本好きやマンガ好きの人にとって、たくさんある本をどこに収納するかというのは大きな問題。本を収納する場所に困っている人へおすすめしたいのが、壁面や階段といった間取りの一部に本棚を取り入れるリフォーム・リノベーションです。
今回は「完全版」と題して、本棚リフォーム・リノベーションのメリット・デメリット、種類・特徴・費用相場などあれこれを一挙に紹介。この記事を参考にして、自宅に大容量のオーダーメイド本棚を取り入れてみませんか。
事例集ダウンロードはこちら
もくじ
1. 本棚リフォーム・リノベーションのメリット・デメリット
まず、本棚リフォーム・リノベーションのメリット・デメリットについて見ていきましょう。壁面本棚のメリット・デメリットについては、こちらの記事も参考にしてください。
参考記事:本をたくさん収納したいなら壁面本棚がおすすめ!メリット・デメリットと事例を一挙ご紹介
本棚リフォーム・リノベーションのメリット
本棚リフォーム・リノベーションのメリットとしては、次の4点を挙げることができます。
- 収納力を確保できる
デッドスペースになりがちな壁面を使ったり、空いたスペースを有効活用したりすることで、たくさんある本を十分に収納できるだけの収納力を確保することが可能です。 - 耐震性、耐久性が高い
オーダーメイドの本棚は部屋の寸法にちょうど合うように作られており、壁や柱にしっかりと固定することができるので耐震性や耐久性が高い点がメリット。本棚リフォーム・リノベーションにおける耐震性の高さについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
参考記事:地震に備える!本棚の耐震性を高めるリフォーム・リノベーション - インテリアになる
壁面いっぱいの本棚は見せる収納としても活躍。ディスプレイするものや飾り方を工夫することによって、インテリアのいいアクセントになります。 - 設置する空間が選べる
本棚といえば書斎や居室に置くものというイメージがありますが、オーダーメイドの本棚であれば、玄関や階段といった限られたスペースにも設置可能。設置する空間を自由に選ぶことができるのも魅力です。
本棚リフォーム・リノベーションのデメリット
多くのメリットがある本棚リフォーム・リノベーションですが、次のようなデメリットがあることも理解しておきましょう。
- 一度固定したら簡単に移動ができない
本棚リフォーム・リノベーションによって設置した本棚は、当初の設置スペースにピッタリ合うよう設計されたもの。一度固定してしまうと、簡単には他の場所へ移動できません。本棚を設置する際は、今後のライフスタイルや部屋の使い方をイメージし、設置場所を慎重に検討する必要があります。 - 場所によっては圧迫感が出てしまうことも
壁面を使った本棚は部屋の高さを目一杯収納として使える分、設置場所によっては圧迫感が出てしまうこともあります。実際に設置してみたら、想像以上に部屋が窮屈な印象になってしまうということも。開放的で天井高のある部屋の一面だけを使うなど、圧迫感が出ないよう設置場所を工夫したいところです。
2. 本棚リフォーム・リノベーションの種類・特徴・費用相場
本棚リフォーム・リノベーションには、既製品(システム)の本棚を使う方法とオーダーメイド(造作)の本棚を使う方法の2種類があります。続いては、それぞれの方法の特徴や費用相場について見ていきましょう。
自由度とコストのバランスがいい既製品(システム)本棚
システム収納家具とはメーカーがあらかじめ用意しているパーツの中から必要なものを選び、組み合わせて作る既製品のこと。次のような点が特徴です。
- パーツやデザインが豊富で、既製品でありながら比較的自由にカスタマイズできる
- パーツのデザインが統一されているので、初心者でもインテリアに統一感を持たせやすい
- フルオーダーに比べるとリーズナブル
- フルオーダーに比べると自由度は劣る
システム収納家具による本棚を設置する際の費用相場は約20〜80万円。小さめサイズの本棚を自分で設置するのであれば10万円程度から設置可能です。
既製品(システム)本棚を設置するリフォーム・リノベーションについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
参考記事:サイズや機能を自由に選んで組み合わせ!既製品(システム)本棚の特徴・費用相場
とことんこだわれる!オーダーメイド
リノベーションの利点を活かして、サイズ感やデザインなどとにかくこだわりたい人はオーダーメイド(造作)の本棚がおすすめです。オーダーメイド本棚には次のような特徴があります。
