「庭の土が流れる」「アプローチをDIYしたい」「DIYでおしゃれに挑戦したい」
雑誌やSNSで盛り上がっているDIYブーム。コンクリートを使うDIYでも、駐車場を工事したり、アプローチを整えたりと、皆さんとても楽しく作られています。
今日は、「私も土間コンクリートDIYに挑戦したい、どうすれば良いの」という疑問に現場監督ライターのクマがお答えします。
土間コンクリートをDIYする上での基礎知識
土間コンクリートに限らず、コンクリートのDIYは最高難度の難しさがあります。手を出す前に、まずは土間コンクリートをDIYする上での基礎知識を整理しましょう。
そもそも土間コンクリートとは?
「土間コンクリート」とは、地面に直接、平面的に打った平坦なコンクリートのことです。駐車スペースや、門から玄関のアプローチ、裏口に接するサービスアードなどに使用されることが多く、表面は白から薄い灰色で、仕上げ方法によって見た目を変化させることもでき、目地を利用してデザインに特化することも可能です。
・参考:「土間コンクリート」とは何か?|誰でもわかるリノベ用語集
コンクリートは強度も高く、水にも強い材料です。住まいの駐車場からアプローチ、果ては海底トンネルまで様々なところに使われます。
DIYでの難易度
土間コンクリートのDIYは「非常に高い」難易度です。とても難しい作業になります。難易度が高くなる理由は次の通りです。
●練り混ぜにコツがいる ・・・ 適度な柔らかさにするにはコツを掴む必要があります。
●材料が重い ・・・ 10Lのバケツ1杯で20kgほどあります。
●固まるまでに時間がかかる ・・・ 通常3日ほどは施工面に乗れません。
●仕上げ作業が難しい ・・・ コテで綺麗に均す作業が難しいです。
土間コンクリートに必要な材料は?
コンクリートに必要な材料はホームセンターで揃えることができます。ごく一般的に販売されていますので特別な材料は必要ありません。
●セメント
●砂
●砂利(必要に応じて)
●水(水道水で十分)
●ワイヤーメッシュ(鉄筋の代わり)
●木材(型枠の代わり)
最近は、インスタントモルタルと呼ばれるセメントと砂を混ぜた材料も販売されています。水を混ぜるだけなのでお手軽です。
土間コンクリートに必要な道具は?
必要な道具もホームセンターで一式揃えることができます。土間コンクリートを工事する広さ・量にもよりますが、最低限必要なものは以下の通りです。
タタミ半畳分、厚み5cmのコンクリートに挑戦しようと思ったら準備したい道具です。
●練り混ぜ容器 ・・・ 専用のものは必要ありません。衣類プラケース等でも代用できます。
●スコップ ・・・ コンクリートを練ったり移したりするのに必要です。小型で少々頑丈なものが使いやすいです。
●コテ ・・・ コンクリートの表面を平らにするのに必要です。
●バケツ ・・・ 水を準備したり、材料を測ったりと何かと必要です。
●型枠材 ・・・ コンクリートはドロドロの状態から固まっていきます。木で型枠を準備して作ります。
土間コンクリートを作るのに必要な時間
土間コンクリートを作るのに必要な時間を考えてみましょう。
1.下準備(1日) ・・・ 工事する場所を整えて、材料を準備します。一番時間が必要です。
2.型枠を作る(2h) ・・・ コンクリートが流れ出ないように型枠を準備します。
3.コンクリートを練る(1h) ・・・ これが一番楽しい作業かもしれません。
4.コンクリートを均す(1h) ・・・ 練ったコンクリートの表面を平らに均します。
5.後片付け(1h) ・・・ 道具を水洗いしましょう。コンクリートがついたままでは落ちなくなります。
6.固まるまで待つ(3日) ・・・ 人が乗っても平気な硬さになるまで3日ほど必要です。気長に待ちましょう。
7.型枠を外す(2h) ・・・ 最後に型枠をはずして出来上がりです。
1〜7まで合計すると5、6日は必要です。
土日に時間が取れる方なら、土曜日に準備して、日曜日にコンクリートを打設。次の週末に型枠を外して出来上がりという流れにすると、スムーズに進められるでしょう。2週にわたる大仕事です。
土間コンクリートのDIYのポイント
土間コンクリートのDIYを成功させるためのポイントをチェックしていきましょう。
準備・段取りが肝心
コンクリートはなんと言っても準備・段取りが肝心です。コンクリートを練り始めたら、途中で変更したくてもできません。しっかりと準備して取り掛かります。
ここで準備しておくことをリストアップしてみました。
●土間コンクリートを打つ場所
●コンクリートを練るための作業スペース
●コンクリートが固まるまでの迂回路の確保
●正確なコンクリート量を測る
●余る材料の処分方法
少なくとも、上記で挙げたことは作業する前にチェックしておかなければなりません。意外と困るのが余った材料の処分方法。セメント系をどうやって捨てるか、粗大ゴミに出すなどの方法をあらかじめ調べておきます。
コンクリート量は砂(砂利)の量で決まる
コンクリートは砂利、砂、セメントに水を混ぜて作ります。おおよそ砂利:砂:セメント=6:3:1の割合で作ります。
砂利の隙間を砂が埋めて、砂の隙間をセメントが埋めます。そのため出来上がる量は砂利の量と同じになります。
平らに均す方法
土間コンクリートを平らに均すのは意外と難しい作業です。
上手に均すには最初が肝心。長い木材を使って平らに均していきます。最初にある程度均しておけば、コテで表面を綺麗に整える作業が楽になります。
土間コンクリートに挑戦するときの心構え
最後は土間コンクリートに挑戦するときの心構えポイント4つです。
1.土間コンクリートのDIYはかなり難易度が高い。
2.「作りたいもの」の用途、大きさ、作るのに必要な時間を正確に把握する。
3.時間を確保して材料をそろえる。
4.最後は努力するしかない。
代替案も検討する
土間コンクリートが本当に必要かどうかも検討が大切です。代替案も検討して見ることをお勧めします。
地面の水はけをよくして、ぬかるみを抑制したいならグリッド工法という方法もあります。
・参考:グランドグリッド 地盤安定材
アプローチを整備したいならコンクリート平板という手もあります。
・参考:コンクリート平板
まとめ
今回は土間コンクリートのDIYに挑戦というテーマでお届けしました。
DIYの中でも土間コンクリートのはとても難しいカテゴリです。それでも挑戦される方は準備を万端にして挑戦してみてください。コツは「十分な時間を取る」ことです。
・参考文献:荒井 章,まるごとわかる! 庭づくりDIYの基本,エクスナレッジ,2016/03