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ウォークインクローゼットの間取りで押さえておきたいポイントまとめ

限られた面積の中では貴重なまとまった収納スペースとして、多くの家に設置されているウォークインクローゼット。リノベーションを機にウォークインクローゼットを取り入れたいと考えている人も多いのではないでしょうか。しかし、いざ設置するにしても広さや間取りをどうすればいいか、悩みどころですよね。

そこで今回は、ウォークインクローゼットの間取りを考える上で押さえておきたいポイントをご紹介していきます。

ウォークインクローゼットの適正な広さとは?

人が立ち入れるウォークインクローゼットは、通常のクローゼットに比べてまとまった面積が必要です。それでは実際にどれくらいの広さが適正なのでしょうか。

人によりますが、一般的に男性よりも女性の方が所有しているファッションアイテムが多く、広い収納スペースを必要とします。ハンガーパイプに衣服を掛けることを想定すると、男性1人で90〜120cm程度、女性1人で180cm程度あれば十分に収納できるでしょう。

不動産の表示に関する公正競争規則施行規則では、1畳=1.62m2以上として考えるよう定めています。畳は地域によって基準となる広さが異なりますが、1.62m2は江戸間と中京間の中間程度ということになります。サイズ感としては、1畳おおむね縦約90cm×横約180cm。
(参考:Woman.CHINTAI)

先ほどご紹介した男女ごとの必要なハンガーパイプの長さを踏まえると、夫婦2人暮らしであれば1.5〜2畳程度は欲しいところ。ファミリーだと3畳程度あれば余裕を持って収納できると言えそうです。
(参考:New.収納考える.com)

ただし、ここでご紹介しているのはあくまでも目安であり、実際には3畳に満たないウォークインクローゼットでも、収納方法を工夫してファミリー全員分の衣服を上手に収納している例は多く見られます。広さが不足しているからと言って諦めるのはもったいないと言えるでしょう。

ウォークインクローゼットのレイアウトは4種類

ウォークインクローゼットの適正な広さについて確認したところで、本題の間取りにおけるポイントを見ていきます。ウォークインクローゼットには、大きく分けて4種類のレイアウトがあります。

  • I型:通路の片側のみに収納が設けられているタイプ
  • II型:通路の両側に収納が設けられているタイプ
  • L字型:通路の片側+奥に収納が設けられているタイプ
  • コの字型:通路の周囲三方に収納が設けられているタイプ

単純に収納力だけで言えばI型よりもII型やL字型の方が優れており、コの字型がもっとも多くの荷物を収納することができます。ただし、L字型やコの字型のウォークインクローゼットは広いスペースを必要とするため、必要面積と収納力のバランスを考えて検討するのがおすすめです。

ウォークインクローゼットの間取りのポイント

収納スペースとしてだけでなく、幅広い使い方が想定されるウォークインクローゼット。使い勝手をよくするために意識したいポイントを2つご紹介します。

動線を意識して配置場所を決める

ウォークインクローゼットの場所に迷ったら、生活動線を意識してみることが大切。衣服を取り出す、あるいはしまう場面を想像して位置を決めることで、使い勝手のいいウォークインクローゼットになります。

例えば、洗濯機の置いてある洗面所の近くにウォークインクローゼットを設置すれば、洗濯・乾燥した衣服を最短動線でウォークインクローゼットに収納できます。また、玄関の近くにウォークインクローゼットを設置すれば、出かける前にウォークインクローゼットで上着や帽子などを取って、そのままストレスなく出かけることができますね。

人が通れる幅を確保する

収納スペースを確保しようとするあまり、通路幅を狭くしてしまうとウォークインクローゼットの使い勝手が悪くなってしまいます。ウォークインクローゼットにおいて、通路幅は60cm以上確保しておきたいところ。

ウォークインクローゼットの中で着替えもできるようにしたいということであれば、さらに広い通路幅を確保しておく必要があります。収納力とともに、人が快適に使えることを前提にした間取りにすることが大切なのです。
(参考:フリーダムな暮らし)

ウォークインクローゼットの間取りの注意点

最後に、ウォークインクローゼットの間取りを検討する上で気をつけたい注意点についても見ていきましょう。

直射日光や湿気の対策を怠らない

衣服やファッションアイテムは、直射日光や湿気にさらすと傷みや虫食いの原因になることもあります。そのため、ウォークインクローゼットは直射日光が衣服に当たらず、湿気がこもらない空間にすることが重要です。直射日光対策としては日差しが届かない場所に配置する、湿気対策としては小窓を設けて風通しを良くするといった対策が考えられます。

小窓を設けることが難しい場合は、ドアを定期的に開けて空気を入れ替えるだけでも、湿気がこもるのをある程度防ぐことが可能です。

大きさを欲張らない

先ほどウォークインクローゼットの適正な広さについてお伝えしましたが、あくまでも生活スペースに余裕がある場合の理想のサイズと考えるべきであり、生活スペースを圧迫するようなウォークインクローゼットを設けることはおすすめしません。面積の小ささは、収納の仕方を工夫すればカバーできることも多いからです。

また、ウォークインクローゼットが広すぎると何も考えずに収納することができてしまうため、かえって管理が大変になってしまうことも考えられます。まずは、ウォークインクローゼットに割ける面積がどれくらいなのかを決めて、そこから使い勝手のいい間取りを考えた方がいいでしょう。

まとめ

住まいにおける貴重な収納スペースとして人気のウォークインクローゼットですが、間取りによって使い勝手が大きく変わります。今回ご紹介した間取りのポイントや注意点を意識して、自身のライフスタイルに合ったウォークインクローゼットを検討してはいかがでしょうか。