- インテリアや素材感、サイズ感など部屋にピッタリと合うよう本棚をカスタマイズできる
- 住む人の使いやすいサイズ感にすれば使い勝手が良くなる
- 当初の設置場所に合うよう作られているので、一度設置すると移動しづらい
- 一点もののため、出来上がるまでイメージがしづらい
オーダーメイドはコストが高めと思いがちですが、本棚のサイズや使用する素材、デザインなどによって費用はまちまち。一般的には15〜20万円程度で設置可能な場合もありますが、サイズが大きいものだと100万円以上かかることもあります。最初から費用が高いと諦めるのではなく、自身の予算感と照らし合わせて検討するのがおすすめです。
オーダーメイド(造作)本棚を設置するリフォーム・リノベーションについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
参考記事:デザインもサイズもこだわり実現!リノベーションで作るオーダーメイド(造作)本棚の特徴・費用相場
3. 設置場所別!本棚リフォーム・リノベーションの費用・工期の目安
本棚リフォーム・リノベーションは設置する空間を選べることがメリットだとお伝えしました。設置場所を選ぶにあたっては、場所ごとにどれくらいのコストがかかるのか把握しておくことが大切。本章では、設置場所別に本棚リフォーム・リノベーションの費用・工期の目安を解説していきます。
リビングに設置する場合の費用・工期
生活の中心に本があるという人なら、家族が集まるリビングに本棚を設置するといいでしょう。リビングに本棚を設置するやり方としては、間仕切りとして使用する方法と壁面を活用する方法があります。それぞれの方法ごとに費用・工期の目安を示すと次の通りです。
- 本棚を間仕切りとして使用する場合
間仕切り本棚を設置する場合の費用は20万円〜が目安。多くの場合1日で工事は完成しますが、設置場所や工事の方法によって工期が長くなることもあります。
参考記事:収納しながら空間を切り分け!気になる間仕切り本棚の費用相場や工期は? - リビングの壁面に本棚を設置する場合
リビングの壁面一面を本棚にする場合の費用は約40〜70万円が相場。工期は設置する本棚の大きさによって異なりますが、リビング一面であっても1日が目安です。
参考記事:本好きのあこがれ、壁一面の壁面本棚。費用相場や工期は?
書斎に設置する場合の費用・工期
仕事や趣味の本を収納しておく場所として適しているのが書斎。在宅ワークの普及により、ますます書斎に本棚を設置したいというニーズは高まっていると考えられるでしょう。
書斎に壁一面の本棚を設置する場合、費用の目安は約15〜20万円。全てオーダーメイドで設置するとなれば、もう少し高めの予算で検討したいところです。工期はおおむね1日以内と考えられますが、本棚のデザインや設置場所の状況によって長くなる可能性もあります。
参考記事:隠れ家風にもオフィス風にも!書斎本棚の費用相場や工期とは
階段に設置する場合の費用・工期
デッドスペースになりがちな階段の壁面などを使って、大容量の本棚を設置するリフォーム・リノベーションも人気です。階段の壁面は殺風景になりがちなため、本棚を設置すればインテリアのアクセントになることでしょう。
オーダーメイドで階段に壁面本棚を設置する場合、費用相場は10〜15万円程度。工期は1日、長くても1週間程度で終わると考えておけばOKです。ただし、工事中は階段を使用できない可能性がある点に要注意。
・参考記事:階段に本棚を作る際の費用相場と工期について。 事例やDIYもご紹介
廊下に設置する場合の費用・工期
大きな壁面が確保できる廊下も、本棚リフォーム・リノベーションを行う場所としておすすめの場所。適切な通路幅さえ確保できれば、大容量の壁面本棚を設置可能です。
廊下に壁面本棚を設置する場合の費用相場は10〜60万円程度。本棚に使う素材やサイズによって費用の振れ幅が大きくなっています。工期は他の場所と同様1日が基本で、長くても1週間程度が一般的です。
参考記事:廊下に本棚を作る際の費用相場と工期について。 事例やDIYもご紹介
和室に設置する場合の費用・工期
あまりイメージがないかもしれませんが、マンションではリビングに隣接していることが多い和室も本棚リフォーム・リノベーションに適した場所です。
和室に壁面本棚を設置するにあたっての費用は扉ありで約15〜20万円、扉なしで約10〜15万円が目安。工事そのものはそれほど時間を要しませんが、専門業者との打ち合わせなども入れると取り付けまでに5日程度はかかります。
参考記事:和室に本棚を取り付けたい!費用相場と工期はどのくらい?
