
 こんにちは。現場監督ライターのKumaです。今日は土壁のメンテナンスについてお伝えします。
 
 かつて一般的に使われていた土壁ですが、今でも、和風スタイルに土壁を取り入れるなど根強い人気があります。
 
 最初はきれいだった土壁も、年数がたつにつれて汚れや剥がれが目立ってくることがあります。そんな時、きれいにするのに一番手軽なのは塗装をすることです。汚れてしまった土壁も、塗装をすることで新しく生まれ変わります。プロにお願いしたり、DIYすることもできます。
 
 今回は汚れてしまった土壁を塗装できれいにする方法をご紹介します。
  
土壁の汚れは塗装できれいになる

 土壁をきれいにする方法はいくつも方法があります。塗り替え、クロス貼り、化粧材貼り、塗装が代表的です。この中で塗装がコストを抑えつつきれいにできる方法です。土壁に塗装は、コストパフォーマンスがよく、アマチュアでも比較的簡単に作業できる方法なのです。
 
 塗装のポイントを抑えつつ、どのような塗料が適しているのかお伝えします。
 
 
 塗装のタイミング
 
 古い土壁で困ることは、土や砂が落ちてくることではありませんか?
 
 土壁は職人さんが専用の土を塗り付けています。塗り付ける際に「糊」を使いますが、経年劣化により糊が劣化してくると材料が落ちてくる原因でになります。材料が落ち始めたときが、修繕のタイミングといえるでしょう。
 
 土壁のメンテナンスでもう一つ困るのは、汚れが落ちにくく掃除がしにくいこと。
 
 土壁は、材料が凸凹していてホコリがつきやすく、掃除がしにくい壁でもあります。材料自体が汚れを吸着しやすく、特にヤニ汚れが付いてしまうとなかなか落とせません。
 
 材料が落ちる、汚れが目立つなどの兆候が出始めたら塗装のタイミングである可能性が高いです。
 
 
 塗装のメリットとデメリット
 
 塗装工事で土壁を補修するメリットとデメリットを見ていきましょう。
 
 塗装工事のメリットはローコストなところと短時間でできることです。例えば6畳和室の塗装工事を業者に依頼したときは約5~7万円、工事期間は2~3日程度です。(業者により差があります)
 
 塗装のメリットは・・・
 
  ●コストを抑えることができる(6畳和室で5~7万円)
  ●部屋のイメージを変更できる
  ●土や砂の脱落を抑えられる
 
 一方デメリットは・・・
 
  ●土壁独特の風合いがなくなる
  
 といったところでしょう。
 
 
 塗料は内装用の塗料を使う
 
 塗装のポイントは内装用塗料と専用シーラーを使うことです。
 
 内装用塗料は住まう人の健康を害さないように、規制を遵守し健康や環境に配慮された製品を使いたいところです。
 
 内装用塗料の多くが水に塗料を溶かした水性塗料で、人体への危険性が指摘されている有機溶剤をほとんど含みません。有害物質が含まれる塗料を使うと、体調不良やシックハウス症候群を発症する危険性もあります。水性塗料は、その可能性をできる限り排除した塗料であるといえます。
 
 水性塗料は、水分が蒸発すると塗料の成分同士がくっつき塗膜をつくります。この塗膜は水に溶けません。また、内装用塗料は外装用に比べて発色や質感をたくさんの種類から選べるという利点があります。仕上がりの幅が広がるのはうれしいですね。
 
 もう一つ大切なのが、専用シーラー(下塗り塗料)を使うことです。
 
 長年の使用でボロボロと落ちてくる土や、しみ込んで落ちないヤニなどの汚れ。専用シーラーには土を固めて、しみ込んだ汚れが表面に出てこないようにする役割があります。つまり塗装の仕上がりがとてもよくなります。
 
