「部屋の中に湿気がこもるのを何とかしたい」、「いつでも快適な空気を感じる部屋にしたい」という思いを抱えている方もいます。部屋の湿気を解消する方法のひとつとして、珪藻土の壁にリフォームするのはいかがでしょうか。
そこで今回は珪藻土の特徴と、おすすめの施工方法についてご紹介します。この記事を一読すれば珪藻土の効果や工事の流れなども理解できます。部屋のリフォームを検討している方は参考にしてください。
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珪藻土の特徴
珪藻土とは「ケイソウ」と呼ばれる植物プランクトンから作られた堆積物です。ケイソウは湖や川などに生息しています。ケイソウが死ぬと、殻だけが残り水底に沈殿します。年月を重ねるとケイソウの殻が化石化して、最終的には堆積物へと変化するのです。
日本ではさまざまな方法で珪藻土を利用しています。珪藻土には火に強いという特徴があり、七輪や耐火性のあるレンガとしても使われています。また、太平洋戦争中には菓子や食品の増量剤として用いられたこともありました。最近では建材をはじめ、風呂場のマットやお酒のろ過材としても使われています。
珪藻土の魅力
珪藻土の魅力のひとつは調湿効果です。調湿効果とは湿度を一定に保つ機能のことで、珪藻土には漆喰などの壁材に比べて調湿の効果があります。冬場や梅雨の時期は湿気が部屋にこもりやすくなり、カビが発生しやすい状況にあります。しかし、珪藻土の表面には小さな穴が無数にあるので、部屋の湿気を吸収しカビ発生を抑える働きもしてくれます。エアコンや除湿機を使用せずに、自然の力で湿気を取り除くので便利です。
珪藻土のもうひとつの魅力は消臭効果です。珪藻土は湿気だけではなく、部屋に充満したニオイも取り除けます。猫や犬などのペットのいる家庭は、珪藻土の壁材を使うことで快適な部屋に変えられるでしょう。また、珪藻土は不燃性という特徴もあるので、火災が発生したときでも安心です。珪藻土の融点は1,250℃と高く、不純物を含まない珪藻土なら煙や火も出ません。
珪藻土の注意点
一方で、珪藻土には粉がボロボロと落ちやすいというデメリットもあります。壁紙やクロスとは異なり、ケイソウの堆積物から作られているため、珪藻土をこすると剥がれ落ちてしまうのです。珪藻土の中には粉が落ちないための加工を施しているタイプもありますが、子どもたちが強い力で壁をこすると剥がれてしまうでしょう。子ども部屋やリビングに珪藻土を使用する場合には注意が必要です。
もうひとつの注意点はシミになりやすいことです。珪藻土にコーヒーや紅茶などがかかると、シミになって残るでしょう。石けんで汚れを落とそうとすると調湿効果が失われるので、塩素系漂白剤やサンドペーパーなどを使って落とすことをおすすめします。
珪藻土の施工方法
珪藻土を壁材として利用する場合、施工方法に注意しましょう。誤った施工をすると珪藻土の効果が失われる恐れもあるからです。珪藻土の施工の流れは以下の通りです。
1.マスキングテープなどで養生をする
2.穴埋めなどの下地処理をする
3.珪藻土を塗る
4.養生を外す
珪藻土の場合は下塗りと仕上げ塗りをします。下塗りで上手に塗るポイントは、細かい部分は気にせずに一気に塗ることと言われます。その後の仕上げ塗りでは、珪藻土が足りない部分を中心に丁寧に塗りましょう。
左官仕上げなら表情豊かな壁になる
内装を仕上げる方法としてクロス、左官仕上げ、ペンキによる塗装などがあります。珪藻土の場合は左官仕上げで施工されますが、クロスや塗装とは異なり壁に表情が出るというメリットもあります。左官はフラットなデザインからリズミカルなパターンなど、コテを使うことで壁の雰囲気も変えられます。クロスでは難しい立体感も出せるので、高級感のある部屋へもリフォームできるでしょう。
シックハウスの対策にもなる
クロスや塗装では化学物質が使われることがあり、シックハウス症候群などの健康被害を引き起こすおそれもあります。珪藻土は天然素材なので、健康被害を最小限に抑えられるでしょう。子どもたちのいる家庭では珪藻土などの壁材がおすすめです。
左官仕上げの注意点
左官仕上げの注意点は施工期間です。左官職人が丁寧に仕上げるので、クロスや塗装に比べて時間がかかりがちです。また、珪藻土を塗った後には乾燥させるための時間も必要です。業者に施工を依頼するときは、どのくらいの期間が必要なのかを事前に確認するとよいでしょう。
もうひとつの注意点として、職人によって仕上がりに差が出るという声もよく耳にします。仕上がりがイメージとは違うデザインになってしまったというケースもあるようです。業者に依頼する際には、評判や口コミなどをチェックし、十分な打ち合わせを行って希望の仕上がりイメージを確認しておくとよいでしょう。
まとめ
プランクトンの殻が堆積して作られた珪藻土には、調湿機能や耐火性などの効果もあります。壁材として取り入れれば、エアコンや除湿機を使わずに、快適で過ごしやすい部屋にリフォームできるでしょう。珪藻土は左官仕上げの施工方法を用いますが、左官仕上げならば表情を豊かな壁にも変えられます。また、シックハウス症候群の対策になるというメリットもありますので、リフォームの際にはご検討ください。
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