しさを持った木目が特長です。また香りも特徴があります。ケヤキの香りと聞いてピンとないかもしれませんが、嗅げば「この香りか」と思うでしょう。
ケヤキの木目ははっきりとしていて、流れるような美しさあります。
ケヤキはとても丈夫な材料で、神社や仏閣に大きな材料で使われています。有名な京都・清水の舞台を支えている材料もケヤキです。
ケヤキは、重硬で非常に硬い木材です。しかし、加工はそれほど困難ではなく、時間をかければ他の樹種と同じように問題なく行うことができます。ただ、個体差が大きい樹種なので、物によっては加工が困難な場合もあります。
フローリングに仕上げるには、それだけ技術が必要なのです。
ケヤキフローリングの費用を他の無垢材と比べる
ケヤキのフローリングの金額を、他の銘木と比べてみましょう。比べるのは1坪(タタミ2畳分)あたりの金額です。
ケヤキのフローリングの金額は、およそ30,000~60,000円です。
金額に幅があるのは、フローリングに使えるような、節の少ない上質の木材が少ないためです。また、上質な製品は、社寺仏閣に優先的に回されるという事情もあります。
それでは三大銘木であるブラックウォールナット、マホガニー、チーク、そして近年人気のあるオーク、サクラ、メープル、日本で古くから人気があるパイン、ヒノキと比較してみましょう。
ケヤキフローリングのメンテナンス
ケヤキのフローリングのメンテナンスは、フローリングの仕上げ方法によって変わってきます。ここではよく使われる3種類の仕上げ方法を見てみましょう。
- 木の内部に染みこむ「浸透性塗料」
- 木の表面に膜を張る「コーティング系塗料」
- 木のそのものを味わう「無塗装」
これ以外にも自然塗料や高性能塗料などがあります。使われる塗料によってメンテナンス方法が違いますので、良く確認しておきましょう。
基本的にケヤキは、硬質で丈夫なためあまりお手入れを必要としません。毎日の乾拭きや雑巾掛けだけでも十分な色艶を保てます。
参考:HAGS 「無垢フローリングの日常の掃除・お無垢手入れ」
浸透性塗料
浸透性塗料は、木の内部に浸透して保護するタイプの塗料です。
普段のお手入れは、乾いたフロアワイパーや雑巾でホコリ、汚れをしっかり取ることが大切です。皮脂汚れやしつこい汚れは、専用洗剤や固く絞った濡れ雑巾で取ります。
取れない汚れは、サンドペーパーで削り取る方法もあります。
1~2年に1度は、床全体に同じ塗料や専用メンテナンス材を使ってメンテナンスを行います。
コーティング系塗料
コーティング系塗料は、木の表面に膜を作るタイプの塗料です。
普段のお手入れは、乾いたフロアワイパーや雑巾でのホコリ、汚れ取ります。掃除機を使ってもかまいません。コーティング膜が強固なので、しつこい汚れも比較的簡単に落ちます。
浸透系塗料と違い、サンドペーパーは使えません。表面がキズつきます。
1~2年に1度、仕上げに合った専用ワックスを塗るとメンテナンスが楽になります。
無塗装仕上げ
無塗装の場合、ホコリや汚れを乾拭きで取り、つやを出したい場合は、ぬか袋の使用がおすすめです。
自然塗料や高性能塗料など
フローリングによっては、ミツロウやカルバナロウなどの自然塗料や、ガラスフィニッシュなどの高性能塗料を使う場合もあります。
普段のお手入れは、乾いたフロアワイパーや雑巾でホコリ、汚れをしっかり取ることが大切です。皮脂汚れやしつこい汚れ、専用洗剤で取ります。
1~2年に1度行う定期メンテナンスは、それぞれの塗料に合った方法で行います。分からない場合、販売店に相談したり、塗料の取り扱い説明書を確認したりしましょう。
ケヤキの木、意外と身近な存在
ケヤキの木は、私たちの生活にとってとても身近な存在です。
街路樹として活躍する木
ケヤキは、立木の状態でも丈夫な木です。排ガスや震動などに強いため、街路樹に使われてきました。景観を守るだけでなく、浄化作用があるものとして注目されています。
いま、全国各地で大木になったケヤキが次々と伐採されています。数は十分ではありませんが、ケヤキ材の意外な供給源となっています。
ドングリの木
ケヤキで印象的なのは、ドングリの実でしょう。
ケヤキなどの広葉樹は、秋にドンクリをたわわに実らせます。ケヤキのドングリは細長く、帽子をかぶっているものが多く落ちています。
まとめ
今回は、ケヤキのフローリングについてお伝えしました。
日本で古くから使われてきた木材であるケヤキ。流れるような美しい木目と、赤身のある色合いを持つケヤキは、古くから神社や仏閣に用いられてきました。その重厚感と、木目の美しさは今でも日本家屋を作るのに欠かせない材料の一つです。
たくさんある材種から選ぶのは大変ですが、一つずつ比べて選らんではいかがでしょうか?
参考:誠文堂新光社 村山忠親「原色 木材大事典185種」
参考:株式会社マルホン カタログ「木材見本帳 第8号」
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