センスが良くて素敵、と感じるインテリアは、建材の材質が持つ素材感を上手に取り入れていることが多いようです。リフォーム・リノベーションは、気軽には変更できない壁や床の内装に、素材感ある材質を取り入れるチャンスです。
今回は、リフォーム・リノベーションで床や壁などの内装に使われる材質に注目し、リノベ事例を見ながら、材質選びでセンスアップするヒントを紹介していきます。
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リフォーム・リノベーションの内装は「素材感」を意識してみよう
内装に使う建材の素材は、大きく「自然素材」と「新建材」に分けられます。
天然の木や石、粘土、植物などを使う「自然素材」は、ナチュラルで温かみを感じさせてくれる素材感や経年変化が味わえるといった魅力もあります。しかし、使用条件やメンテンナンスに気を使うものもありますので、注意が必要な素材でもあります。
一方、工業生産される「新建材」は耐久性やメンテンナンス、コストの面で強みがあるとされます。「自然素材」の質感や色味をリアルに再現している建材も多くあるので、天然の質感を取り入れたい場合にも納得できる品質のものが見つかるかもしれません。
どちらの素材にもメリット、デメリットがあります。うまく組み合わせて使っていきたいところです。
参考:暮らしニスタ「住宅インテリアのセンスを左右する内装材の選び方」
材質選びでは、機能面にも注目してみましょう。無垢フローリングや漆喰、珪藻土など、長く過ごす部屋を快適にしてくれる効果を持った建材はリノベーションでも人気の傾向です。
さらに、具体的に建材を決めていくときには、カタログなどの写真だけで選ばないで、できるだけ本物を手に取って確認することも重要です。色やデザインが写真で見た印象と違っていることもあり得ます。
特に、床や壁のように広い面積に使うものは、実物とはいえ小さいサンプルを見るだけでは施工後の雰囲気をつかむのは難しいでしょう。ショールームやモデルルームなどで、施工してある状態を確認できるチャンスがあれば積極的に活用しましょう。
内装をセンスアップする材質選び:床編
内装をどうしようか迷ったら、床から考えてみることをおすすめします。床は家具を載せていくのでインテリアのベースになります。ここでは、床に使える材質の中から、素材感が魅力の無垢フローリングとタイルを見てみましょう。
無垢フローリング
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床材で素材感を楽しむといえば、無垢フローリングは選択肢から外せないでしょう。天然の木材からそのまま切り出した建材である無垢フローリングを使えば、ナチュラルな木の風合いを存分に取り入れることもできます。美しい木目を楽しむ見た目の意匠性だけでなく、触った感じがサラッとして気持ちが良いのも大きなポイント。
また、お部屋の湿度を快適にする調湿効果や、菌類の繁殖を抑える抗菌、消臭効果など、機能面でも優秀な建材と言われています。
タイル
タイルというと、洗面所やトイレ、玄関土間などでよく使われているように、水や汚れ、摩擦に強い素材のひとつです。フロアタイルなら、デザインやカラーのバリエーションも豊富で、大理石など自然素材の質感を精巧に再現して、高級感あるテクスチャが楽しめるものも登場しています。
木のフローリングがメインのLDKで、一部分だけにタイルを使い、素材感の違いでゾーニングする、という使い方も効果的です。間仕切りが無いのでLDKの開放感をそのままいかすことができます。
上の事例はキッチンの床にタイルが使われていま。水撥ねや油汚れが気になるキッチンでは、耐久性があってお手入れしやすいタイルの機能性は取り入れてみたいですね。
下の事例では、窓際にタイルを敷いてインナーバルコニーを設けています。部屋の中だけれど、植物を置いてベランダのように使えるスペースです。外履きの靴に履き替えてそのまま外に出られるようになっているそうです。
内装をセンスアップする材質選び:壁・天井編
日本の住宅では、壁や天井はクロスを貼って仕上げているものが一般的かもしれませんが、リノベーションでは、塗り壁やパネル材を使って、味わいのある表情を持った仕上げにするのはいかがでしょうか。
塗り壁
漆喰や珪藻土といった、自然素材の塗り壁を室内で取り入れる例が増えているようです。漆喰に使われる消石灰や珪藻土は自然由来の素材で、室内の水蒸気量を調節する調湿効果や、有害な菌などを吸着する効果があるとされています。
また、塗り壁は職人が手作業で塗っていく左官で仕上げることで、独特のコテむらができます。不揃いの凹凸は特別感があり、あたたかみも感じさせてくれる味わいのある意匠となり魅力的です。
ウッドパネル
ウッドパネルは木材を使ったパネル状の建材で、壁や天井、エクステリアにも使われることがあります。美しい木目で高級感やナチュラル感もプラスしてくれます。材種によって色味や木目の表情が異なるので、求めるテイストにあう物を選ぶ楽しみもあります。
木材にはリラックス効果や光を和らげる効果があり、くつろぎのスペースにもぴったりです。
クロスに比べてコストは高めになってしまいますので、使用する範囲を限定するなど、印象的な使い方を工夫したいところです。
コンクリート、モルタル
内装仕上げ材を取り払ってコンクリート躯体をむき出しにするあらわしの技法も、素材感を楽しめる内装です。コンクリートは、インダストリアル調のクールで力強いテイストで大活躍する素材のひとつです。
モルタルもコンクリートのようにクールな質感を表現できる材質とされます。モルタルは継ぎ目なく塗り広げられる、手作業の温かみも感じられる、仕上げのバリエーションが多い、といったメリットがあります。使用箇所や範囲の広さの自由度が高いのも魅力です。
内装をセンスアップする材質選び:ポイント使い編
存在感のあるアイテムはインテリアのアクセントにもなります。やや主張の強いアイテムもサイズが小さいなら使いやすいですね。ポイント使いだからこそ、素材感も引き立ちます。
アイアン
シャープで硬質な素材感が魅力のアイアン。ブラックに塗装されたものも多く、お部屋の印象を引き締めて洗練された印象にしてくれるアイテムも多いようです。繊細な加工ができる材質でもあり、曲線や細やかなラインを用いた繊細で優美なデザインもあり、いろいろなテイストのインテリアに合わせることもできます。
タイル
タイルは、水や汚れに強いことから、水回りで使われることも多い材質です。光沢のある艶やかな質感がスタイリッシュな雰囲気をプラスしてくれる材質で、リビングなど居室の内装に使うのもおしゃれです。
カラーのバリエーションが豊富で、形状やサイズも多彩です。目地との組み合わせで印象を変えることもできます。
下の事例は洗面所にモザイクタイルをポイント使いしている例ですが、ガラスのような透明感や鮮やかな色彩はタイルならではの魅力ですね。
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まとめ
内装の建材の材質選びのヒントとして、素材感が楽しめる例を紹介してきました。自然素材の温かみ、工業製品のクールさ、というように、建材にはそれぞれ魅力があります。
リフォーム・リノベーションは、内装を大きく変えられるチャンスでもあります。素材感を取り入れた材質選びのコツをつかんで、インテリアをセンスアップしてみてはいかがでしょうか。
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