隠すという選択も!WICに設置する場合の費用・工期
ここまで紹介してきた設置場所はいずれも「見せる収納」としての本棚ですが、ウォークインクローゼット(WIC)に設置することで本棚を目線から隠すという選択肢もあります。
こちらの記事では、WICにDIYで本棚を設置する場合の費用・工期について詳しく解説しています。
参考記事:ウォークインクローゼットに本棚を作って収納力アップ!費用相場と工期をご紹介
4. 本棚リフォーム・リノベーションの落とし穴・注意点
上手に設置すれば、収納力強化やデザイン性アップに貢献してくれる本棚リフォーム・リノベーション。実施してから公開することの内容、次のような落とし穴・注意点をあらかじめ意識しておきましょう。
本棚の奥行きにも注目を
設置する本棚のサイズを検討する際、設置場所の高さと幅だけに目を向けていませんか。意外と忘れがちなのが本棚の奥行きです。設置場所によって奥行きに制限があるというのはもちろんのこと、置きたい本の種類によって必要な奥行きが異なる点も注意したいところです。
例えば、何も考えずに奥行き25cmの本棚を設置してしまうと、幅が約10.5cmの文庫本は取り出しにくくなってしまいますよね。本は種類によって幅が大きく異なるため、収納したい本のサイズ感を把握した上で奥行きを考えるのがおすすめです。本棚の奥行きについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
参考記事:リフォーム・リノベーションしたら本棚も新しくしよう!最適な本棚の奥行きをシーン別に解説
高さによってメリット・デメリットが異なる
壁面本棚を設置する場合、収納力を確保したいあまり天井まで本棚にしたくなるもの。しかし、上のほうの本棚は手が届かず、決して使い勝手がいいとは言えません。自身や家族が使う場面を想像した上で、スタイルにもっとも適した高さの本棚を設置すべきなのです。
本棚の高さを検討するにあたっては、こちらの記事を参考にするといいでしょう。
参考記事:リフォーム・リノベーションで取り付ける本棚の最適な高さは?高さごとのインテリア例を紹介
5. 本棚リフォーム・リノベーションのおしゃれな事例
これから本棚リフォーム・リノベーションをやってみたいと考えている方に向け、思わず参考にしたくなるおしゃれ事例を紹介していきましょう。
事例1:壁面本棚に生まれたワークスペース
床から天井まで壁面いっぱいを使用した大容量の壁面本棚は、床と素材感を合わせることでインテリアに統一感を持たせています。本棚の一部をコンセント付きのワークテーブルとしており、在宅ワークにもぴったりの壁面本棚です。
事例2:高さを抑えた使い勝手のいい造作本棚
こちらの壁面本棚はあえて高さを抑えることにより、上の棚まで使いやすい作りとなっています。奥行きを深めにしたことで、新書や文庫本は前後で収納可能。無垢フローリングと素材感を合わせることで、インテリアに違和感なく溶け込んでいますね。
事例3:本に囲まれた書斎スペース
壁面本棚を間仕切りとして使用することで、本に囲まれた書斎スペースを実現した事例です。壁面本棚を活用すれば、自宅でありながら図書館のような本好きにはたまらない空間を作ることもできます。
事例4:上部だけ本棚にしてスペースを有効活用
壁面の上部のみに本棚を設置すれば、残りの壁面を他の用途に有効活用できます。こちらの事例では、本棚の下をトレーニング用具置き場として活用。ちょっとしたスペースも無駄にしないのが本棚リフォーム・リノベーションなのです。
6. 本棚リフォーム・リノベーションはDIYでも出来る?
本棚リフォーム・リノベーションのコストを少しでも抑えるため、DIYでこだわりの本棚を作りたいと考えている方もいるかもしれません。本棚リフォーム・リノベーションはDIYでもできるのでしょうか。
結論から言うと、作り付けの本棚をDIYで設置することは可能です。サイズが小さいものであればDIY初心者でも作業可能ですし、2×4材を活用すれば大きな棚でもDIYで作れます。ただ、大きなものになるほど難易度は高くなるため、自信がない方は専門業者に依頼するのがおすすめです。
本棚リフォーム・リノベーションのDIYを検討している方には、こちらの記事がおすすめです。
参考記事:本棚をもっとすてきに。本棚をDIYでオシャレにリノベーションしよう!
7. 本棚リフォーム・リノベーション費用を抑える方法
こだわりの本棚を設置しようとすると、どうしても費用がかさんでしまうこともあります。こだわりを生かしつつ、少しでも本棚リフォーム・リノベーション費用を抑えるには次のような方法が有効です。
- 費用を抑えられる素材を選ぶ
- 本棚の扉を設置しない
- 複数の業者から相見積もりを取る
- できる範囲でDIYする
上の4つの方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
参考記事:本棚リフォーム・リノベーション。費用を抑えるためにできること
まとめ
今回は、本棚リフォーム・リノベーションに関するあれこれを解説してきました。壁一面を使った大容量の壁面本棚だけでなく、設置する空間の使い方やライフスタイルに合わせた本棚を設置すれば、生活利便性を高めることができます。本棚をどうやって使うか具体的にイメージしながら、リフォーム・リノベーションの方向性を検討してみてはいかがでしょうか。
事例集ダウンロードはこちら