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「景観重要建造物(けいかんじゅうようけんぞうぶつ)」とは何か?|誰でもわかるリノベ用語集

誰でもわかるリノベ用語集566

■景観重要建造物(けいかんじゅうようけんぞうぶつ)

「景観重要建造物」とは「けいかんじゅうようけんぞうぶつ」と読みます。「景観重要建造物」とは景観行政団体が指定する建造物のことです。

日本では経済性を重視した結果、さまざまなビルやマンションの建設が進んでいます。その結果、ヨーロッパと比較して日本の景観は無秩序で見すぼらしいという意見が増えるようになりました。日本の景観に対する要望に応えるため、2004年に国土交通省が景観法を施工しました。

景観法の施行に伴い、景観行政を司る景観行政団体が設立されています。政令指定都市や中核市については各地方自治体、その他の都市については各都道府県が役割を担っています。

景観重要建造物の指定を受けると、建築基準法の一部の適用が排除または緩和されます。また、対象となる建造物について民間が所有している場合は、相続の際に適性評価を行うことで税金が控除されます。また、建物の原状を変更する場合には景観行政団体の責任者の許可を得なければなりません。なお、景観法では築年数の規定はなく、戦後に建築された建物についても景観重要建造物として指定されたケースがあります。

景観重要建造物は文化財保護法との関係もあり、国宝、重要文化財、特別史跡名勝天然記念物、史跡名勝天然記念物に指定された場合には景観重要建造物の指定ができません。

景観重要建造物は2011年の時点で91件です。主な景観重要建造物として京都市にある吉田邸や岐阜県各務原市にある坂井家主屋などがあります。

(参考:アットホーム「景観重要建造物とは」