自宅をリフォーム・リノベーションする際、本好きの方に限らず、お仕事や子育てのために本棚を取り付けたいというご要望も多くあります。壁一面にたくさんの本が収められた憧れの書斎や、気軽に本を手に取れる子ども部屋など、構想は千差万別。本棚を造り付ける時、本棚の高さは理想のインテリアを実現させるための重要なポイントになります。
そこで今回は、リフォーム・リノベーションで取り付ける本棚にぴったりな高さを決めるポイントを解説し、高さごとのインテリア例をご紹介します。
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もくじ
リフォーム・リノベーションで設置する本棚の高さを決めるポイント
本棚は、収納力を考えると大型のものが魅力ですが、高さがあるとお部屋の印象がガラッと変わるだけでなく、撤去も大がかりとなります。また、インテリアとしての見た目や、使いやすさを考慮することも必要です。本棚の高さを決めるポイントは主に5つです。
1.本棚として以外の目的の有無
2.誰がいつまでどのように本棚を使うか
3.どんなインテリアにしたいか
4.本の冊数
5.本のサイズ
特に、「1.本棚以外」として使う場合に、壁面や間仕切りとして本棚を取り付けると、施工した後は移動や変更がなかなかできません。後悔のないよう、インテリアと利便性が両立した本棚を設計したいものです。それでは、本棚の高さごとにメリット・デメリットを解説します。
床から天井いっぱいの高さの本棚
天井までたくさんの本が収納された本棚に憧れを抱く方も多いのではないでしょうか。メリット・デメリットは次の通りです。
▽メリット
・収納できる冊数の多さ
・文庫本や雑誌などあらゆるサイズの書籍に合わせて棚の高さを選べる
▽デメリット
・圧迫感が出やすい
・天井近くの高い部分の本が取り出しにくい
・掃除の手間が増える
天井いっぱいの高さまで取り付ける場合、本棚がお部屋を大きく占めることになります。「本棚をインテリアの主役にしたい」「今後冊数が増えても収納できる大きさが欲しい」「ディスプレイ収納として楽しみたい」という方にはおすすめですが、圧迫感は避けられないため、お部屋を少しでも広く使いたい方には不向きと言えます。
床から腰~胸までの高さの本棚
腰~胸あたりまでの低めの本棚は大型の本棚と比べてお部屋の印象を邪魔しないため、取り入れやすい高さです。メリット・デメリットは次の通りです。
▽メリット
・空間の圧迫が少ない
・棚上をディスプレイ場所として大型の絵などを飾ったり、ボックスを使って収納場所とすることができる
▽デメリット
・棚の高さが限られる
・収納できる冊数が少ない
低めの本棚は目線を遮らないため、空間に開放感を持たせることができます。所有する本の冊数が多い場合は、横幅を大きくとるといった工夫が必要になるでしょう。「子ども部屋に本棚を取り付けたい」「狭い坪数でも空間を広く見せたい」「スッキリとしたインテリアが理想」という方にオススメの高さです。
天井から胸~腰の高さ(吊り戸タイプ)
リモートワークや在宅ワークが普及しつつある昨今、自宅のデスク環境を整えたい方も多いのではないでしょうか。デスク上部の壁面に本棚を設置すれば、使い勝手もよく限られたスペースを活用できます。メリット・デメリットは次の通りです。
▽メリット
・作業中でもワンステップで本を取り出せる
・お部屋の広さを削らずに本棚を取り付けられる
▽デメリット
・頭上の圧迫感
・地震対策が必要
本棚自体の高さは頭上から最大でも天井までになるため、床からの大型本棚と比較して収納できる冊数は少なくなりますが、デスクから立ち上がってすぐに本が取り出せる点、新たな収納場所を必要としない点は大きな魅力と言えるでしょう。
本棚の高さ別にリフォーム・リノベーションの施工例を紹介
ここまでの解説で、本棚の高さがインテリアにもたらす印象の違いをイメージできましたでしょうか?それでは次に、リフォーム・リノベーションで本棚を取り付けたお宅のインテリア例を高さごとに見ていきましょう。それぞれの高さで出てきがちなデメリットを解消するテクニックが満載です。理想の本棚をより具体的にイメージしてみてください。
【天井いっぱいの高さ】リビング内に壁面本棚
こちらは、リビングの壁面に天井いっぱいの高さで本棚を取り付けたお部屋。本を手に取ってすぐ、リビングでくつろぎながら気軽に読書ができる間取りになっています。リビングの壁一面に本棚を取り付けると圧迫感が出やすいですが、壁に埋め込んで連続する壁と面を揃えることで、部屋全体の一体感を実現し、スッキリとしたインテリアを叶えています。
・事例:「vol.36【リノベ|インタビュー】センターコアの回遊動線が面白い!「親子3人並べるリビング書斎」から続くストーリー」
【腰~胸までの高さ】お部屋のベースカラーと合わせた本棚で統一感を
https://renovefudosan.com/andreno/show/6244
インテリア全体に使われている、淡い色合いのウッドカラーで作られた本棚を取り付けたこちらのお部屋。インテリアのカラーを統一して、お部屋を広く見せる工夫をしています。それだけでなく、本棚を目線よりも低い高さにすることで、さらに空間全体をスッキリ見せられる相乗効果が生まれています。また、本棚の幅を大きくとっているため収納力も申し分ありません。
・事例:「vol.51【リノベ|インタビュー】300万円台のプチリノベ。大人隠れ家的「チリムーロ」なLDKづくり」
【デスクの壁面上部】本棚下の照明で明るいデスクに
https://renovefudosan.com/andreno/show/1126
こちらは、リノベーションでリビングの一角をワークスペースにし、本棚をデスク上部の壁面に取り付けたお部屋。間接照明を置くのではなく、本棚の下部に照明を取り付けることで、デスク全体が明るくなる工夫が施されています。また、別の本棚で間仕切りを作り、リビングとゆるく区切りっているのもポイント。リビングの広さと開けた視界はそのままに、しっかりと集中できる作業スペースを確保するテクニックが詰まっています。
・事例「Vol.5【① リノベーション編 】予算内で理想の住まい!広々リビング実現の優先順位|K邸インタビュー」
まとめ
使用目的によって、それにあう本棚の高さが変わることがわかりましたね。インテリア目線で木材を統一したり、壁に埋め込んだりといった空間を圧迫しないためのテクニックもありました。
家族全員のライフスタイルと照らし合わせて、ぴったりな高さの本棚を見つけてくださいね。
writing:石川遥
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