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お風呂サイズを大きくするとリノベーション・リフォーム費用はどのくらい変わるのか?

浴室をリノベーション・リフォームするなら、今よりもお風呂を広くしたい、と考えることも多いのではないでしょうか。でも、予算は限られているものなので、悩みどころですね。

そこで、お風呂サイズでリノベーション・リフォーム費用はどのくらい変わるのか、大手メーカーのシステムバスを事例に調べてみました。

また、浴室のリノベーション・リフォームで、費用を節約する工夫についてもご紹介していきます。

快適に使えるお風呂サイズの基本

サイズ別の費用比較の前に、どのくらいのサイズがあれば、どのように使えるのか、目安となる広さについて確認しておきましょう。

お風呂サイズの目安

まずは浴槽の広さです。一つの基準となるのは160㎝でしょう。浴槽の長辺が160㎝くらいあれば、大人が膝を延ばしてお湯につかることができ、お子さんと一緒でも入れるくらいのサイズ感と言われます。膝は伸ばせなくても、平均的な身長の大人がゆったりと入るなら130~140㎝くらいがメドでしょう。

次に、洗い場の広さです。システムバスでは、洗い場の長辺は浴槽のサイズに合わせて変わりますから、浴槽が大きくなれば洗い場も広くなります。大人一人が体を洗うためなら、一般的な0.75坪タイプのシステムバスで十分な広さが取れるとされています。しかし、0.75坪タイプでは浴槽が狭くなりゆったりつかりたい人にはやや小さく感じるでしょう。

1坪タイプであればもう少し余裕があります。洗い場は、お子さんと一緒だとちょっと手狭に感じることもあるかもしれません。ただ、浴槽も160㎝が確保できるのでゆったり入れます。

さらに、1.25坪タイプになると、浴槽のサイズは変わらずに洗い場が40㎝程広くなることが多いようです。お子さんと一緒に入る時や、介護が必要なご家族がいる場合には、洗い場が広くとれるサイズが使いやすいでしょう。

参考:リフォームガイド「ユニットバスのサイズを完全解説!あなたに最適なサイズはこれだ!」
参考:リショップナビ「狭い浴室・お風呂を広くしたい!リフォーム方法と費用・事例、おすすめのサイズやメーカー品は?」

お風呂サイズが変わると費用はどのくらい違ってくるのか

では実際にシステムバスのサイズが変わると、費用はどのくらい変わってくるのか、見てみましょう。今回は、システムバスで人気のあるTOTOのサザナとLIXLのアライズの普及グレードを事例に、実際のカタログから費用を比較してみます。

大手メーカーのシステムバスは、必要なものがセットになっており、そこに希望に合わせたオプションを組み合わせていくシステムです。今回の比較ではオプションは含まずに、セット本体の価格を抽出して見ていきます。

TOTOのサザナ
●Pタイプ
1216サイズ(0.75坪):101.6万円
1616サイズ(1坪)  :108.9万円
1620サイズ(1.25坪):130.8万円

●Nタイプ
1216サイズ(0.75坪):65.9万円
1616サイズ(1坪)  :73.2万円
1620サイズ(1.25坪):95.1万円

参考:TOTO「システムバスルーム サザナカタログ(タログID : 0103_04702106、発行年月 : 2021年6月」

LIXILのアライズ
●Kタイプ
1216サイズ(0.75坪):102.9万円
1616サイズ(1坪)  :109万円
1620サイズ(1.25坪):132.5万円

●Cタイプ
1216サイズ(0.75坪):66.9万円
1616サイズ(1坪)  :73万円
1620サイズ(1.25坪):95.2万円

参考:LIXL「アライズカタログ(商品編)(カタログコード: ヨ-PU47A-5 / 2021年04月)」

上の数字から、サイズによる価格の上がり幅に注目してまとめてみましょう。
・0.75坪と1坪との差は、約6万円
・1坪と1.25坪との差は、約22~23万円

0.75坪と1坪の価格差に比べて、1坪と1.25坪の価格差が大きくなっていることが分かりました。1坪か1.25坪かで悩むときにはこの価格差が大きなポイントになってきそうです。

浴室のリノベーション・リフォーム費用を節約したいなら

先ほど紹介したシステムバスの価格は、メーカーのカタログに掲載されている定価です。実際のリノベーション・リフォームでは、もっと費用を抑えられることもあります。

割引やオプション

実際に施工する工務店ごとに、価格は異なってきます。リノベーション・リフォームで採用したいメーカーやシステムバスが決まっているなら、近くの特約店を探して見積もりを取りましょう。商品の本体価格やオプションの値引きも期待できます。値引き率は商品や工務店によって異なりますが、少なくとも30%程度の値引きは見込めるという情報もあります。

タイミングによっては、発売時期が古いアウトレット品を格安で購入できることもあります。システムバスに求める条件の優先順位を決めておき、メーカーや商品は臨機応変に選べるようにしておくとよいでしょう。

工務店はそれぞれに得意分野などが違いますので、複数の工務店に相見積もりを取ることは費用を抑えるための基本的なテクニックと言われます。見積書を比べるときには、合計金額に目が行きがちですが、内訳が大事と覚えておいてください。例えば、システムバスのサイズが大きくなる代わりに別のサービスがなくなり施主側の負担が増える内容であったり、一つ小さいサイズにすると欲しいオプションが予算内で付けられる、ということもあるでしょう。

サイズアップによる費用増加を吸収する方法として、システムバスがセット商品であるところをバラバラにして考えてみる方法もあります。基本とされているセットから、不要なものを減らしたりグレードを落としたりするように交渉できれば、価格を抑えることにもつながります。

参考:ハピすむ「お風呂・浴室のリフォーム見積もり。費用や価格の相場は?」

助成金や補助金、減税制度

浴室のリノベーション・リフォームは、国や自治体の補助金制度や減税制度の対象になることもあります。バリアフリー化や省エネ効果が見込めるリノベーション・リフォームなら、お住まいの地域に使える制度がないか、調べてみてください。

また、工事に取り掛かる前から制度を調べておくことをおすすめします。このような制度を利用するには必要書類を揃えて申請を行う必要がありますが、工事を開始する前の申請が必要になることもあるからです。

部分的なリフォーム

システムバスを丸ごと交換するのではなく、部分的なリノベーション・リフォームにすることで、費用を抑えるという方法もあります。浴槽交換で幅の広いワイド浴槽に変える、水栓周りの部品交換で配管スペースをけずり洗い場を広くする、開き戸を折れ戸や引き戸に変えて洗い場や脱衣所のスペースを広く使えるようする、といった例が考えられます。

参考:HAGSコラム「浴室リフォームを格安にする2つの方法」
参考:HAGSコラム「お風呂のリフォームを格安に仕上げるアイデア」

まとめ

TOTOとLIXILのシステムバスを事例に、お風呂サイズによってリフォーム・リノベーション費用がどのくらい違うのか、調べてみました。価格差を知って、それぞれのサイズでどのくらい満足できるのか、具体的に考えるきっかけになったとしたらうれしいです。