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外壁タイルの正しいリフォーム・メンテナンスで、長く住み続ける


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マイホームを風雨や気温の変化から守り、外観を美しく維持してくれる外壁。丈夫でいつまでも美しさを保てる外壁にするなら、タイルは有力な選択肢の一つとなるでしょう。

傷や汚れが付きにくいとされる外壁のタイルですが、長く美しい状態を維持するには、定期的な点検やメンテナンスも重要です。この記事では、外壁タイルの特徴と必要となるメンテンナンスについてご説明していきます。

耐久力と高級感が魅力の外壁タイル


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タイルは、粘土などの土や鉱物などの無機質を成形して高温で焼き固めたもので、外壁用の建材としても有利な特徴を持っています。

まず、丈夫で汚れにくいという特徴があります。天候や気温の変化に強く傷もつきにくいので劣化しにくい素材といえます。また、水分をほとんど吸収しないので、湿気にも強く、汚れも付きにくく、汚れがついても落としやすいとされています。

こういった特徴から、タイルを外壁にすると、手間を掛けずに美しさを維持しやすいというメリットがあり、安定した人気があるようです。

また、釉薬による独特の艶やかさやニュアンスのある色合い、多彩な質感などデザイン性も高いので、高級感を演出してくれるところも長所でしょう。タイル外壁というとレトロなイメージがあるかもしれませんが、現代の住宅に多いモダンでスタイリッシュなテイストにも馴染むようなデザインのタイルも選べるようになっています。

住宅の外壁に多く使われるサイディングボードにもタイルを模したものがありますが、本物のような風格を漂わせるほどには至っていないものもあるでしょう。

施工の難易度がネック?

外壁タイルの短所の一つとして、初期費用の高さがあげられます。材料費がかかることもありますが、タイルの施工には、下地を塗って1枚ずつ手作業で張り付けていくという職人の技が必要になります。この施工の難易度の高さが初期費用にも反映されると言ってよいでしょう。

外壁にタイルを採用すると、サイディングボードの外壁と比べて、2倍以上の初期費用がかかることもあるとされています。ただし、耐久性が高くメンテナンスも少なくて済むので、長期的に見ると、コストパフォーマンスは悪くないと考えることもできます。

また、タイルの施工が適正に行われないと、下地からタイルが浮いてくることもあり、そのまま放置すると、タイルが剥がれ落ちてしまうこともあり得ます。外壁の高いところからタイルが落ちてくるようなことは避けたいものです。

タイルの施工に使われる資材や技術は進歩しており、タイルの剥離・落下による事故の多くは防げるようになってきていますが、確実な技術を持った施工業者を選ぶことはとても重要なポイントのひとつです。

外壁タイルにもリフォーム・メンテナンスが必要

硬さがあって傷がつきにくく、水を寄せ付けないで汚れにくい。そんな耐久性に優れたタイルですが、外壁タイルはメンテナンスをしないでよい、というわけにはいきません。タイル自体の耐久性が高くても、下地や目地を埋めるコーキングは劣化しやすいからです。

表面上では異常が無いように見えても、下地が傷んでいたりタイルが浮いてきていたりすることもあります。また、汚れが付きにくいとはいえ風雨などに長年耐えてきた外壁の表面は、当初の美しさが見られなくなっている場合もあります。

そこで、外壁タイルにも、定期的な点検やメンテンナンスが必要となってきます。リフォーム・メンテナンスを検討するタイミングとしては、下地材や目地材の劣化が進む、施工10年程度が一つの目安とされています。

外壁タイルのメンテナンスは意外と安上がり?方法と費用の目安

外壁タイルのリフォーム・メンテナンスでは、まずはじめに専門の業者に点検してもらうことが大切と言われます。下地や目地の劣化の程度、タイルの浮きや剥がれ、汚れの程度など、プロの目で見て必要なメンテナンスの種類を提案してもらいましょう。

安全面・耐久性のチェックと補修

外壁タイルの点検で次のような状態が見つかれば、補修が必要と覚えておきましょう。
・タイルの浮きや剥がれ、下地の劣化
タイルが浮いていたり剥がれかけていたりする状態であれば、下地のモルタルの劣化が進んでいることが考えられます。補修方法としては、エポキシ樹脂を充填する方法やモルタルを左官で塗りなおす方法があります。ごく部分的にタイルが剥がれそうになっている場合などは、DIYで専用接着剤を使って張り付け直せることもあります。

 エポキシ樹脂充填の費用の目安:1か所につき500~900円
 モルタル左官の費用の目安:1,000~2,000円/m2
 接着剤での補修の費用の目安:1か所につき500~700円

・タイルのひび割れ
丈夫なタイルですが大きな衝撃が加わるとひび割れを起こすこともあります。すぐに落下することはないかもしれませんが、ひびから水分が入って下地や接着剤を弱らせたり、ひびに汚れが溜まりやすくなったりすることが考えられます。この場合は、タイル交換で補修します。下地の劣化が進んでいる場合は同時に補修することになるでしょう。

 タイル交換の費用の目安:500~1,000円/枚

・コーキングがやせてひび割れなどの劣化が目立つ
劣化が進んだコーキングの補修は、古いコーキング材を取り除いて新しくコーキングをし直す「打ち替え」という方法が確実でしょう。耐久性や防水性を復活させることもできます。

コーキング材が激しく劣化していない場合には、コーキング材を上から追加する「打ち増し」という方法もあります。工期が短く安価ですが、耐久性や防水性は劣ってしまうと承知しておきましょう。

 コーキング打ち替えの費用の目安:900~1,200円/m
 コーキング打ち増しの費用の目安:500~900円/m

美観を保つには

・洗浄
タイルにも表面にコケやカビなどがついてしまうこともあります。年数を経て溜まった汚れを一掃する方法としては、強い水流を使った高圧洗浄が一般的でしょう。残ってしまった汚れは、自然由来の分解成分を使ったバイオ洗浄を行うこともあります。

 高圧洗浄の費用の目安:200~300円/m2
 バイオ洗浄の費用の目安:250~400円/m2

・塗装、コーティング
タイルそのものは耐久性が高く傷や汚れにも強い建材ですが、あえて塗装することで汚れにくくしたりより美しく見せたり、といった効果を加えることもできます。防水材を塗り込む防水塗装では、目地も合わせて外壁全体の防水性能を上げる効果もあります。

 防水塗装の費用の目安:5,000~12,000円/m2

外壁工事には足場が必要になることも

2階部分など外壁の高いところを点検したり補修したりするには、足場を組む必要が出てきます。外壁タイルのリフォーム・メンテナンスでは、足場のための費用や工期をあらかじめ見込んでおきましょう。

 足場の費用相場:10~20万円(1回の工事で)
 足場の設営・撤去にかかる日数:各1日、合計2日と見ておく

まとめ

耐久性が高く美しい風格を漂わせる外壁タイルは、汚れも付きにくくお手入れが簡単というメリットもあり、長く住み続けたい住まいにぴったりの外壁建材といえます。初期費用は高くなっても長期的なメンテナンスを考えればコスト面でもそれほど不利ではないでしょう。

外壁タイルの目地や下地は天候や紫外線によって劣化していきます。10年程度を目安に、定期的に専門家に点検してもらいましょう。タイルに浮きやひびがあったり、表面に汚れが溜まってしまうこともあります。10年を目安に点検してもらい、必要なリフォーム・メンテナンスをしていくようにしましょう。

参考情報

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