こんにちは。マンションデベロッパー歴7年のtokoです。今日はマンション界からのプチ得知識、マンションバルコニーについてのお話です。
バルコニーという場所は、マンション選びの条件として比較的後回しにされがちだったりするのですが(こだわりのある方は除きます)、実は生活の中でも「日当たり・通風・眺望」に重要な役割を持っています。手すりの素材によってメリット・デメリットが変わってくるので、具体的に見ていきましょう。
バルコニーは共用部分!
まず、手すりの前に知っておきたいこととして、マンションには専有部分と共用部分があります。自分の家として自由に使える部屋内は「専有部分」、それ以外は「共用部分」となっています。
バルコニーに関しても、緊急時の避難経路となっているケースが多く、共用部分になっているマンションがほとんどです。例えば火事になった際、玄関ドア側に火が回って逃げられなければ、バルコニーを伝って避難はしごで逃げるよう設計されているものが一般的です。
そのため、バルコニーにはすぐに動かせるものしか置いてはいけない、というルールが決められていることも多くあります。
そして、そのバルコニーの手すりも、もちろん共用部分。
自分の好きに変更できるものではないので、どんな素材でできているかが、実は理想の生活に大きく影響することも。
ここからは実際によくあるバルコニー手すりの素材3種類について、それぞれの特徴をご説明していきます。あらかじめ手すりの素材によってどのように生活への影響があるか確認し、内見時などに、住んでからのイメージを確認できるようにしておきましょう!
手すり素材1 〜ガラス〜
よくあるバルコニー手すりの素材1つ目、「ガラス」です。
光を通すガラスがバルコニー手すりに採用されている場合、部屋の中に入る光の量が多くなり明るい雰囲気に。マンション外観のデザインに合わせ、最近は黒系やブルー系など様々な色味のガラスも採用されています。
通常、何枚かのガラスを金属製のフレームで支えて手すりとしているため、フレーム同士の隙間から多少の通風も期待することができます。
注意点としては、道路からの視線。特に1〜4階など道路を歩いている人が見上げた時にバルコニーの中が見える階を検討している場合は、視線が気にならないか内見の時に確認しましょう。
マンションによっては、ガラスが磨りガラス調やグラデーションになるようなフィルムが貼られて視線対策が取られている場合もあります。
手すり素材2 〜躯体〜
2つ目は「躯体」。
マンションの外観全体に統一感が生じる、コンクリートでできた手すりです。外側にはタイルが貼られていることも多いですね。
タイルが剥がれて落下する危険性を考慮し、タワーマンションよりも低層マンションで採用されているケースが多いです(タワーマンションであっても、低層階には躯体手すり・タイルが使われていることもあります)。
マンションの壁に限らずバルコニーの手すりも躯体にすることで、マンション全体がどっしりとした高級感のあるデザインになります。ただその反面、光も風も通さない素材です。
メリットとしては、手すりの高さまでは外からの視線を完全に閉じることができる点です。例えば夜、リビングで座ってゆっくりとしたい時、外からの光がチラチラ入ってくることもなく、団らんを楽しむことができたりもします。(他諸条件にもよります)
他にも、夕方の強い日差しにも、低い位置が陰になるのでバルコニーが灼熱になるのを防ぐことができたりもします。物件の方角などによってもメリットとなりますね。
デメリットとしては、採光と通風が他の手すりに比較して弱い点です。ただ比較すると弱いものの、そもそも手すりより上の空間でも十分な通風・採光量が確保できていることがほとんど。そのため、デメリットとなりうるかは、ライフスタイル次第でもあります。
部屋の中にいて感じる日当たりや風通しに関しては、現地でしっかり確認しましょう。
手すり素材3 〜縦格子〜
3つ目は「縦格子」。
他の2つの素材に比べて風通しが良いので、バルコニーで植物を育てたい方には嬉しい素材です(ただし、避難の妨げになるような大きい植物はNG!)。
光も通しやすいので、日当たり・風通し重視の方には好まれる手すり素材です。ロートアイアンというデザイン性に優れた素材もあり、デザインの美しさが特徴になっているものも。
注意点としては、格子の密度によってはスケスケになってしまうこと。下層階の部屋であれば道路からの視線が気になったり、高層階の部屋であれば、手すりのそばに立つと下が見えすぎて怖く感じてしまうこともあります。
手すりの密度は日当たり・風通しにも大きく関わるので、内見の時に自分ご自身の感覚に合うかチェックしておきましょう。
横格子手すりについて
バルコニー手すりに、横格子が使われていることもあります。横格子の特徴も基本的には縦格子と同じなのですが、格子の密度で気をつけたいポイントがもう一つ。
それは、子供の足がかけられる幅がないかどうか、です。
横格子の密度が低いと、子供が足をかけて登ってしまい転落事故に繋がることも。小さなお子さんがいる方は、安全な密度になっているかも確認しておきたいですね。
まとめ
マンションでよく使われる、代表的なバルコニー手すりの素材についてご紹介しました。
素材の特徴を知ると、お部屋の中でどのような時間を過ごしたいかによって、選び方も変わってきますね。日中家にいることが多く窓を開けて過ごしたいのか、1日に洗濯を何度もまわすのか、西日の眩しさを軽減したいのか。
自分自身の理想の暮らしを細かくイメージする際や、実際に内見に行って家選びをする際には、バルコニーの手すりにも注目してみてくださいね。室内だけでなく、バルコニーライフへの新しい発見に繋がるかもしれません。
・参考:ライフルホームズ(参考元URL:https://www.homes.co.jp/words/k2/525000441/)