 内装塗料と専用シーラー、二つを使うことできれいな仕上がりが期待できます。
  
DIYできる土壁の塗装

 室内の土壁なら、DIYで塗装できます。塗料の選び方と塗装の仕方に気を付けて、納得のいく仕上がりを目指しましょう。
 
 
 1.塗料の選び方
 
 上でも説明したとおり、土壁を塗る塗料は内装用の塗料を選びます。もう一つはシーラーを使うことです。
 
 壁がきれいなっても、塗装の強烈なにおいや有害物質で気分が悪くなるようでは困ります。内装用の塗料は住む人の健康を害さないように水性塗料が中心です。有害物質を極力使用せず、住環境に配慮された製品が多くありますので、塗料を選ぶ際には商品説明などで確認してみてください。
 
 もう一つは塗料専用のアク・ヤニ止めシーラー(下塗り塗料)を使うことです。年数がたった土壁は経年劣化で表面がボロボロと落ちてくる恐れもあります。また土壁についた汚れの心配もあります。塗料専用シーラーを使えば土壁がボロボロと剥がれるのを防ぎ、汚れが表面に浮いてくるのを防ぎます。
 
 土壁を塗るときは、内装用の塗料と塗料専用シーラーを使いましょう。
 
 
 2.塗装の仕方
 
 塗料が準備できたらいよいよ塗装をしていきます。塗装の順番は下記の通りです。
 
  1.壁のホコリを落とす
  2.養生をする。(柱と壁との接合部分、塗料が飛び散るので床の養生)
  3.壁を塗る(シーラー1回、塗装2回塗りが基本)
  4.養生を撤去して片付ける
  
 ここでポイントは1.土壁のホコリを落とす、と2.養生をする、です。
 
 塗装ですので塗る作業に集中したくなりますが、今の塗料は作業性も優れているので意外と簡単に塗れます。きれいに仕上げたいなら、塗装前に壁のホコリをしっかり落とすことと養生を行うことがポイントです。
 
 壁のホコリはしっかり落とさないと、塗料にゴミが混じり仕上がりが汚くなってしまいます。養生をしっかりしないと、塗料が飛び散り後片付けが大変に。塗装作業に関係のない部分にまで塗料が飛んでしまうと、結果的に全体の仕上がりが残念なことになるかもしれません。
  
塗装以外の方法
ここでは塗装以外の方法にも着目してみましょう。土壁の補修は塗装以外にも、壁の塗り替え、クロス貼り、化粧板貼りと、いくつかの方法を選ぶことができます。それぞれ、どのような特徴があるか見ていきましょう。
 
 
 土壁の塗り替え
 
 土壁の風合いが好きでインテリアにこだわりたい、という方は塗り替えがオススメです。
 
 実際の土壁と、土壁風の塗装には質感や見た目に大きな差があります。どれだけ似せても塗装は塗装。本物の土壁には勝てません。
 
 
 クロス貼り
 
 インテリアをがらりと変更するのにはクロス貼りが向いています。
 
 土壁の種類、状態によってはクロス貼りができないものもあるので、工事担当の人とよく相談しましょう。
 
 
 化粧板貼り
 
 木目や石目、無地など、インテリアとして使える合板を土壁の上に貼り付けていきます。
 
 クロスと同じく、インテリアをがらりと変更するのに適しています。こちらも、土壁の種類、状態によって貼り付けできないものもあるので、よく確認する必要があります。必要に応じてプロに相談しても良いでしょう。
  
まとめ
今回は土壁の塗装についてお話ししました。
 
 年数がたち、汚れが目立った土壁をきれいにする方法の一つに塗装があります。比較的簡単で、コストも安くできる土壁の塗装。使い方によってはインテリアを引き立てるのに使うことができます。
 
 土壁をきれいにする方法はいくつかありますが、塗装が手軽にきれいにできる選択肢の一つでもあります。
 
 壁が汚くなってしまったなと思ったら、一度検討してみてはいかがでしょうか?
 
 
 ・参考文献
  建築工事研究会,積算資料ポケット版 リフォーム編2015,(一社) 経済調査会
  
 
  
  
  
  
 



 
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
 





 
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
 