「自分や家族が住む家は、自分たちの手できれいにしたい」
欧米ではごく一般的な考えですが、日本には、ここ10年程度で流行しているようです。
DIYで床をリフォームしたいと考える方は多いと思います。今回は、床のリフォームをDIYで行うためのポイントを3つに絞ってお伝えします。
1.張りたい部屋は広すぎ(狭すぎ)ませんか
2.その床材は、本当にDIYに向いていますか
3.張った後のメンテナンスは可能ですか
上記をひとつずつ解説していきたいと思います。
張りたい部屋は広すぎ(狭すぎ)ませんか
最初のポイントは、部屋の大きさと形です。
広すぎると、何日かかっても工事が進まず嫌になります。反対に狭すぎると、壁や柱に接する部分が多くなりすぎて工事が進みません。
例えば、6畳の床を工事するのに何日かかると思いますか?
プロの大工さんでも、6畳の部屋にフローリングを重ねて張るのに1日かかります。重ね張り以外に、家具の運び出しや掃除、片付けに半日かかります。全部で1日半です。
慣れていなければ2~3日はかかります。その間の家具の仮置き場や、歩く場所も考慮しなければなりません。
部屋の広さに対し、DIY可能かどうかを検討しましょう。
その床材は、本当にDIYに向いていますか
最近は専門の通販サイトや専門書もたくさんあり、以前に比べてDIYのハードルがグッと下がってきたようです。
まず、DIYで使う床材が本当に向いているか考えましょう。
専門業者の工事費が高いのはそれなりの理由があります。「工事が難しい」「専用の道具が必要」「接着剤やクギの管理が必要」など専門知識が必要になります。
例えば、クッションフロアは材料費がとても安い製品です。しかし、接着剤の管理が必要だったり、ロール状で販売されるためクセを取るのに苦労したり、材料が固く曲がらないので、床の隅のカットが難しいなど、材料単体でみるととても安いクッションフロアも、全体でみるととても工事難易度の高い材料です。
人気の無垢材も、DIYでは難しい部類に入ります。材料のカットも難しく、専用の道具が必要になります。張っていくのも、1枚ずつ釘止めしていくので非常に手間がかかります。
DIYには、カッターと定規だけで、簡単に工事できる床材が向いています。
張った後のメンテナンスは可能ですか
床材は張って終わりではありません。使うにつれてキズや汚れなどが目立ってきますので、定期的なメンテナンスを行うことにより、きれいさを維持して製品の劣化を押さえます。
例えば、一般フローリングは表面加工がしてありますのでメンテナンスは簡単です。これが無垢フローリングでは、定期的に塗装を直す必要があります。無垢フローリングの再塗装も重労働です。
メンテナンスが楽なのは、工場で表面加工がしてある製品が圧倒的に楽です。ワックスも不要で、水拭きでたいていの汚れが落ちます。ひどい汚れには、薄めた中性洗剤が使えるので床をきれいに保つことができます。
張った後のメンテナンスも考慮して床材を選びましょう。
3つのポイントからみた、オススメの床材
3つのポイントからみたオススメの床材をご紹介します。いずれも工事が簡単、専用の道具は不要、薄いので段差ができにくいという特徴があります。
オススメの床材
■1.5mmWPBリフォームフロアー / Panasonic
カッターと定規で切ることができ、張り付けは専用テープで行います。ポイントは「とても薄い床材」という点です。
1.5mmととても薄く、建具と干渉する可能性を最小にしてくれます。工事が比較的簡単なうえ、床の耐久性も十分あるのでオススメの床材です
■かんたんリフォームタイル / サンゲツ
通称Pタイルと呼ばれる製品です。とても薄い床材なので、今の床のうえから簡単に張ることができます。カッターで切れます。接着剤で張るため、少し工事が難しい点があります。
塩ビでできたPタイル全般は、DIY向きの製品です。
まとめ
今回は「床のリフォームをDIYでやるときの3つのポイント」と題してお伝えしました。
3つのポイントは、いずれも工事を行う前の「検討」段階で考えなければならない事項です。
DIYで床をリフォームしたいと考える方は多いと思いますが、床のリフォームをDIYで行うための3つのポイントは忘れないでください。
(参考:デニス・ジェフリーズ,フロアマテリアル,産調出版株式会社,2005/04)