お部屋の中でかなり広い面積を占める天井ですから、内装の仕上げも悩みどころかもしれません。一般的なクロス仕上げだとちょっと物足りないな、と感じるなら、板張り(ウッドパネル)を検討してみてはいかがでしょうか。
今回は、天井の仕上げに使われる、板張り(ウッドパネル)について、特徴や種類についてご説明していきます。
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板張り(ウッドパネル)天井で心地よい空間づくり
板張りで仕上げた天井は、表情豊かな木の色や模様によって、独特の演出効果ももたらしてくれます。木のあたたかみで心安らぐ雰囲気に、個性的でスタイリッシュにカッコよく、艶やかでラグジュアリーな空間に。板張り天井だからこそ作り出せる特別感が、リノベーションで人気を集めてきているようです。
現代の建築では、一般的に板張り天井には、ウッドパネルと呼ばれる建材がよく使われます。ウッドパネルとは木を使用した板状の建材で、天井以外にも、住宅内部の壁面や、外壁、エクステリアなどに使われることもあります。
ウッドパネルのような木材を内装に取り入れると、木が本来持っている性質によって居心地の良い空間になると言われています。
例えば、木材が多い室内は気持ちが安らぐ、と感じることがありませんか。そこには、木が放出するフィトンチッドという揮発性物質の効果があるとされています。フィトンチッドは、人の気持ちをリラックスさせたり、菌類の活動を弱らせていやな臭いを抑えたりする効果を持つと言われています。
また、湿度の高い梅雨時でも木材の多い部屋では空気がサラッとして過ごしやすいと言う話もよく聞きます。これは、天然の木が呼吸する性質を利用していて、調湿効果と呼ばれています。木は、湿度が高いときには湿気を吸収し、乾燥が厳しいときには水蒸気を放出するので、室内の湿度を心地よい範囲に保ってくれるということです。
木材を多く使った部屋は、光の加減が柔らかいと感じることもあるでしょう。これは、木材が太陽の光に当たったときの反射の仕方が、人の目にやさしく、まぶしさを軽減しているためだそうです。
ウッドパネルを内装に使うなら知っておきたい注意点
木はもともと水や熱、太陽の光には弱いところがあると言われます。板張り天井に使用する場合には、水や汚れが付着することは少ないかもしれませんが、メンテンナンスについても知っておくと、長く美しい状態を保てるでしょう。
塗装や使用する材料にもよりますが、表面に天然の木を使用している建材では、水や他の液体がかかったら速やかに拭き取ることが大切でしょう。他の汚れも見つけたらすぐに取り除くようにしましょう。
また、太陽光の紫外線は木材を劣化、変質させることもあります。天然の木材は長年使っていくと色味が変わっていくことはありますが、紫外線による変化はそれとはまた別のものです。板張りにしようとする天井が日差しにさらされる場所であるなら、紫外線対策も考えておくとよいでしょう。
最後にキッチンの天井にウッドパネルを使う場合です。キッチンは建築基準法で燃えにくい素材を使うことが定められています。「準不燃材」と呼ばれる等級以上の認定を受けた燃えにくい建材を使ったり、IHコンロにしたりするといった対応も必要になります。
ダイニングやリビングも、キッチンとつながっている場合には耐火基準の制限を受けることがありますので、専門家に確認するようにしましょう。
参考:クロス以外にいい内装材ってないの?という時のウッドパネル
板張り(ウッドパネル)天井に使われる建材の種類をおさえよう
内装に使われるウッドパネルは材質や形状などにより、バリエーションがあります。
■無垢材
天然木の風合いや調湿機能、さわやかな香りなどを贅沢に楽しむなら、無垢材が良いでしょう。無垢材は、自然の木材をパネルの形に切り出した建材で、木そのもの。フローリング材としても安定した人気建材の一つ
傷がつきやすいところもありますが、塗装である程度備えることもできます。合板のパネルに比べて高価ですが、アクセントとして天井の一部に使うなどすると、コストも調節できます。
■天然木化粧板
合板の表面に、薄く削った天然木を張ったものです。天然木の美しい木目や風合いが楽しめる一方で、本体は合板なので割れや歪みがほとんどなく、施工しやすいという特徴があります。コスト面でも、無垢材よりは抑えることもできます。
■プリント合板
合板の表面に、木目を印刷したシートを貼り付けたパネルです。手ごろな価格でメンテナンスも気を使わなくて良いので、手軽に板張り天井を取り入れることができるとされます。無垢材などの本物と比べると、どうしても質感で劣ると感じてしまうかもしれません。印刷シートの技術も高くなってきているので、納得できる品質のものが見つかれば、コストパフォーマンスはいいでしょう。
参考:圧迫感からの解放!天井リノベーションならここまでできる!
板張り(ウッドパネル)天井に使われる人気の樹種を比べてみよう
天然の木の風合いがそのまま味わえるウッドパネルは、木の樹種によって木肌や木質の特徴が異なってきます。樹種が違うと仕上がりがどのように違ってくるのか、人気のウェスタンレッドシダー、パイン、スギを例に見ていきましょう。
■ウェスタンレッドシダー
ウェスタンレッドシダーは、一つの樹種で色味の濃淡が楽しめるところが大きな特徴と言われます。淡い色味と赤味のある濃いブラウンのコントラストで、自然の木の味わいをいかした、存在感ある天井が出来上がります。
北米(カナダ)を原産としている針葉樹で、形状安定性や耐久性が高いところも使いやすさのポイントでしょう。
■パイン
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パインの魅力は節があるところ。自然の木の風合いをたっぷり取り入れた、ナチュラルな空間づくりにもおすすめです。
■スギ
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スギは日本ではなじみ深い樹種の一つです。木材の中では白に近い色味なので、天井に使うと明るい印象の部屋になります。
リラックス効果を高める成分やダニを抑制する成分も含んでおり、また独特の香りも魅力的です。
まとめ
ウッドパネルで天井を板張りにすると、クロス張りとは一味違う、インテリアを作ることもできます。自然の木の美しさや風合いでおしゃれに垢抜けさせてくれる板張り天井は、樹種の違いによっても味わいが異なるので選ぶ楽しみもあります。
価格ではどうしてもクロスよりも高価になってしまいますが、プリント合板のように手軽に板張り天井を作れる建材を用いたり、アクセントとして天井の一部分だけを板張りにするなど、工夫することで、限られた予算でも板張り天井を実現する方法はあります。素材や特徴を理解して、ウッドパネルの板張り天井の設置を検討されてはいかがでしょうか。
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