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リシン仕上げの外壁のメンテナンス方法は?

リシン仕上げの外壁のメンテナンス方法は?


昭和のころ、住宅の外壁には主にモルタルが使われていました。モルタルとはセメントと砂を水で練ったもの。そのままでは殺風景ですから、いくつかの方法で仕上げていました。その中でもオーソドックスだったのが「リシン」で、ザラザラとした風合いが特徴です。

現代ではサイディングの仕様が広まり、モルタルやリシンは施工されることも少なくなりました。しかし、古めの住宅ではまだリシンの壁を見かけます。リシン壁の中古住宅を購入する際に、注意することとは何でしょうか?また、どのようにメンテナンスすればよいのでしょうか?
 

リシンとは外壁の仕上げ方法



セメントに砂をまぜ水でねったモルタルはレンガ同士を付けて壁を造ったり、玄関のアプローチを造るのに用いられる素材です。火に強く破損しにくいという特徴もありますから、住宅の外壁にも広く使われてきました。

仕上げのバリエーションが豊富というのもモルタルの特徴で、その一つがリシン。乾いたモルタルの上に砂利や砂を入れたセメントを吹き付けて、落ち着いた雰囲気を作ります。

他の仕上げ方法として、リシンよりも凸凹が大きな「スタッコ」、リシンやスタッコより模様が大きな「ランダムタイル」、職人さんが手で模様を付けていく「左官仕上げ」などがあります。これらの仕上げの後、好きな色を塗装して外壁は完成です。


なぜ、リシン壁は施工されなくなったのか?

リシン仕上げの外壁は古めの住宅で見かけることもありますが、近ごろではモルタル外壁はほとんど施工されなくなりました。平成29年の日本サッシ協会による調査では、新築戸建住宅でモルタルが用いられる割合は5.7%となっています。

理由として施工期間が短くコストを抑えることができるサイディングが登場したこともあるのですが、他にもモルタルにはデメリットがあります。


最大のデメリットと言われる「ひびの入りやすさ」

リシン仕上げに限らずモルタル壁の最大のデメリットは、ひび割れが入りやすいことでしょう。原因は紫外線や水分の侵入で、浅いものは放置していても問題がないのですが、深いひび割れは構造の劣化を早めてしまいますから、メンテナンスが必要とされます。
 

リシン壁のメンテナンス方法


外壁がリシン仕上げの中古住宅の購入を検討しているなら、ひび割れが起こっていなくても、ある程度の劣化は起こっているかもしれません。程度に応じたメンテナンス方法をご紹介します。


コケやカビが目立つ場合

モルタルの表面を細かな凹凸でおおうリシン仕上げは、コケやカビが生えやすい特徴があります。そのままにしておくと見かけが良くありませんから、高圧洗浄による除去をおすすめします。威力は落ちますが、ホームセンターで販売されている高圧洗浄機を用いれば、DIYでも可能です。


「チョーキング」が起こっている場合

リシン仕上げの最後におこなわれる塗装は、見た目を良くすることと、モルタルに水が染み込むことを防ぐことが目的です。表面を手で触ってチョークのような粉が付いてくるのは、塗装が劣化しているサイン。チョーキングと呼ばれます。

必要なメンテナンスは再塗装ですが、2階建のお家ならば足場を組む必要がありますから、相応のコストも覚悟しなければならないでしょう。


「ひび割れ」が起こっている場合
 


浅いひび割れならば再塗装で隠れてしまうのですが、深いひび割れはコーキング材を充填する必要もあるでしょう。ここで問題は補修跡が目立ってしまうこと。表面は改めてリシンを吹き付ける必要がありますし、再塗装もおこなったほうが良いでしょう。
 

リシン仕上げ外壁のリフォーム法

ひび割れが起こっているようなリシン仕上げ外壁でおすすめのメンテナンス方法のひとつは、サイディングに変更することです。方法はモルタルの上からサイディングを張る、モルタルを撤去してからサイディングを張るの2通りです。


サイディングを重ね張りするメリット・デメリット

劣化したリシン仕上げの上からサイディングを重ね張りするメリットは、コストを抑えられることでしょう。軽量で薄手の金属サイディングがおすすめになるのですが、デメリットとしてはモルタルの下のダメージがわからないこともあげられます。


撤去してからサイディングを張るメリット・デメリット

古いリシン壁を撤去してから、サイディングを張るのは工期もコストもかかるというデメリットもあります。しかしモルタルの下の状態を確認して、劣化した箇所を補修できますから、安心感も大きいのがこの方法と言われます。
 

まとめ

メンテナンスがおこなわれていたリシン仕上げ外壁ならば、再塗装をすることで寿命を伸ばすことは十分に可能ですが、問題はひび割れが起こっているケース。下地の状態確認もかねて、モルタルを撤去した上でサイディングを張るリフォームをおすすめします。

職人さんの技が楽しめる左官仕上げは別として、近ごろの外壁ではリシンなどのモルタルで仕上げるメリットはほとんどなくなりました。しかし、リシンの風合いは今だに好まれるもの。そのことは、リシン風のサイディングが人気であることでもうかがえます。
 

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