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部分(既存残し)リフォーム・リノベーションのメリットデメリット

家全体をまとめて施工するフルリフォーム・リノベーションに対し、気になる箇所を集中的に改修するのが部分(既存残し)リフォーム・リノベーションです。フルリフォーム・リノベーションに比べて気軽に検討できる部分リフォーム・リノベーションは、改修の目的によっては効率的かつ経済的な方法です。今回は、部分(既存残し)リフォーム・リノベーションの特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。

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部分(既存残し)リフォーム・リノベーションってどんなもの?

そもそも部分(既存残し)リフォーム・リノベーションとはどのようなものなのか紹介します。リフォーム・リノベーションを住まい全体で実施する場合を「フルリフォーム・リノベーション」というのに対し、その名の通り部分的に実施することを「部分(既存残し)リフォーム・リノベーション」と言います。

例えば、在来工法で作られた古い浴室を機能的なシステムバスに取り替えるといったものが部分リフォームです。また、リビングダイニングや子ども部屋といったように場所を限定しつつ、集中的にやり変えるのが部分リノベーションです。リノベーションというと何から何までやり変えるイメージがあるかもしれませんが、壁や床など一部を既存のまま残しながら気になる箇所のみを見直す「既存残しリノベーション」もあります。

部分(既存残し)リフォーム・リノベーションのメリット

そんな部分(既存残し)リフォーム・リノベーションのメリットとしては、大きく次の3点が挙げられます。

フルリフォーム・リノベーションに比べてリーズナブル

リフォーム・リノベーションは通常施工する面積が大きくなるほど費用が高くなります。フルリフォーム・リノベーションは新築に比べると費用が安いものの、全面的に施工するのである程度まとまったコストがかかるのです。一方、部分(既存残し)リフォーム・リノベーションは実施する範囲や工事内容が限られるため、比較的リーズナブルに改修できる点はメリットと言えます。

内容によっては住みながら工事ができる

フルリフォーム・リノベーションだと家全体が工事範囲になってしまうため、工事期間中は仮住まいを用意しなければなりません。対する部分(既存残し)リフォーム・リノベーションは工事範囲が限定的なので、施工箇所によっては工事をしながら住み続けることが可能。仮住まいを探す労力やコストを見込まなくていいのは嬉しいポイントです。

ただし、例えば水回りを工事する場合には工事期間中の料理や入浴をどうするか考えなくてはなりませんし、階段を工事する場合には1階部分だけで生活できるよう準備しておく必要があります。

工期が短期間で済む

たとえ水回りをリフォーム・リノベーションする場合でも、フルリノベーションのように数ヶ月工事が必要というのは通常ありません。多くが数日〜数週間程度の工事であり、生活への影響が少なくて済むというのも部分リフォーム・リノベーションのメリットと言えるでしょう。

部分(既存残し)リフォーム・リノベーションのデメリット

部分リフォーム・リノベーションは一部分のみしか施工しないため、次のようなデメリットもあります。

間取りは変更できない

部分リフォーム・リノベーションは、施工箇所や内容を絞って行うのがポイント。フルリフォーム・リノベーションのような間取り変更はできません。つまり、既存の間取りや設備を生かした上での見直ししかできないのです。部屋の構成や動線を改善したいと考えているなら、部分リノベーションよりもフルリノベーションを検討すべきと言えるでしょう。

想定外のコストがかかることもある

部分リフォーム・リノベーションでありがちなのが、例えば水回りだけを改修しようと思って既存設備を取り外してみたら、表面からは見えなかった配管などの老朽化が発覚するパターン。築古物件では見えない設備や配管が老朽化している場合があり、想定していなかった部分まで補修が必要になることもあります。せっかくコストを抑えるために部分リフォーム・リノベーションを選んだにもかかわらず、想定以上に費用がかさむリスクもあるのです。

統一感を出しにくい

部分的にリフォーム・リノベーションを行うと、改修した部分だけ周囲の部屋とテイストが変わってしまう可能性があります。家全体に統一のテーマを持たせたいのであれば、フルリフォーム・リノベーションを検討したほうがいいかもしれません。

部分(既存残し)リフォーム・リノベーションはこんな人におすすめ!

ここまでの内容を踏まえ、次のような特徴に当てはまる人は部分リフォーム・リノベーションがおすすめと言えるでしょう。

  • 自宅の改修したい場所が限定的で、予算も限られている人
  • 比較的築浅の中古物件を購入したが、部分的に内装の汚れや老朽化が気になる人
  • 新たに子ども部屋を設けるなどピンポイントな要望を叶えたい人
  • 現在住んでいる自宅をなるべく生かしながら、必要箇所のみ機能更新したい人

まとめ

家の改修方法には、全面的に行うフルリフォーム・リノベーションとスポット的に行う部分(既存残し)リフォーム・リノベーションの2つがあります。家をリフォーム・リノベーションする際には、改修の目的や予算感などの条件と照らし合わせ、どちらが適した方法なのかしっかり検討する必要があるでしょう。改修する場所が限定的で予算も限られているのであれば、気になる箇所のみにフォーカスした部分(既存残し)リフォーム・リノベーションを検討してみてはいかがでしょうか。

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