2020年度に実施の浴室リフォームに関する補助金は、「介護保険」「長期優良住宅化リフォーム推進事業」「各自治体の補助金」の3種類です。しかしリフォーム推進事業や、各自治体の補助金の一部は申請が締め切られてしまったものもあるので、2021年度分に期待していくしかありません。
ここでは2020年度に実施されていた補助金をおさらいしながら、2021年度はどうなるのかを考えていきましょう。
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2020年度の浴室に使えるリフォーム補助金は3種類
浴室のリフォームに使うことができる補助金として、2020年度に用意されていたのは、「介護保険」「長期優良住宅化リフォーム推進事業」「各自治体の補助金」の3種類です。
介護保険
申請することができるのは、要介護と認定された方か同居する家族です。バリアフリー化が一般的な使いみちとなっており、浴室リフォームでは手すりの設置や入り口のドア交換などが当てはまります。
申請できる金額は、1人につき20万円ですが、1回のリフォームで使いきる必要はなく、使いきれなかった分は持ち越すことができます。自己負担は1~3割となっており、その割合は所得によって増減します。
(参考:健康長寿ネット「居宅介護住宅改修費(介護予防住宅改修費)とは」)
長期優良住宅化リフォーム推進事業
一戸建て・マンションを問わず今住んでいる自宅を、省エネ性能や耐震性が高い「長期優良住宅」へとリフォームしたい方が申請できる補助金です。浴室リフォームなら、老朽化した箇所の修理(劣化対策)や、在来工法の浴室からユニットバスへの交換(省エネ対策)などが当てはまります。
申請できる金額は最大で300万円、かかった費用の1/3となっており非常に高額なのですが、注意したいのは対象が浴室だけでなく家全体となっているところです。浴室だけではなく、家全体を長期優良住宅化しなくてはなりません。
浴室だけのリフォームに使うのは、適していない補助金ということができるでしょう。申請の締め切りは年末もしくは翌年始となっていますが、申請された金額の合計によっては早く締め切られることもあります。
(参考:国立研究開発法人 建築研究所 長期優良住宅化リフォーム事業「リフォーム工事をお考えの方」)
(参考:国立研究開発法人 建築研究所 長期優良住宅化リフォーム事業「Q&A」)
各自治体の補助金
例として、東京都八王子市では「八王子市居住環境整備助成金」を設けており、「バリアフリー化改修工事」が浴室リフォームの対象となります。補助(助成)される金額は、上限が20万円、かかった費用の1/5以内となっているのですが、対象が介護保険の適応外となったケースを助成してくれます。
各自治体の補助金も、長期優良住宅化リフォームと同様に、申請された金額の合計によっては早く締め切られてしまうケースもあります。
(参考:住宅の補助金・減税・優遇制度オールガイド「市町村住宅関連補助金制度一覧(都道府県別)2020」)
2021年度の浴室リフォーム補助金はどうなるか?
浴室リフォームに関する3つの補助金のうち「長期優良住宅化リフォーム推進事業」は、すでに閣議決定された2021年度予算の概算要求から推測すると、ほぼ前年並みといえそうです。
深刻化する空き家問題を解決するために
空き家となっている住宅は、現在15%前後といわれており、全国的に深刻な問題となっています。政府は、中古住宅の有効活用を促進しようとしているのですが、ボロボロの中古住宅への入居をうながしても、耐震性能や省エネ性能に問題があったなら、安全に住まうことができませんしコストばかりかかってしまいます。
(参考:総務省:「平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要」)
そこで打ち出したのが「長期優良住宅化リフォーム推進事業」です。国が助成金を出すことで、古い住宅の性能を最新の住宅とくらべても遜色がないようにリフォームして、長く住宅を活用してもらおうというのです。
これがうまくいけば、空き家の増加に歯止めをかけることができますから、施策は当分の間継続されると考えられます。
「介護保険」と「各自治体の補助金」2021年の見通し
介護保険と各自治体の補助金に関して、2021年は少々不透明な見通しとなっています。
なぜなら、何かと問題が指摘されがちな、介護保険制度の見直しが2021年に迫っているからです。浴室リフォームの自己負担額が現在の1割から2割へと引き上げられたりするのも、十分にあり得る話です。
また各自治体の補助金に関しても、新型コロナウイルスの影響で大幅な税収減となっていますから、継続されないと可能性もあります。
まとめ
2021年度の浴室リフォームの補助金については不透明ですから、今後を見守っていくしかないでしょう。
補助金については、自身でも情報収集をしつつ、リフォーム業者に見積もりをとる際には、3つの補助金について質問してみましょう。優れたリフォーム業者なら、介護保険や国、自治体の補助金をうまく組み合わせた提案をしてくれるでしょう。
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