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「エアサイクルシステム」とは何か?|誰でもわかるリノベ用語集

誰でもわかるリノベ用語集870

■エアサイクルシステム

エアサイクルシステムとは空気の循環を利用して室内の温度や湿度を快適に保つことで、冷暖房の使用を減らし省エネにつなげる仕組みのことです。エアサイクルシステムを使用した工法のことはエアサイクル工法、エアサイクルシステムを取り入れた住宅はエアサイクルシステム住宅と呼ばれています。

住宅では、外気に触れる外壁と居住空間を囲む内壁の間に空気の通り道を作ります。温度差によっておこる空気の対流を利用し、夏は換気口を開けて床下から涼しい空気を取り入れつつ暑い空気は放出します。冬は換気口を閉じて暖められた空気を循環させ、空気層の断熱効果も利用して室温を保ちます。

付随して、エアサイクルシステムは、住宅を長持ちさせられるという魅力もあります。日本は高温多湿の傾向にありますが、壁の中の空気を循環させることで湿気が溜まりにくくなり、シロアリ被害や木材の腐朽などを防げると考えられています。

エアサイクルシステムは、デザインの工夫や建築の工法によって自然エネルギーを活用して機械設備に頼らずに住宅の省エネ化を進めるという、パッシブデザインの考え方から生まれました。例えば、窓の配置や大きさを工夫することで照明の利用を減らしたり、夏の直射日光を遮ってエアコンの使用を減らしたり、といった方法で住宅の省エネ化をすることができます。

・参考:エアサイクルの家とは