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「通行地役権(つうこうちえきけん)」とは何か?|誰でもわかるリノベ用語集

誰でもわかるリノベ用語集691

■通行地役権(つうこうちえきけん)

「通行地益権」とは「つうこうちえきけん」と読みます。「通行地役権」とは自分の土地の便益のために他人の土地を利用できる権利のことです。例えば、他人の土地を通行した方が車の出し入れがしやすい、他人の土地を通れば駅やバス停などの目的地にすぐに到着できるなどのケースがあります。

土地の所有者に相談して賃借権を譲り受けるという方法もありますが、賃借の場合は独占的に土地を使用できるようになるため、土地を借りることが難しい、高額な賃料を要求されるなどの問題が生じます。

通行地役権を用いれば土地の使用が通行に限られるため、高額な賃料を払わずに済みますし土地を所有している人も安心して利用を許可できるでしょう。通行地役権を設定するには土地を通行する側である要役地の所有者と土地の通行を許可する承役地の所有者との間で地役権設定契約を結ばなければなりません。

通行地役権については地役権の対価を求めることも可能ですが、法律上は無償で地役権設定契約を無償で結ぶことも可能です。また、地役権は不動産登記法第114条に基づき、登記も認められています。

通行地役権に似た言葉として囲繞地通行権があります。公道に接していない住宅に住んでいる人が行使できる権利のことで、損害の最も少ない他人の土地の通行が許されています。通行地役権の場合は権利を行使しなくても公道への通行は可能ですが、囲繞地通行権の場合は権利を行使しなければ公道への通行ができません。

(参考:三菱UFJ不動産販売「通行地役権」)