リノベーションをする際、「個室はいくつ必要?」「子どもの人数が増えるかも」「いや、もう増えないかも」⋯⋯そんな予想の狭間で間取りに悩むケースが多くあります。
ファミリー層に人気の70㎡前後で人気の間取りは、「主寝室」と「将来間仕切りが可能な大きめの1部屋」というもの。子どもができたら子ども部屋に、人数が増えたら分割、子どもがいなくても趣味の部屋に⋯⋯そのように考えるご夫婦が多いようです。
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子どもが個室を使う期間は意外と短い
お子さんがいる方、もしくはこれからお子さんが生まれる予定がある方は、ごく自然に「子ども部屋を用意してあげなきゃ!」と考えるのではないでしょうか。
しかし、子どもが個室を必要とするのは大体小学校高学年や中学生になってから。それまではリビングで遊ぶことが多いですし、寝るのも親と一緒、宿題も親が見てあげなくてはいけないことが多いのです。「家を建てるときに子ども部屋も用意したけど、全く使わず物置になっている」というママさんの声もよく聞かれます。
また、子どもが高校卒業後に家を出て行くと仮定すると、子ども部屋を使うのは18歳まで。計算すると、おおよそ6〜10年ほどしか使用しないことになります。大切な期間ではありますが、50年住むと仮定したうちの6〜10年と考えると、実はとても短い期間です。
そのため、あらかじめ子どもの数だけ個室を用意するのではなく、フレキシブルに活用できるスペースを残しておく、といったイメージの方が使い勝手が良いのです。主寝室の他に、将来間仕切りが可能な大きめの部屋をつくっておく。そうすることで、年齢やライフスタイルの変化とともに臨機応変に活用することができます。
子どもの数だけ部屋が必要とは限らない
子どもが2人なら2部屋、3人なら3部屋用意してあげたいと思うのが親心。ただ、今後子どもの人数が増えるかどうか分からない、何人になるか分からない⋯⋯といった方は、何部屋用意すべきか、どのくらいのスペースを残しておけば良いのか悩むところだと思います。
前述の通り、子どもが子ども部屋を使う期間は意外と短いものです。そしてさらにきょうだいの歳が離れていれば、下の子が個室を必要とする年齢になったとき、既に上の子は自立して家を出ている可能性もあります。その場合、子ども部屋は2部屋ではなく1部屋で対応できることになるのです。
また、きょうだいが歳の近い同性であれば、大きくなっても同じ部屋で過ごすケースが多くあります。互いに協力し合い、ときには切磋琢磨して、良いきょうだい関係が築けるようです。
子ども部屋の用途は「収納」と「就寝」
最近では、リビング学習をメインとするご家庭も増えてきました。小学校のうちは宿題を親が見てあげなくてはならないことも多いですし、適度に人の気配や音声があった方が集中力が増すとも言われているのです。そのため、小さいうちにリビングで遊んだり勉強したりする習慣がついてしまえば、大きくなってからも自然とリビングにいる時間が長くなるそうです。
ただし、成長と共に学校の教材なども増えますし、「自分の領域」が出てくるのは事実。誰にも邪魔されたくない、自分だけで大切にしたい物もでてくるでしょう。また自立の一歩として、寝るときは自分の部屋で寝るようにする、というご家庭も多いようです。
このようなことから、子ども部屋の機能としては「収納」と「就寝」ができればOKということになります。そうなると、必要なスペースは大体どのくらいか想像ができますね。
広すぎる子ども部屋は逆効果に
子どもの自立を促すための子ども部屋であるはずが、広すぎる子ども部屋は逆効果になるという意見もあります。広い個室にベッドや机、テレビなど何でも揃った居心地の良い空間にしてしまうと、子どもが部屋から出なくなりがちです。そして、「もういい年齢になったのに、家から出ていかない⋯⋯」という例もよく聞かれます。
「子どもはいつか出ていく」ことを念頭に置き、少々居心地が悪いくらいでちょうどいい、と思うようにしましょう。スペースに限りがあった方が、自分で工夫して収納するテクニックを身につけるかもしれません。どうしても狭い場合は二段ベッドやロフトベッドなどを活用し、「広いスペース」ではなく「自分だけの領域」を作ってあげることが大切です。
足りないor余った場合もどうにかなる!
万が一子どもの人数が予定より増えたとしても、前述した通り子どもが子ども部屋を必要とする期間はしばらくの間だけ。最近ではLDKを広くとるご家庭も増えているので、その間だけ親がリビングに寝るなどの対応でどうにか乗り切れるケースも多いです。
逆に、子どもが増えず部屋が余ってしまったとしても大丈夫。子どもがいるうちは何かと物が増えていきますし、子どもが自立して巣立ってからは新たな趣味を見つける方も多いです。 収納や趣味の部屋として活用できるケースが多くあります。
まとめ
子どもが個室を使用するのは、実はほんの短い期間だけ。子ども部屋は寝室や収納場所として機能すればOK。
そう考えると、限られたスペースでも個室を用意することが可能です。必要な部屋数や広さはその時々で変わってくるため、大切なのは広さよりも可変性のようです。
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