Column

DIYで使える塗料メーカーと知っておきたい知識

DIYで使える塗料メーカーと知っておきたい知識


こんにちは。現場監督ライターのKUMAです。

ここ最近はDIYブームで、自分たちの手で家を作り上げることが流行していますね。

DIYの取りかかりとして、塗装はオススメの一つです。例えば、既製品のラックや小物入れ、植木鉢などをインテリアに合う色に塗装する程度なら、ダイニングテーブルの上でもでき、失敗しにくいので、気軽に挑戦できます。

塗装は準備する道具も少なく簡単に始められ、お気に入りの色・ツヤをさがして塗装するのも楽しみ方の一つです。

今回はDIYで使える塗料メーカーと知っておきたい知識についてお伝えします。
 

DIY向けに入手がしやすい塗料メーカー

まずはDIY用塗料で比較的入手がしやすい塗料のメーカーをご紹介します。

参考になるのが、日本塗料工業会のホームページに掲載されている、家庭用塗料を出荷しているメーカーの一覧です。

家庭用塗料は、経験があまりない人にも使いやすいように調合された塗料です。メーカーのホームページは使い方や塗装のポイントなどが掲載されていますので、DIYの際に参考になります。

今回はそのメーカーリストから一部を紹介します。

・参考:家庭用塗料,(一社)日本塗料工業会


(株)アサヒペン
(株)カンペハピオ(https://www.kanpe.co.jp/)
カンペハピオとアサヒペンは、およそどこのホームセンターでも取り扱いしています。種類も豊富で、小分け塗料もあるのでDIY入門にぴったりのメーカーです。

アトムサポート(株)
「アトムハウスペイント」のメーカー。上記2社と比べると種類は少ないですが、鉄部塗装用の塗料が良質です。

サンデーペイント(株)(https://www.sundaypaint.co.jp/)
アスファルト専用の塗料があります。

大阪ガスケミカル(株)(http://www.ogc.co.jp/)
木材保護塗料のキシラデコールが有名です。

大阪塗料工業(株)
木部塗装用の品揃えが豊富です。

オキツモ(株)(https://www.okitsumo.co.jp/)
他では取り扱わない、耐熱塗料があります。

カシュー(株)
カシューは人工漆として開発された塗料です。その他、いわゆるニスを取り扱っています。

玄々化学工業(株)
AUROという木部用自然塗料を扱っています。

シントーファミリー(株)
通常の塗料に加え、少し変わったスプレー式塗料もあります。

ターナー色彩(株)
最近注目されている塗料、ミルクペイントが有名です。

日本特殊塗料(株)
FRP用の資材や、床用防水剤など、他では取り扱っていない製品を扱っています。

和信ペイント(株)
ウレタンニスを扱う事で有名です。


・参考:家庭用塗料商品名一覧,(一社)日本塗料工業会

DIY用塗料と業務用塗料の違い

DIYで使える塗料メーカーと知っておきたい知識


DIY用塗料と業務用塗料の違いが気になることはありませんか。DIY用塗料を作っているメーカーも、業務用塗料を作っています。その違いはどこにあるのでしょうか?

DIY用塗料の多くは、「手軽さ」「使いやすさ」「塗料の保存」に重点を置いています。不慣れな人が使う事も想定し、使いやすさや長期保存ができるようにしています。

業務用塗料は熟練したプロが使うことを想定しているので、「仕上がりの美しさ」を重点に置いています。

DIY用塗料と業務用塗料の違いを詳しく見てみましょう。


DIY用塗料の目的

一般の人が使うため、塗料に表示されている注意書きを守って使えば、概ね同じように仕上がるように作られています。使いやすいよう、業務用塗料に比べて少量で販売しています。

また、販売店で長期間陳列されることを想定して、塗料の質が変化しないように安定性に重点を置いています。

家庭用塗料には、安全に使うためにいくつか規制があります。使用できる原材料に制限があり、安全性を重視しています。業務用塗料に比べて塗膜の耐久性が劣る製品もあります。


業務用塗料の目的

業務用塗料は、塗装業者などのプロが塗膜を均一に仕上げることを目的としています。使う道具もハケやローラーの他に、エアスプレーなど専門の道具を使います。

塗料自体、短期間で使うことを想定しているので長期間の保存は基本的にできません。

塗料の安全性は考慮するものの、作業性や耐久性、機能性を重視するため溶剤などに有害物質を含む製品もあります。作業環境や道具を整えて安全に作業することがプロからは求められます。

DIY塗装で知っておきたいこと

DIYで使える塗料メーカーと知っておきたい知識


DIYで塗装をする上で知っておきたいことです。塗料について、ちょっと気になるかなというところをご紹介します。


メーカーが違う塗料を使っても良い?

同一メーカー、同一製品が望ましいことは確かです。

もし、2種類以上の違うメーカーの塗料があるなら「混ぜないこと」が原則です。混ぜてしまうと、最初は良いですが、時間がたつにつれて塗料の分離や沈殿などが起こります。

2種類の塗料を使うなら、一つ目の塗料を塗ってしっかりと乾かしてから、次の塗料を使います。しっかりと乾けば他の種類、メーカーの製品でも重ねて塗ることができます。


2種類の塗料を混ぜて色を作っても良い?

同じメーカーの、同じ製品を混ぜた場合は比較的安定して色を作ることができます。ただし、できるだけ早く使い切りましょう。色によって配合された安定剤が異なるので、不具合を起すこともあります。

違うメーカーの塗料を混ぜた場合は、直後は問題が無くても時間がたつと分離や沈殿といった問題が出て来ることが多いです。違うメーカーの塗料を混ぜるのは避けましょう。


水性塗料と油性(溶剤型)塗料は同時に使えるの?

油性(溶剤型)塗料の上に水性塗料を塗ることはできます。

油性塗料がしっかり乾いた後、表面を軽くサンドペーパー(#240)で研磨して密着性をよくします。こうすることで、水性塗料の付着が良くなります。

水性塗料の上に油性(溶剤型)塗料は塗れますが、塗料の割れが起こることがあります。目立たない部分で少し塗ってみて、テストして確認しましょう。


水性塗料と油性(溶剤型)塗料はどちらが長持ちするの?

一般には油性(溶剤型)塗料が長持ちするとされていますが、絶対ではありません。塗料に含まれる樹脂が耐久性に大きく影響します。

まとめ

今回は塗料メーカーと知って欲しい知識をお伝えしました。

塗料はDIY用、プロ用とありますが、特別なことがなければ保存もできるDIY用をオススメします。その他、塗料とメーカーの細かな関係は、塗料の指示を守れば特別不具合が起きないような仕組みになっています。異なるメーカーの塗料も、きちんと乾かして使えば重ね塗りもできます。

DIYでは、塗装は手軽で簡単に挑戦しやすい部類です。挑戦してみてはいかがでしょうか?


参考文献
一般社団法人 日本塗料工業会,家庭用塗料入門,一般社団法人 日本塗料工業会
一般社団法人 日本塗料工業会,家庭用塗料入門Q&A集,一般社団法人 日本塗料工業会
一般社団法人 日本塗料工業会,塗料と塗装 基礎知識 改訂第4版,一般社団法人 日本塗料工業会